「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

リピーターの存在

9月~10月は、「2回目」「3回目」の人に多くご宿泊いただきました。


10月中旬は、昨年9月と今年4月に次いで「3回目のご宿泊」の旅人さんが再訪。
「観光として3回目」の人は初めて。しかも、うち2回は2泊され、境港・水木しげるロードだけでなく松江や出雲、美保関、鳥取砂丘など、広域の「旅」を楽しんでおり、情報収集の「拠点」として来てくださっている感じです。
「昭和の民宿の雰囲気を大切にした旅宿」として「公共交通機関を使って楽しんでいただくこと」には少し拘りがあるのですが、この旅人さんは、その点を非常に共感してくださっており、特に「駅周辺の活性化」(境港に限らず)について中身の濃い討議ができるので、いつも話が尽きません。
仕事柄、閑散期の平日に来られるのもあり、ゆっくり過ごしていただいております。
ゲストハウスの利用は、昨年9月にうちに泊まられたのが「初」で、それから北海道などで10軒ほど利用されたとのことですが「原点」として捉えてくださっているのは、非常にありがたい限りです。


先週末は、3月の「生誕祭」でお会いした人が「境港妖怪検定」の受験に来られました。
こちらは水木先生ファンの度合いが高めですが、それ以上に「妖怪ショップゲゲゲ」の雰囲気に“嵌った”タイプで、前回も今回も、のんびり寛いでいました。来年の生誕祭で、また来られるでしょう。ちなみに前回は米子に泊まられていたので、ご宿泊としては初めてです。


さらに先日、お盆に来られた隠岐旅の前泊の女性が再訪。2か月半ぶりの再会となりました。
隠岐旅の頻度が高いそうで、その都度、前泊してくださる感じになる期待があります。
境港・水木しげるロードへの関心度はさほどでもないですが、上記の2人よりはゲストハウスの利用経験が多く、民宿やユースホステルのような雰囲気が好みなようで、うちの“緩い旅宿っぽさ”を楽しんでくださっています。


奇しくも3人とも30代。
この年代は手づくり体験などへの参加率が高いのと、旅慣れていて、旅全体の時間の使い方や宿内での過ごし方に、ゆとりを感じます。


「旅」として見ると、30~40代は「拠点を絞る」傾向が強く、20代(特に学生)のほうが少し慌ただしく、詰込み型になっていると感じます(一概には言えませんし「鬼太郎ファン」で「水木しげるロードのみ“ガッツリ堪能”」となると20代が主ですが)。一方で50代以上になると、一人旅でも意外と「車」で来る率が高くなり、水木しげるロードが主要目的でもなくなるので、旅のスタイルが一変します。


また、特に30~40代は「まちや宿の好みがはっきりしている」感じが強いです。うちの宿は「今風」ではなく「一昔前の民宿やユースホステルの雰囲気」を大切にしたいと考えていますが、その雰囲気を好んでくださる傾向もあります。「目的地が最優先で、そこに好みのゲストハウスがあれば泊まる」というタイプが多い、とは言えると思います。
30~40代で「初ゲストハウス」あるいは「初一人旅」が入ってくるのは、当初は予想していませんでしたが、そういう側面もあってか、うちの宿は一般的なゲストハウスと比べて、30~50代の利用率が高いと思います。


また、9月には、8月に来られたご家族が僅か1か月で再訪してくださり、さらにその友人のご家族にもご宿泊いただきました。
このあたりは「子どもの好み」が主なのと、特にリニューアル後は(というかアニメの放映後は)「まちのファンをつくる」という感じにはなりにくくなっているので、今後は読めません。ただ、ご本人が来るばかりではなく「友人への紹介」などで「繋がって」いけばと思います。


「旅・観光」に絞っていますので、今までは再宿泊者は少なかったのですが、9月以降は増えました。
再訪者を増やすことは「まち」として大切なことで、特にリニューアルで町の雰囲気が変わったからこそ、「それまでに来られている人」が、どうとらえるかは重要です。そこはやはり、特に「旅行者」に対しては、まちの「物語」を売り、純粋に楽しんでいただけるか、だと思います。
宿としては「旅人同士の対等な関係性」に重点を置いているうえで、ニュアンス的なものなのですが「常連」ではなく「リピーター」が増えてほしいと願っています。


個人的なことになりますが、リニューアル工事が行われている間「リニューアル後にまた来てください」と、現状の不便を伝えるとともに案内を強化し、「不便がかかる中で楽しんでいただき、再訪してほしい」と願って行動し続けました。ただ、その成果は、宿としては僅かです。
結局「リニューアル前に来られた人は『たまたま山陰観光を楽しみに来られた人』が大半」なわけで、リニューアル前でもある程度の満足を得たら、「旅」としては完結しがちです。アクセス的な要因もあり、「今」を楽しみに来られる客層には「繋がらなかった」かもしれません(あくまでも、うちの宿を利用してくれそうな層、という視点ですが)。


災害の影響もありますが、出雲や松江は昨年より観光客が減少していると聞いています。
境港・水木しげるロードもご家族や団体客、外国人観光客は明らかに増えていますが、結局「『旅』の要素が強い人ほど、広域で楽しむ傾向がある」ため、一人旅は決して増加していないと感じます(宿泊としても、ファミリーのみが増加、ほかはほぼ現状維持か微減です)。特に、若年層の男性の一人旅を見掛けなくなりました(いてもバイクや自転車旅、日本一周型など。年々、2~3泊程度で目的地を絞った旅人と会わなくなりました)。
時代背景の変化などもありますが、それこそ「妖怪ショップゲゲゲ」の工房で、夜遅くでも旅人が集まって「妖怪ポスト」に出すはがきを書きながら語り合うような雰囲気は、今はありません(そこで5~10年前に親しくなった男性2人とは今も親交があります)。「旅」という視点では、複雑な想いがあります。


さて、あと1か月ほどで「故・水木しげる先生の命日」。
毎年、“想い”の強いファンが何人かは来られます。


何度か記してきたことですが、個人的には「水木先生の大ファン」というわけではなく、作品もさほど詳しくありません。ただ、水木しげるロードが誕生した際の「まちづくり」に対する水木先生の“遊び心”と、それにこたえる町の人々の姿勢には、すごく感銘を受けました。商店街や中心市街地の再生・活性化と観光振興への関心が強かったので、まちづくりの大成功に繋がったことに惚れ込みました。
「全国一の魅力」をつくり上げた、水木先生と取り組んだ人たちの“想い”には、感謝の念と敬服でいっぱいです。
その「原点」は、ずっと守り継がれてほしいと願っています。


昨年、一昨年は、大正町エリアで小規模な催しを行いましたが、リニューアルによるさまざまな状況と、全体的な客層の変化もありますので、今年は違った形になるでしょう。
“気持ち”として「11月30日」は一年で最も大切にしたい日という“想い”を抱いて過ごしつつ、宿泊者には割引対応に加え、独自の取り組みを考えています。