「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

2021年の総括

新型コロナウイルスの収束はおろか、感染拡大状況が悪化した2021年。
結局、19年比で80%以上ダウンとなった20年と、ほぼ同じような結果で終えました。


以下、昨年との比較です(19年比は軒並み大きなマイナスのため、本文内で一部触れます)。


入り込み人数 +2人
入り込み組数 +14組
延べ宿泊人数 -7人
稼働日数   +13日


女性一人旅  +17人
男性一人旅  +4人
女性グループ +2組
男性グループ 増減なし
男女混合   増減なし
ファミリー  -9組


連泊率は約21%。
前年の約24%より下がりましたが、それでも1~2月の“貯金”で20%超。ただ、今年は3泊以上が2人だけ(昨年は6泊の2人組をはじめ5人いた)。これが「入り込み人数が+2」ながら「延べ宿泊人数が-7」になった理由です。また「入り込み組数が+14」なのに「入り込み人数は+2」しかないのは「ファミリーが-9組」と減ったためです。


稼働日数は、19年比で約51%。
うちはコンセプト的に、県民割・地域割には参画しておらず、その状況で見ると悪くない数字だとは思うのですが、全体の入り込み人数は80%以上下がっているわけで、結局「1人(1組)貸し切り状態の日が多かった」だけ。今年は、特に週末繁忙期の客層が合わず、曜日別に見た時、平日(月~金)の入り込み組数を比較すると約41%あるのに対し、日曜日は約26%、土曜日は約22%しかありません。ただ、平日は健闘したと言えます。
これは「ファミリーの減少」が大きく、その最大の理由は「子どもを連れて列車やバスで旅しなくなった(特に母子旅、未就学児連れ)」こと。この傾向は昨年春以降から顕著ですが、昨年はまだ「目的型」の動きがありました。今年は、子どもの関心が移って薄れたことに加え、緊急事態宣言の影響により、ファミリーで出掛ける人の理由が「行きたい場所を目指す」ではなく「車で行きやすい場所で楽しむ」に変わってしまったことが厳しかったです。
観光コンテンツへの関心が薄い「行楽型」だと、うちでは合いにくい傾向。貸し切りや2室利用の問い合わせが多かったですが、うちとしてはコロナ禍でも「交流型」の要素は残したため、この点も差異が生じました。
あと、昨年から週末繁忙期は宿泊予約サイト(OTA)での販売を大幅に減らし、当日・電話予約を止めたこと。もともと電話予約は不可でしたが、行楽型の増加に伴ってOTAを制限したことで、ファミリー層には認知されにくくなったかもしれません。
このあたりは、全体的な世の中の動きが「車/近隣/行楽型」になったことで「ミスマッチを防ぐ」意図もあり、実際、客層の良化には繋がりました。うちは「事前計画型/目的型」に焦点を当てたいので、当面はOTAでの“売り方”が最大の課題になりそうです。


月別で見た時、昨年と大きな人数差があるのは3月の「-24人」。結局、これが尾を引いて、総数が「-7人」で終えてしまった感じ。3月は昨年、コロナ禍の影響をあまり受けていないからでもありますが、今年は大学生の比率が減少したのも響きました。同じように学生が主になる8~9月も例年と違う傾向でした(後述)。
19年との比較で比率が高いのは、2月が約70%、12月が約52%。以下、1月が約45%、9月と11月が35%ほどで、あとはすべて20%以下。4~8月も全体的に低調、10月も苦戦しました。緊急事態宣言で全国的に人出が少なかった中、1~2月の出足は悪くなかったのですが・・・、うちは冬のほうが、客層が合う傾向は確かだと証明された感じです。


「一人旅」に関しては、男女合わせて19年比で約45%まで戻っており、まずまず。また、今年は男女比が「1:8」くらいでした(うちは相性を考慮し「子どもが泊まる日は男性のみでの利用は不可」。過去3年は子ども連れのご家族が多かったので「1:12」くらい)。
実際、年間の総入り込み数に対するファミリー率は、過去3年の平均は約35%。昨年でさえ約27%ありました。これが今年は9%ほど。鬼太郎アニメの放映終了だけでなく、上記のとおり「ファミリー層の旅の目的や理由の変化」を大きく感じました。なお、子どもも含めた男女比も、ファミリーの減少で例年より男性が少なく「16:84」ほどでした(過去3年平均は「32:68」くらい)。


曜日別では、女性の一人旅は月曜日が最多。1人差で土曜日。11月が土曜日が主になった以外、全般的に平日型になったのが大きかったです。また、今年は連泊が「月・火曜日」が最多、次いで「日・月曜日」でしたので、火曜日も日曜日と同数です。一方で男性は金曜日~月曜日に偏り、火・木曜日は3年続けて入らず。問い合わせも金・土曜日が大半で、このあたりが難しいところ(繁忙期でなければ受けられた学生が2人ほどあり)。
ちなみに女性グループも月曜日と土曜日が同数で1位。こちらは例年だと土曜日に偏るのですが、今年はすべての曜日に分散しました。


年代別のデータとしては、今年は50~60代の割合が、昨年より大幅に増加しています(+8人)。一方で、大学生は昨年と同数、20代は「-3人」と、伸びませんでした。このあたりは7~9月が顕著で「ワクチン接種を済ませた年代から動き始めた」と言えます。
例年なら大学生が主になる3月と8~9月の入り込み数が低く、比率が低下。今年は「卒論や研究」でのご宿泊もゼロ。過年は毎年1~2組あったので「学び」でのご宿泊がなかったのは残念でなりません。また、ご宿泊の大半が、就職が決まっている4年生。昨年は1~2年生が多かったのですが、今年は大幅減。このあたりはリピーターに繋げていくためにも、増えてほしいところ。
一方で、高校生は男女合わせて9人と、19年(10人)いで2番目に多くなりました。今年だけで4回ご宿泊いただいたリピーターくんをはじめ、男子は4人。女子は卒業旅行、一人旅、姉妹旅など5人。あと、今年は「中2の男女4人組」にもご利用いただきました。
学生に関しては、17年や18年のほうが高い比率だったので、若者の宿泊率が下がってきているのは残念に思っています。とは言え、大学生や高校生は好感度の高い人が非常に多く、繋がりも保てていて、社会人になってからも来てくださる可能性は秘めています。


来年に向けての最大の課題は、やはり「ファミリー層」と「学生」の動き。「車/近隣/グループ/直近型/行楽型」が多い状況から、どれだけ「公共交通機関/遠方/一人旅や母子旅・父子旅/事前計画型/目的型」になるか。
あとは軒並み中止になったイベント類の復活。
このあたりが鍵になりそうです。


まだまだ情勢が見通せない中、正直なところ、目標も立てられる状況にありません。ただ、かなり厳しい状況に立たされているのは確かです。かと言って、方向性を変えるのは、今までファンになってくださった人のためにも、簡単にはできません。
正直なところ、今年、特に夏ごろから「安さだけを基準に宿を探す問い合わせ」が多発していますし「動いている客層の変化」は明らかです。それでも、17年春に大きく変更したことで良化された要素は大きく、それを崩すくらいなら「駄目なら見切る」という考え方です。


とりあえずは、3月に予定されている「水木しげる生誕祭」。そして大学生や高校生の卒業旅行組が入るか。
今の情勢のままだと、4~11月、特に春先は苦しくなりそうなので、現状の感染拡大状況と、絡める県民割やGOTOトラベルの実施などが、3月までにどう動くかによって、いろいろ変わってきそうです。


年始は、1組目が札幌からの人、2組目と3組目がリピーターさんでした。
年末の最後も、リピーターさん2組3人と、その妹さんの連泊。
いろいろありましたが、最初と最後は最良でした。これを糧に、2022年へと繋げていきたいです。