水木しげるロードのコンセプト
今日、ゆっくりと妖怪のブロンズ像の写真を撮っている人と会いました。
最初は午前10時ごろに見掛け、その時は特に意識していなかったのですが、再び午後1時過ぎに、ロードから少し外れた場所にあるブロンズ像も一つずつ丁寧に見て写真に収めているのを見て、うれしくなって声を掛けました。
出掛けるところだったのと工事関係でバタバタしていたため、ゆっくり話すことができなかったのですが、大阪からの一人旅で、米子に滞在していろいろ巡っているとのこと。「最近は全部のブロンズ像の写真を撮っている人は珍しいですよ」と言ったら、むしろ驚いていた感じでした。
実際10年くらい前までは、一つひとつのブロンズ像を見ながら歩き、写真に収めている人が多くいました。水木しげるロードが誕生したころは、水木しげる先生の想いが詰まったブロンズ像をのんびりと見ながら妖怪の世界を楽しむ場でした。そして、もともとロードにあった商店がそれぞれ独自の土産物をつくり、店主とゆっくり会話して町を知り旅を楽しめるのが魅力でした。
しかし最近は、ブロンズ像など見向きもせずスタンプラリーに一生懸命になる人が増えています。壁画や案内看板、マンホールなどいろいろ見るものが増え続けているのもありますが、本来の町づくりのコンセプトが忘れられ、主要キャラクター以外のブロンズ像は日の当たらない所へ追いやられているような気がして、残念に思います。また、雑誌の影響もあるのですが、滞在時間が短くなっていて、半日以上かけて散策される人、早朝や夕方以降に来てくださる人が減っています。昔の雰囲気が好きだった人にも、飽きられ始めています。現在、水木しげるロードの大規模なリニューアル計画が持ち上がっています。道路幅を狭くして一方通行化し、ブロンズ像の配置を見直すなどの案も出ています。
初期のコンセプトが忘れられている現状にこそ目を向けてほしいと願うのですが、私たちが願うことと、行政サイドや観光客が増え出してから店を始めたり町にかかわりだした人の目線が違いすぎるのが現実です。ちゃんとブロンズ像を見てくれる人が来てくださることこそ喜ばしいのに、そんな人にまで呼び込みしてものを売ろうとする姿ばかり目に着く現状を打破することが、一番の改善点だと思うのですが・・・。
まだ、すてきな想いをもった旅人さんが全く来なくなったわけではありません。
だからこそ自分としては、心から楽しんでいただける空間をつくって、今日お会いしたような旅人さんに泊まっていただいて、境港の魅力をもっともっと感じてもらえたら、と願っています!(^^)!
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