「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

「物語を伝えること」への想い

「旅宿」としての拘りの一つとして「案内の中に『物語を伝えること』」を大切にしています。


自分は物事において「理由」を理解し納得して初めて行動できるタイプで、感覚的に身に着けることが苦手です。子どものころから「理屈が分からないこと(興味が持てないこと)は、簡単なことでもできないタイプ」で、「とりあえずやってみる」には消極的でした。スポーツなども「ルールを覚えることから入るタイプ」。「頭で納得して、初めて体が動く」のです。逆に「理詰めで捉えていくので、駆け引きを重視するカードゲーム類は敵なし」でした。


こういった性質なので、データ分析が好きで「至上主義」とまでは言いませんが重視する傾向はあります。そして「原点」「経緯」「歴史」といった「理由に繋がること」を大切にしています。


「旅宿」として「それぞれの旅」に合わせた説明や案内するうえで「原点」「経緯」「歴史」などを絡めた「物語」は重要な要素だと思っています。
「まち」にも、店や催しなどにも必ず、今に至るまでの「物語」があります。自分は「旅」において「移動型」ではなく「拠点を絞って楽しむ」ほうなので、その「物語」を知り「そこに共感できるか」は「旅の醍醐味」になっています。それはまた「特に『目的地意識』が強い旅人」にとっては、本質的に楽しんでいただいて「また訪ねたい場所」になるものだと感じています。
さらに「エピソード」や「蘊蓄」を加えることで深みが増しますし、物語の幅が広くなるほど、どこか“ツボに嵌る”ものが生まれます。


それが「旅宿」としてのコミュニケーションだと思っていますし、実際「物語を知り、実感したくなって、予定時刻を延長して楽しんだり1泊追加する」などに繋がることもあります。
はっきり言って建物は古く不備もありますし、設備が整っているとも言えません。その分「旅」を楽しんでいただくための「情報力」、それも単なる知識的なものだけではなく「物語」として伝えることでカバーしているつもりです。
この分野においては、まちづくりや観光振興に関する著書を読み込んだうえで、実際に「日本各地、拠点を絞った旅を数多く重ねてきたこと」を生かして、実感を基に語れる自信はあります。


「旅」にまつわる「物語」は、一般的なホテルなどでは得られないもの。
なので「卒業論文の調査」「観光振興やまちづくりなどについて学んでいる人」に、もっとご利用いただければ、うれしく思います。「旅を学ぶ」に対して、全力で応えていけるよう努めていますし、自分も一緒に学んでいきたいです。


自分の“想い”や、表現する「物語」は実体験や感覚、相性が基になるので、多少は主観的な要素もあり、あくまでも「伝えるもの」でしかありません。「共感」は相手次第です。
宿運営の立場としては「ホームページはもちろん、予約販売の段階から明確に物語の要素を示している」ので篩の一つになっているとも言え、「物語を得たい」という感じの予約も入ってきます。ゲストハウス未経験者ほど「まちの観光」をベースに宿を探される傾向もありますから、その信頼に貢献していけるようには努めているつもりです。


水木しげるロードにおいては、自分にとって、やはり「20年前、観光客として初めて訪ねた時の“想い”」や、訪ねるにあたって「まちづくりの取り組み」に関する多くの著書を読み、共感し感じ取ったことが「原点」です。それが「今」に繋がって「物語」を築いているわけで、それぞれの時代の良さを「変化」として守り伝えることを大切にしています。


宿の外壁には「129枚の水木しげるロード周辺の風景写真」を貼っていますが、「概ね左半分は過去3年以内のもの、右半分は10~20年くらい前のもの」です。
河童の泉や妖怪神社などが「進化」していく様子、着ぐるみや鬼太郎列車の移り変わりや在り方の違い、あるいは本町にアーケードがあったこと――など「現存する物の以前との違い」「なくなってしまった店やオブジェ」を「記録」で「語り伝えていく」ことで、少しでも「知識」として感じてほしいという願いを込めています。
幸い、一般の観光客の人も、良く立ち止まって見ていただきます。貼付の意図と、変化や今はないものについて説明することもあります。


「昔は良かった」という懐古志向は好きではないですが「昔を知らないのに『今が最高』」と言ったり、「昔の良さを『なかったこと』にする」のは、もっと好みません。「リニューアル前の水木しげるロードの魅力」は、今も大切にしなければならないものだと思っています。
経緯や展開を知り、比較検証することが大切で「昔の良さ」を認識したうえで「今」に引き継ぐことが大事だと思い、“想い”を込めて「物語」を示しているものの一つです。


「物語」には、必ずドラマがあります。
すごく、ドラマチックな「物語」もあります。
それが共感し合えるような空間づくりを大切に「物語っていくこと」を、ずっと大切に生きていきます。“想い”を感じて来てくださった旅人さんの“心”に届けられるように――。