「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

「高枕」で公開されました

このたび「西日本のすてきな宿」を紹介・仲介するサイト「高枕」に掲載していただくことになりました。


うちは決して「すてきな宿」ではないのですが「旅宿」としての拘りは強く持っているつもりです。
「公共交通機関を使った旅のプランニング」と「日本全国の観光資料の量」には自信を持っていますし、「水木しげるロードのまちづくり」に関する古い資料なども豊富なので、「旅を楽しむ」に加えて「旅を学ぶ」という人に貢献できるよう努めています。


「予約ルール」が厳しめですし、かなり“尖がって”いますから、万人受けしないうえに、敷居が高そうに思われて初見で敬遠されることもありますが、ホームページの内容などをじっくり読んでくださる“キャラの立った、個性の強い人”の割合は増えてきています。


また、自分は「旅は非日常」という感覚を強く抱いています。というか「特別感を持っていたい」という感じで、かなり意識して日常と切り離しています。
会社勤めをしていたころは「1~3泊程度の短い旅に、年に8~10回くらい出る」という感じでしたが、基本的に「旅の間は、仕事関係や同僚からの電話やメールには応じない」ことに徹底「ON、OFF」は明確に切り替えていました。
そういったことから「非日常感」を重視して宿のルールや雰囲気をつくっていますし、目線や思考は「旅・観光」の感覚を大切にしています。


自分は「ユースホステルや民宿」を愛好してきたので「雰囲気は民宿、ルールや考え方はユースホステル」に近い方針で運営しています。
「子どもを積極的に(むしろ優先的に)受け入れる方針」は、ゲストハウスではあまりないですし(不可の宿も多い)、「メッセージカードを壁面に貼る」のは、自分が旅に“嵌る”きっかけとなった飛騨の民宿がモデルです。コミュニティスペースの“空気感”も、かなり参考にしています。
「目的地への利便性優先」で宿を決めるのと、新鮮さを大切にしたいので“常宿”はあまりつくらない(宿重視の旅もしなかった)のですが、この民宿だけは5~6回訪ねました。ご主人が非常に個性的で話が面白く、囲炉裏を囲んでほかの宿泊者と一緒に夕食を取る時間が、とにかくアットホームで温かく、ずっと寛いでいたくなる空間に魅了されました(現在も宿はありますが、ご主人は他界されました)。


予約と宿内のルールとして「何を緩め、何を厳しくするか」は、ユースホステルの考え方を基にしています。
宿内でのルールは特になく「好きなように、自由に」で、一般的なゲストハウスでは明確なルールがあること(消灯やシャワーの利用時間、チェックイン・アウト時間や日中の滞在など)に対しては、あまり規制を設けていません。「予約ルールが守られていれば、マナー違反はない」というのは明確で“入り口”を厳しめにすれば大抵は「常識の範疇」で行動されますから、規制する必要がなくなってきました(“過ごされる時間”に対して“緩い”人は多いのですが、連絡や報告は皆、丁寧に行ってくれます。それが大事だと思っています)。
ただし「門限」と「客室内での飲酒不可」は定めているのと、併せて「地域交流は宿の外で行い、宿内は旅人同士のみ」と定めています。これはユースホステルの志向性です。「門限」だけでなく、宿泊者全員がコミュニティスペースから引き上げるまでは、自分も必ず目が届くところにいます。また、最も出発が早い人に合わせて準備し、必ず見送ります。「過ごし方」は自由にさせていますが、監督責任という点での放置はしません。このあたりは一般的なゲストハウスとは「自由さの位置づけ」が異なり、かなりユースホステルや民宿寄りです(特に「門限」を設けること)。
さらにはテレビや漫画本など「日常性の強いもの」は置かず、自宅のようにゆっくり寛いでいただけるよう努めながらも“旅の特別感”を守っています(「妖怪ショップゲゲゲ」での体験斡旋なども含め、「旅」だからこそできることに拘り、特化していきたいと考えています)。


先述の飛騨の民宿で「冷蔵庫の上に料金を入れる籠が置かれていて、自由に飲み物が飲める」(支払いは個人の裁量)というシステムがあったのですが、これは「牧歌的な旅宿」だからできることで、ゲストハウスでは難しいと思いました。
それでも、こういったイメージの“緩さ”がほしく「何か近い感じを出したい」と思い、うちの宿では、菓子類を寄付していただくことによって、逆に“自由に食べていいよ”という要素を増すとともに、フリードリンク類を充実させています。
いろんな物事において「ベースを安くし、オプション料金を付ける」というスタイルが多いですが(ゲストハウスにおいてもアメニティなどを細かく有料化しているところは多い)、洗濯機と自転車だけしか有料にせず(それも“おまけ”することもある)、タオルやスウェットなども自由に使えるようにしているのも、「旅」の“想い”に対して“情”として接していきたいという考えからです。
実際、うちは一般的なゲストハウスに比べて「30~50代の女性の割合」が高いと思うのですが、その客層から「ユースホステルや民宿を愛好してきた」という声をよくいただきます。


「予約から宿泊日当日まで」のやり取りは、おそらく一般的などのような宿よりも密に行っていて、特に「予約に対する詳細確認メール」は、かなり詳しく送っています。この対応により、宿泊予約サイトからは3~4割くらいキャンセルになります(「宿からの質問」に回答せず予約される人も多いのですが、これはほぼ100%成立しません)。
「正式な予約成立」に行程を一つ加えることは「簡単に予約できる」という予約サイトのメリットを打ち消してもいるのですが、「このやり取りができているからこそ、宿内での自由度を高められる」のです。「昔ながらの“温かい緩さ”」を築くには、やはり「予約段階で詳細を理解していただけているか」は大きいです。


1年くらい前からこの対応を徹底した結果、昨年は「不泊ゼロ、キャンセル料の発生もゼロ」になりました。宿を運営するうえで「不泊や直前キャンセル」が安易さの裏返しになるのは困るので、この対応は正解だと思っています(不泊や直前キャンセルは何よりも困る、ということを認識してほしいです)。


時代に即していないところもありますし「様式」としての括りは「ゲストハウス」になってしまうので、いろいろ難しい課題にも直面しますが、ビジネス的な応接はしたくないですし、“想い”として「古き良き時代」の「旅宿」らしさを生かして「個性的」な空間を地道に広めていければ、と思っています。