「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

「ついで」から一歩踏み込む――「思ったより楽しい」と感じていただくために――

先週から穏やかな日が続き、2月上旬に降り積もった大雪も、かなり融けました。
相変わらず韓国・中国からの旅行者が多いですが、春休みに入った大学生の姿も見られるようになってきました。ただ、3月のご予約は昨年の同時期と比べて半分程度。リニューアル工事が本格化して一般にも知られるようになり、町としても「リニューアル後」に目が向いている感があります。
「今」の様相は「今」しか見られないのですから、「『4代目・鬼太郎列車』の見納め」や「世界妖怪会議」などをもっとアピールし、ご不便をおかけするからこそイベントを増強するなどできるといいのですが・・・、現実は厳しいです。


山陰はアクセスが良くないこともあり「水木しげるロードだけのために来られる人」は、決して多くありません。入り込み数からすれば、ごく僅か。おそらく1%にも満たないでしょう。
大半が出雲・松江・大山・隠岐・倉吉・鳥取などを合わせて楽しまれており、アニメや漫画が好きな人は北栄町由良や岩美町にも行かれる人が多いですし、「女子旅」は出雲大社や鳥取砂丘がメーンの人が主。団体ツアーや外国人観光客も同様で、「水木しげるロードは、メーンではなく『ついで』」の人のほうが多いのが現実です。


うちにご宿泊される人は基本的に「旅人」で、「2泊以上の旅で、水木しげるロードを楽しむために境港で1泊」という人が圧倒的に多く、特にうちの主要客となる「女性の一人旅」は、土曜日・繁忙期と平日の利用率にほとんど差がありませんので、この傾向が強いです。
女性グループは一人旅と比べると土曜日や繁忙期が主で、この客層は「1泊2日で境港のみ」もおられますが、総数は多くありません(女性の一人旅は全体の約45%、女性グループは約12%)。


子ども連れのご家族(全体の約19%)は「水木しげるロードをメーンに1泊2日」が4~5割くらいでしょうか。うちの利用者だとご家族でも「行楽・観光」というよりは「旅行・旅」という感じです。男性客や大人のみのグループ、ご夫婦は「水木しげるロードの観光ではない人」が大半です。
なので、うちに2泊以上するのは全体の10%弱しかありません(美保関の観光に時間を割く人が連泊する傾向があるくらい)。


日中の滞在時間は、女性客や子ども連れのご家族は、短い人で2時間くらい、長い人で丸一日。概ね3~4時間です。ご宿泊される人でそれくらいですので、「境港に泊まらない人」だと1~2時間が主、団体客だと1時間いない人も多いです。
皆生温泉や玉造温泉、松江などに泊まって、日中に境港観光に来られる人が多いほか、「米子空港便を利用し、着いてすぐか帰る前に寄る人」がおられます。女性グループが主で、特に日曜日の夕方「帰る前に境港を観光し、夕食に海鮮などを食べて、夜の飛行機で帰途に着く」感じです。


ある程度のファンであっても、小さな町ですので、宿泊して刊行される人の割合は低いです。さらは、大規模な催しでもない限り「水木しげるロードだけで2泊以上」に繋げるのは難しいのは事実です。


ただ、自分としては「ついで」で十分だとも思っています。もちろん「水木しげるロードを楽しむためだけ」の人が増えてほしいですが、「山陰観光」あるいは「中国地方広域観光」として広く楽しんでいただきたいですし、そのサポートをするのが当宿の特性でもあります。


大切なのは、「ついで」の人に「思ったより水木しげるロードが楽しかった」と感じていただくこと。


そのためには、サプライズ感のある小さな催しと、案内やサービス面の強化に尽きます。
「とりパス」などの割引券を案内所が配布したり、当日のイベントの告知などを、もっと積極的に行えば、観光客の“得した感”が増します。イベントの告知の遅さと、情報発信・共有が弱いのが、今の境港の課題だと思いますので、大リニューアルに併せて改善していかなければなりません。


自分は、今は「成りきり鬼太郎さん」&「折り紙目玉おやじ」で楽しんでいただいていますが、「楽しそうに写真を撮っている女性グループや子ども連れのご家族」に声をかけると、半数は着て遊ばれます。合わせてイベントや現状などをご案内し足り、割引券を配ることで、喜んでいただけていると思います。
「楽しい」と思っていただければ「また来たい!」となる可能性は上がりますし、本人だけでなく友人知人への情報発信もなされます。そうして「町を楽しむ人」が増えていくこと。それが大事です。「宿」としては好みもありますので、その中から1%でも泊まっていただければ幸いです。


「水木しげるロード」として、まちづくりが始まってから20数年。町として“水木色の徹底”は進み、“小ネタ的”なものも増えています。一方で“遊び心”というか、当初の“自由奔放さ”のようなものは薄れています。
「楽しみ方の尺度」のようなものが、変わってきていると言えるでしょう。それがもともとのまちづくりのファン層から飽きられているとも言えるのですが、一方で「今を楽しむ人」もいます。
時代の変化や、アニメや映画などの放送時期と旅する時期の関連性なども影響してきますので、一概に良し悪しは言えません(「原点」は守り伝えられていくべきだとは思いますが)。


いずれにしても「訪ねる前の期待感」を「上回る」ことが大切です。
「夕方着いたら店がほとんど閉まっていた」「店の呼び込みがうるさかった」「出没予定の妖怪と全く会えなかった」――などの声はよく聞かれますし、「割引券などの存在を後で知る」と、どこか「損した感」を覚えてしまいます。


こういった不満を、いかにほかのことで補えるか。


「店は閉まってたけど、楽しかった!」に導くために、不満が少しでも解消できるように、“想い”を込めて接しているつもりです。
宿としても、建物の古さや設備的な不備はありますが、旅好きな人が楽しめる“工夫”と“想い”で、補っていけるよう努めています。ビジネス的な感覚を出さず、サービスにも徹しているつもりです。


「旅そのものと境港を楽しむ」、その根底は誰にも負けない気持ちで「『ついで』のつもりだったのが、一番楽しめた!」と言っていただけるくらいに尽力していきます!
今回のリニューアルで、夜のにぎわいが演出され、その結果として泊まられる人もいるでしょうが、それよりも「今」来てくださってお会いした人が「楽しかったから今度は境港に泊まろう」であってほしい、その結果として、うちを利用してほしいと願っています。