「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

三陸鉄道全線完乗と、石巻・久慈・遠野・花巻③

最後になりましたが、今回の目的の一つ「三陸鉄道全線開通」を祝し「全線完乗」を果たしてきました。復旧が遅れていた旧・JR山田線の「宮古―釜石」間が三陸鉄道に移管され、3月23日より「リアス線」として、大船渡の「盛」駅から「久慈」駅まで、一本のレールで結ばれました。


石巻を訪れた後、大船渡の旅館に宿泊し、まずは盛駅から「旧・南リアス線」に乗車。旧・南リアス線は前回、往復で乗車しており、2度目です。
盛駅は3年8か月前と特に変わっておらず、駅通路の展示が少なくなったくらい。JRの駅と隣接しており、JRのほうが駅舎は大きく立派。ただ、JRはBRT(バス輸送)のためレールはなく、広い校内がもったいない感じがします。


盛駅では「久慈までの直通乗車券・2日間有効・途中下車可」を購入。料金は通常の片道運賃と同じですが、券売機で買うと、どうやら「有効期限は1日で、途中下車はできない」ようです。
ちなみに「乗り放題切符」(2日間6,000円)は土日祝日のみの販売で、平日は利用できません。


盛→釜石間は比較的、海沿いを走ります。震災で大きな被害を受けた地域でもあり、護岸工事が進み、大規模な堤防ができつつあります。
主な見どころは、まず「恋し浜」駅。日本に4つある「恋」の付く駅で「恋プロジェクト」として、おしゃれな駅墓標がつくられ、ホタテの貝殻を使った絵馬が駅舎内や通路に飾られています。少し高台に位置するので、駅から海を眺める景観も素晴らしいです。次の甫嶺~三陸駅にかけて広がる越喜来湾、吉浜駅近くの吉浜湾も絶景。


1時間ほどで釜石に着き、ここから「旧・JR山田線」の新開通区間。駅名や配置は大半が旧・JR山田線と変わっていません。
「釜石―陸中山田」間は大槌駅周辺など震災被害が大きかった地区が多く、駅舎はほとんどが新設されたものでした。この区間も「吉里吉里―浪板海岸」駅あたりなどで、太平洋が望めます。陸中山田を過ぎると山間に入り、豊間根駅は旧線や駅舎跡が残り、津軽石駅周辺も少し名残を感じました。宮古駅は、JRと三陸鉄道の駅舎が一体になりました。


宮古で途中下車し、宿に荷物を預けて久慈へ。
「宮古―久慈」間は前回、前々回とも乗車しており、途中下車した駅も複数。
しばらくは内陸を走り、田老駅あたりで防波堤が見え、岩泉小本駅は「日本三大鍾乳洞」の一つ「龍泉洞」への起点。島越駅を過ぎると海が見え始め、車両のオブジェも残されています。再び内陸に戻りますが、白井海岸駅から絶景ゾーン。高台に位置するので、海を見下ろす景観が素晴らしいです。
次の堀内駅は「あまちゃん」のロケで「袖が浜駅」として使われており、駅墓標もあります。前回は途中下車し、周辺を散策しました。今回も車掌さんが「1~2分あるから降りて写真撮ってもいいですよ」と声をかけてくださったので、ひとしきり撮影させていただきました。
この後は海沿いを走るのですが、特に十府ヶ浦海岸駅あたりは立派な防波堤ができています。


やがて久慈駅に到着。盛からの乗車時間は約5時間かかります。現在のところ全然直通の列車はなく、釜石か宮古で乗り換え。列車の総本数は多くありませんが、乗り継ぎはある程度、考慮されています。
久慈駅も3年8か月前とは、特に変わっていませんでした。こちらもJRの駅舎のほうが立派。
駅前の噴水が新しくなるようで(21日に公開されたようです)、駅前の様相は少し小綺麗になった感じです。駅構内にも「あまちゃん関連グッズ」が並べられ、記念撮影用の衣装まであるのですが、構内が狭いので活用される感じにはならない気がします。


なお、まず釜石で多くの乗客が入れ替わり。宮古でも同様でした。同じ時間帯では「全然乗車した人」は、いなかった模様です。「青春18きっぷ」などと組み合わせる時期になれば“乗り鉄”が増えるかもしれません。


帰りは「久慈→釜石の直通乗車券」を購入(往路と同条件)。途中の宮古に宿泊し、2日間にまたがって利用しました。久慈から宮古へ戻る列車は、途中で日没となり、あまり景色は堪能できず。
翌日、新区間を宮古から釜石まで、今度は山側の座席に座って乗車しました。運良く「あまちゃんのロケで使用された車両」に当たり、車内に貼られたロケ風景の写真などを楽しむことができました。


2日間で乗った列車は皆、まずまずの乗車率。「観光シーズンではない平日」としては、乗車があったほうだと感じます。といっても、やはり「通学主体」の様相。時期的に観光利用者は多くなかったのですが(前回と前々回は夏だったので旅行者が多かった)、今後どうなるでしょうか。
また、宮古駅から釜石、久慈のどちらに向かう列車も「8時台」がありません。特に宮古→釜石は、7:43発を逃すと、次は10:00発。「観光」としては8時台がないのは少し不便です。
夏休みなどは観光列車の導入などがあるかもしれませんが、JRやバスとの乗り継ぎも含めて、まだまだ検討課題はあると思いました。


特に両端の盛、久慈駅でのJRとの乗り継ぎは決して良くないですし、盛岡や花巻など内陸の主要都市からのアクセスも、釜石や宮古、久慈の観光が目的ならバスのほうが便利。観光として「全線乗車する」には、時間的な余裕が必要になります。「線」「面」で捉えた時、「せっかくの豊富な観光資源が、三陸鉄道を利用する価値と繋がりにくい」気はします。
取り組み方や工夫としては、ローカル線としての魅力を発揮しているほうだと思うので、もう少し「観光としての利便性」が高まればと思いました。
(完)