「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

テーマを絞る旅

先日、「日本各地の漁港の写真を撮っている」という写真家の女性にご宿泊いただきました。
朝6時半に起きて、自転車で卸売市場と中野港を巡ったほか、美保関へ渡り、美保神社にお参りしつつ近くの港を巡られました。
失われつつある昔ながらの「日本の原風景」を大切にしたいと“想い”を語られ、訪ねた地のいろいろな話を伺いました。神社仏閣なども好みなようで、基本的に「つくり込んでいない自然な姿が残っていること」に思い入れがあり、その“想い”がとても共感でき、中身の濃い、有意義な旅話を聞かせていただきました。
蕪島(青森県八戸)や太海(千葉県館山)など、自分もなじみがあり何度も旅している場所の話も出て、懐かしさと、災害の影響、整備による景観の損壊など“在り方”を考えさせられる話もあり、勉強にもなりました。


港などは昔ながらの生活感がそのまま残っているからこそ“画になる”もので、整備や観光地化は良し悪しだと感じます(町並みの保全なども同じですが)。
写真の基本として「引き算の思考、余計なものが映らないように撮ること」があるのですが、どれだけ美しく整備しても“つくられたもの”は違和感を覚えるもの。「本当に美しい風景」には、もともと「余計なものがない」ので、そのような違和感がありません。
よく「旅」において「何もないことも魅力」という言葉が聞かれますが「何もない」ではなくて「つくり込んでいないこと」にあると思います(水木しげるロードも、自分にとっての魅力は「観光地化が進んでも、町をつくり込まなかったこと」が「原点」です)。


下記のご本人のホームページで写真を紹介されていますので、関心があれば拝見してください。


今までも、明確な「一つのテーマ」の下で楽しまれている一人旅の女性には、何度かご宿泊いただいています。テーマを絞り込んでいるのは40~50代が多めです。


17年秋には「全国の“橋”を巡る」というの女性が来られ、江島大橋や境水道大橋へ向かわれました。自分はいわゆる“工業系”の物事は苦手なので、建築の話とかはさっぱりでしたが「景観としての美しさ」に関する話は、参考になるものが多かったです。
この年代は「神社巡り」「御朱印集め」も多いですが、特徴としては「かなりマイナーな神社まで足を延ばしていること」。「3泊4日で山陰エリア50か所くらい巡る」という人も来られています(公共交通機関では不便な場所も多いですが、工夫して効率よく訪ねられています。また、事前や当日にルートの相談を受けることも多いです)。「信仰」として、だけでなく「建造物」「歴史背景」などとしての関心が深い人もおり、人によってさまざまです。
ほかでは「刀マニア」「釣り旅」「魚通」「遊郭跡マニア」みたいな人も来られています。「鉄道マニア」も結構来られますが、男性が「車両に詳しい乗り鉄」が殆どなのに対し、女性は「駅舎」や「車窓風景」、あるいは「ラッピング車両」への関心が高いです(男性の鉄道マニアだと「鬼太郎列車」のようなラッピング車両は“邪道”だと嫌う人もいます)。
こうした「拘りの強い人」は、総じて年齢が高めなのもありますが、作法や言葉使い、マナーが非常に良い傾向があります(特に神社仏閣が好きな人)。行動的ですから「出発が早い人」が多く「羽目を外す」という感じもありません。


以前にも記しているとおり「女性の一人旅は約95%が公共交通機関で来られる」のですが、20代などの若年層も含めて「目的地意識」は全体的に高めで具体的(それがなければ境港に泊まらないでしょうが)。今のファミリー層は「子どもの希望」が主体なので「目的意識は高いが、行楽型」であるのに対し、女性客は「明確な目的の下での旅」が多いです。


また余談ですが、今回の女性は「青春18きっぷ」の利用者でしたが、中高年と20代までとで「青春18きっぷ」の使い方が、かなり異なります。
自分もそうなのですが、年齢が高めの人は「移動日は移動に徹し、観光する日は楽しむ」という感じ。「端折るところ」は徹底している感じです。学生や20代は移動手段に夜行バスを使うケースが多いのもあってか「移動しながら観光も」という小刻みに楽しむスタイルが主のようです。


なお「特殊なマニア系」の客層は、もちろん水木しげるロード観光には関心は薄いのですが、女性客のほうが「地域の飲食店で料理を楽しむ傾向」が強く、夜間ライトアップなども併せて見に行かれます。「ついでに見ていこう」という貪欲さも高いです。
「旅」という視点で見た時、うちの膨大な資料が生かせるタイプでもあるので、海や魚への関心が高い人、神社仏閣に関心がある人、鉄道好きな人――などにも、もっとご宿泊いただければと思います。