「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

ゲゲゲの鬼太郎、アニメ終了

3月29日(日)、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎・第6期放映」が終了しました。



正直なところ、放送を見たのは4分の1程度。宿泊者の要望に応えてTVを設置し、一緒に見た回もありますが、日曜の朝だとチェックアウト対応などで見られないことも多く、内容や情報はSNSで繋がりがある人からのほうが主になりました。


水木しげるロードは、放送開始を前にリニューアル工事が始まり、放送から約3か月過ぎた時期にリニューアルオープンしたことで、相乗効果もあって2018~19年は観光客が増加しました。


宿としても、「子どもがアニメで鬼太郎に興味を持って」という客層が大幅に増えるとともに、大人のファン同士での交流も盛んになり、ファンの“熱い想い”が伝わってくることが、たくさんありました。いわゆる「目的地意識の強い人」が増えたと言えます。
3月の「水木しげる生誕祭」をはじめ妖怪検定や夏休みなどに固定ファンが付き、それまでは「旅の目的地の一つ」として訪れる人が多かったのが「水木しげるロードだけを楽しむ人」も増えました。
壁を飾るメッセージカードは現在、300枚を超えましたが、最初のころと比べて「絵が上手な人」が増加。また、最大で一人4枚、描かれています。

一昨年と昨年は「子ども連れのご家族が35~40%」に上りましたが、95%以上が「水木しげるロードの観光目的」。西日本から車で来る人が多い中、母子旅を中心に公共交通機関で来られる人もいました。「子どもが興味を持って」が主なので、交通手段が車になるのは致し方ないですが、中には車を置いて「境線に乗りに行ったご家族」もいました。


女性グループは、95%以上が「水木しげるロードの観光目的」で、自社予約率が高めでした。公共交通機関で来られる割合が70%ほどあり、連泊も多く滞在時間も長めで「目的地意識の強い人」が多かったと感じています。


一人旅の女性客は、水木しげるロード観光が約70%、残りは美保関や隠岐が目的。
総合的には「濃いファン」よりは「旅として水木しげるロードに関心を持って」が主ですが、公共交通機関で来られる人が多いので、やはり「目的地意識が強め」。移動型の人でも「半日観光」が多めです。
また、美保関や隠岐へ行かれる人でも「夜のライトアップを楽しまれたり、早朝に水木しげるロードを散策される」など「ついでに観光」の意識が高く「思ったより楽しい」「鬼太郎に親しみがわいた」などと話していただいたことも多々ありました。


ただ、一方でまちとしては「ブームに乗っただけのグループ」も目立つようになりました。
特に19年以降は「鬼太郎ブームのファミリー層」が少し落ち着いた一方で、前年のブームに影響された客層が増え、宿にも「2家族以上が一緒/5人以上のグループ/貸し切り」の問い合わせが結構ありました(すべて不可)。併せてインバウンドや団体客も増えており、水木先生や作品を知らない客層もいるので「総数」の増加は必ずしも喜ばしいことばかりではありません。
このあたり「大人だけ」の場合は、やはり「公共交通機関で来られる人/女性客/大学生や20代/一人旅か二人組」は「目的地意識」が強い一方で「車やバイクの人/男性または男女混合/年齢が高めの人/5人以上のグループ」は滞在時間が短く、関心度が低い傾向があります。


現在、鳥取県はコロナウィルスの感染者が出ていないのもあり、施設や店舗が通常どおり営業しているところが多いので、関西をはじめ西日本から「車」で来られる観光客が結構います。
ただ「ほかに行くところがないから」という感じで、やはり人数が多いグループが目立ちますし「ねずみ小僧/ねずみおやじ/鬼太郎ロード/妖怪ロード/鬼太郎記念館」など「間違った名称で呼ぶ人」(正しい名称を理解していない人)が増えています。
それもあってか、この1週間ほどで「公式サイトなどをちゃんと読んでいない電話での問い合わせ」が複数ありました。今年1~3月のご宿泊は昨年の半分程度、特にファミリー層が昨年の10%ほどまで落ち込んでおり、4月に至っては全く見通しが立ちませんが「予約ルールが守られていることが信頼への繋がり」なので「数」のためだけに妥協するつもりはありません。


子どもは飽きて新しいものに目移りするので、昨年までの「子どもがアニメで鬼太郎に興味を持って」という客層は、もともと4月以降は減ると想定していました。ブームに乗っただけの客層も同じ、始めから見込んでいませんでした。
なので「目的地意識を強く抱いて、“想い”を込めて来てくださる人」に向けた空間づくりに徹してきました。


今後どうなるか、まだ予知できない状況ですが「目的地意識を強く抱いて、“想い”を込めて来てくださる人」に楽しんでいただくのが、本質的な「まちづくり」で、それが「水木しげる先生の”想い”の原点」でもあると思います。
アニメ終了、という一つの節目を機に、ブームをつくり「数」を追うのではなく、本質的なまちのファンになり得る人に愛されるよう、努めていかなければならないと感じています。


最後に、アニメ放映に関する個人的な意見を一つだけ。
6期の話の中に、鳥取・境港を舞台にし、実在する人物を登場させた回がありましたが、自分としては「アニメは“架空”の世界観だから楽しい」と思うので「現実とのリンクは要らない」と感じました。「娯楽」としてよりも「商業的なベース」を感じてしまうと興ざめします。明らかにモデルにしたと分かる内容でも、名称は架空にしたほうが、まだ好感を覚えます。直接的過ぎるのは「短期的な集客」(ブーム)をつくりたいように感じてしまいます。
余談ですが、例えば野球漫画なども「完全な架空のチーム同士」のほうが好きで「架空の球団や選手が、実在する球団や選手と対戦する」のは好みません。


「モデルにする」と「そのまま使う」の違いで、あくまでも「この妖怪や人間のモデルは○○さん」という感じの、エピソード的な“伏線”を持たせる程度が好み。
「サラリーマン山田」(メガネ出っ歯)や「ねずみ男」は、実在する漫画家をモデルにしていますが、これらは「ある程度のファンには知られているが“学び”がなければ分からないこと」。
そんな感じで「知識を増やしていく策に繋げる」ほうが、本物のファンを増やすことになると思います。