「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

「島留学生」が約半数を占める隠岐島前高校

境港から船で60キロ超の場所にある隠岐諸島。
「島前」「島後」から成り、「摩天崖」や「赤壁」などの景勝地が見どころで、全体が国立公園に指定されるほど自然豊か。後鳥羽上皇や後醍醐天皇が配流された地としても知られている。まちづくりにも活発で、若者の移住も盛んだ。


夏は、境港に宿泊して翌朝のフェリーで向かう人も多く、前後の日に境港に泊まる“中抜け”もいた。うちの宿は「境港・水木しげるロードの『観光』を楽しむ」に重点を置いてはいるが、「境港を拠点に旅する」として、隠岐と併せて楽しむ人が増えてくだされば、と願っている(女性の一人旅は、隠岐や美保関が目的でも、少しは水木しげるロードを散策される人が大半なので)。


そんな隠岐諸島の海士町に「隠岐島前高校」がある。
同校は全国から「島留学」を受け入れており、多士済々な魅力を併せ持つ生徒が集まっている。独自性の高いカリキュラムで、濃い生活を過ごせるのが魅力だ。


境港で島前高校の生徒さんとお会いする機会は多く、“被り物”や体験イベントで“遊んで”くださっている。親しくなっている生徒さんもいて、うちの宿の象徴「折り紙目玉おやじ」の所持率が高い(#^.^#)


ご宿泊いただいた生徒さんも男女1人ずつおり、ともに「都会」から離れて「島生活」を選んでいる。
高校進学の時点で、家族や身近な友達と離れた寮生活を決意をし、明確な意思を抱いて進学先を決めているだけに“想い”が強く、あどけなさが残る中に“芯”がしっかりしているのを感じて、中身の濃い話ができ、自分も学ばされることがあった。


大学生なども含め、目的意識が明確な若者の“純粋”で“熱い”言葉を聞くことができるのはうれしい。


うちの宿は、学生に関しては男女とも非常に真面目で健全なタイプばかりご利用いただいている。よく「今どきの若い者は・・・」と世代間ギャップを覚えたり羽目を外す事例があるが、うちでは今のところ一切ない。
高校生のご宿泊は非常に少なく(家族旅は幼児~小学生が主)、まだ男女2人ずつの計4人(うち2人が島前高校なのだ!)。大学生も自分が想定していたほど入っておらず、高校生・大学生の合計は全体の13%ほど。また、大学生は男女とも2人組が多いので、一人旅がもっと増えてほしいと願っている。


隠岐島前高校の話に戻るが、「島留学」を取り上げたホームページに「島前高生が考える3つの推しポイント!」として、次の項目が挙げられている。
【1. 望めば活躍できる場がある! 新しい役割にも挑戦できる!】
【2. 全国から生徒が! 他地域の高校生との交流の機会もたくさん!】
【3. 地域の大人も巻き込んで、一緒につくっていく雰囲気がある!】


特に【2】は島前高校の大きな特徴。
全校生の約半数、90人ほどが「島留学生」で、全国から多彩な生徒が集まり、各学年が混ざった部屋で寮生活を送る。うちに泊まってくださったのは東京と兵庫のご出身。北海道や宮城、熊本からの生徒もいる。年々、入試倍率が高くなっており、先日ご宿泊いただいた現・3年生の話では「3倍近い競争率だった」と話してくださった。
また、島内と島外の生徒が入る交るだけでなく、ほかの地域の高校生との交流も盛んで、海外研修もあり、人の繋がり方が広範囲にわたる。「生徒たちで備品管理や畑の管理など意見を出し合って、一緒につくっていく雰囲気や土台があり、学年に関係なく意見を言い合える先輩との関係性がある」とも記されており、自主性も重んじられているようだ。
さらに【3】として、地域の催事への参加や交流会の開催、寮にゲストを招いて対話の場を設けるなど、教職員や地域住民と協力し合えることも多い。【1】としては「地域課題解決型授業でのチーム活動」「文化祭での学年を超えての活動」などが挙げられている。


そのため、学校生活だけでなく「隠岐」の土壌にほれ込む生徒もいて、高校卒業後は進学や就職でいったんは大半が隠岐から出るものの、また舞い戻るIターン就職も多い。


ちなみに島後にあるゲストハウス「燻家(くすぶるハウス)」と親交があるが、こちらのオーナーも神奈川からのIターン。第一次産業に関心が深く、移住を決めたそうだ。


フェリーで2時間以上、高速船でも1時間以上かかる隠岐諸島。
冬季は高速船が2か月ほど運休し、時化が多いためフェリーも頻繁に欠航する。下手をすると3~4日、動けない。しかも流通が不便なため、買い物するにも手に入りづらいものが多く、値段も高い。


それでも、若者が集う活気がある島。
不便さを補うだけの、勝る魅力があるからだ。


その一端を担っている島前高校、これからも生徒さんたちと会う機会は何度も訪れるだろうから、魅力ある若者たちと多くの言葉を交わしていきたい。そして「境港と隠岐との繋がり」として、泊まるだけに限らず何らかの形で生徒たちに宿を活用していただければ、と願っている――。