「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

フリー切符の活用

山陰地方は「交通の便」が良いとは言えません。
観光資源は豊富なものの、アクセス面での不利から「鳥取・島根への旅」はハードルが高いようです。宿の開業から3年半がたちますが、東北6県からのご利用が非常に少なく、北関東や北信越、南九州からも、あまり入りません。
ファミリー層は車で来られるのが大半なので、関西か山陽が主。あとは四国・九州北部・中部地方など。女性客は公共交通機関の利用が多いことから中部・関東圏も結構いて、ファミリーよりは幅広いほうですが、それでも東北は極端に少なくなります。


そんな状態ではありますが、旅宿としては「公共交通機関を使って楽しんでほしい」と願い、さまざまなプランを提示したり、情報提供を行っています。


ご宿泊いただいた個人客の交通手段に関して「車・バイク」と「公共交通機関」を比較した場合、公共交通機関で来られる人のほうが圧倒的に次の傾向があります。


※①:滞在時間が長い(特に「連泊」は殆どが公共交通機関の人)
※②:観光における目的地意識が高い
※③:工夫したり考えて行動している


自分自身が公共交通機関派でフリー切符などを活用してきたのもあり「得意分野」なので、特に長距離移動の旅人さんが来られると「境港を出発した後の旅」のプランニングが主になります。


先日、茨城から来られた大学生も「4泊+往復夜行バス」で、うちが初日の宿泊。その後「松江・出雲を経て中国地方5県を縦断される」と言われたので、最善のルートと切符の買い方を伝授し、フリー切符なども検討しながら一緒にプランを考えました。


自分自身がご宿泊の旅人さんと接する際も「全国各地の観光名所」や「公共交通機関の上手な利用法、車窓などの楽しみ方」といった話のほうが弾みますし、接しやすいです。
旅を「調べ、考えて、知り、学ぶ」ことで「旅に賢く」なり、それが「今後」にも生かされて「より旅が好きになる」と信じています。実際「初めての一人旅」などでご宿泊いただいた人からは「プランニングや、切符のルールや買い方を教わったことで、その後も旅を楽しんでいる」という声をいただいており、うれしい限りです。


また「目的地や後泊地を聞いて、かかる費用を概算し、フリー切符の購入に至った人」は多数います。
これは「境港と、松江or出雲に各1泊」の人が主。時間的に余裕がある人だと「フリー切符でメーンの目的地を巡るだけでは若干“元が取れない”」ところを、あえて「フリー切符を使うことで、廻る場所を増やすことができる」のです。「予定していなかった場所も追加できた」は、満足度が高まる要因になります。
また、フリー切符の活用を参考にして延泊してくださった人も数人おり、ありがたい限りです。


ご宿泊いただく旅人さんが最も利用されるのは、「境港―松江」を結ぶ直通バスが利用でき、松江・出雲エリアの主要観光地を網羅している、一畑グループの「縁結びパーフェクトチケット」(3日間3,000円で乗り放題)です。


JRは使えないため足立美術館へは行けず、玉造温泉もやや不便ですが、ほかは広くカバーしており、米子・出雲とも空港連絡バスが使えるのもあって、航空機利用者なら概ね“元が取れる”感じです。


また、松江市内が周遊できる「ぐるっと松江レイクライン」(1日520円)が付いており、初日に引き換えすれば3日分頂くことができ、スクラッチ式なので「翌年以降など、期間内の別の機会に残すことも可能」です。


自分が「縁結びパーフェクトチケット」を利用した際、大抵はこの「レイクラインのチケットが余る」ので、「松江も観光されるが、縁結びパーフェクトチケットを買うほどではない人」にサービスで提供しています。



なお、うちの宿泊者ではあまり効力を発揮しませんが「松江に2泊して、1日は出雲へ」だと、同じ一畑グループの「1日フリー乗車券」(1,600円)を使われる人も多いようです。


ほかでは「鳥取藩のりあいばす乗放題手形」(3日間1,800円)を利用される人がいます。


こちらは鳥取砂丘や倉吉周辺を合わせて楽しみたい人向け。鳥取県内の主な路線バスと若桜鉄道「郡家駅~若桜駅」が、3日間乗り放題になります。


島根エリアと違い、鳥取県内は「JR+バスの利用」が主になるため「鳥取県内で2~3泊の旅」だと、比較的有効です。高速バスや空港連絡バス、大山エリアは利用できないのが難点。関西・山陽から来られる人が、今は発売が終了しているJRの「山陰めぐりパス」「山陰フリーパス」と組み合わせる人が多かったです。


ほかでは以下のフリー切符がありますが、うちの宿泊者では、あまりご利用はありません。どちらかと言えば年配のご夫婦などが利用されている傾向だと思います。


「山陰満喫パス」(2名以上より利用可。一人4,070円で2日間有効)。


「松江・出雲ぐるりんパス」(定額制タクシー観光とセットになったもの)。


最後に、実際に旅人さんが生かしてくださった実例を挙げておきます。


「縁結びパーフェクトチケット」を使って、朝から米子空港に向かい、8時半ごろの「米子空港連絡バス」で松江へ。出雲大社には同11時までに着き、15時ごろまで滞在。さらに松江を観光して「松江駅19:00ごろ発」の「米子空港連絡バス」で米子空港駅に戻り、最後はJRで境港へ。


※「米子空港連絡バス」は、航空便により時期によって時刻変動あり。
※以前は「境港―松江」の直通バスが「境港9:30始発」「松江16:25最終便」でしたが、現在、境港からの始発は11:55発、松江からの最終便は14:20発と、朝夕が廃止されて本数が減ってしまいました。


これは、フリー切符と“裏技”の組み合わせで「時間を有効に使ったケース」。米子空港―境港はバスかJRで100~190円余分にかかりますが「僅かな追加投資で滞在時間が増加」できます。
このパターンを採用してくださったのは2人いて、ともに来られてからフリー切符の存在を知って購入し、延泊してくれました。
荷物を持たず身軽に観光できるメリットもありますし(移動型だと、コインロッカーなどに預ける負担が意外と大きい)、「往復とも米子空港便を使う」だと「境港と、松江or出雲で各1泊」よりも「境港に連泊してフリー切符+α」のほうが、利便性が上がったり総費用が安くなる場合があります。


これらは旅の目的や行程次第ですが、大事なのは「存在を知って旅しているか」。
知っていれば「考えて」「比較」ができます。知識を得ているうえでの「臨機応変」が大事だと思っていますし、それが「旅宿」としての務めだとも捉えています。


ご宿泊でなくても「旅の相談」は積極的に受けていきたいので、もっともっと、気軽にご連絡いただければと願っています。