「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

スローツーリズムの提唱――車を使わない旅――

明日は水木しげる先生の「生誕祭」が行われる。今夜は、昨年9月の「怪フォーラム」でご利用いただいた男子学生2人が、「生誕祭」参加のために再訪してくださっている。今まで複数回ご利用いただいた人は仕事絡みや友人知人なので、純粋な意味でのリピーターは初。ありがたい。
しかし明日は、「初一人旅の19歳男子大学生」1人。ほかの「生誕祭」への参加者にご利用いただけていないのは残念だ。そして相変わらず、土曜日の入りが悪い。


とはいえ3月の予約を見ると、丁寧なメッセージと想いが込められているのが感じられる人が多く、期待感は高い。学生が主になる時期ということもあるが《割引特典》の複数該当者も多く、初めて「4項目該当する人」からの予約もある。「宿のコンセプト」に沿った客層が続くのは、うれしい。


うちの宿は「スローツーリズム」を提唱している。
「スローツーリズム」の定義としては、以下の項目が挙げられる。
《1》自己目的がある
《2》ゆっくり、じっくり回遊
《3》健康的
《4》マイカーを使わない
《5》環境にやさしい


「境港・水木しげるロードを、ゆっくり健全に楽しむ」のが「一番の目的」であってほしいからで、その環境づくりは「初ゲストハウスの人や一人旅の女性」などの安心・安全にもつながってくる。自分自身も、じっくり健康的に旅をしてきたつもりだし、何度も記してきたが「旅そのもの」が好きだからだ。
そんなコンセプトからルールをつくり上げているので、当然、ターゲットを絞り込むことになる。是非はあるだろうが「満足度」を重視したいので、徹底してこだわっている。


《1》は、もちろん「境港・水木しげるロードを楽しむという目的」。「ゲストハウスに泊まるのが目的」という人もいるが、「観光地型」の宿としては、それは「2番目以下の理由」でいいと思っている。


《2》は、宿泊すれば滞在時間は確実に増える。1~2泊の旅でいろんな場所に行こうと”詰め込む”人がいるが、移動時間などがもったいないと感じることがある。とりあえずざっと廻るだけであっても、あらためて気に入った土地を「ゆっくり」回遊する感じになってほしい。


《3》は、自分が酒を飲まないのもあるけれど「旅先で羽目を外す」という考えは全くない。むしろ旅先のほうが健全に過ごしている。「旅そのものが好き」なら「健康的」になるはずだ。


《4》は、特に重視しているポイント。「車以外の交通手段で旅している人」のほうが考えて行動していると感じるし、先日のお二人のように「丸一日かけて楽しむ人」もいる(後述追記)。


《5》は、当然、公共交通機関を利用するほうが環境にやさしい。


この中でも特に、私は「車(バイクも含む)を使わない」に着目して、宿のコンセプトを築いている。
「車」を否定すると、学生が入らない時期になれば、かなり集客が落ちるだろう。だが「境港・水木しげるロードを楽しむ」を基調に考えると重要なことだし、「初心者や女性客の安心へのこだわり」などからも重視していきたい。


実際、《1》としては、境港は車やバイクだと松江から米子方面への“通過点”にできるが、JRやバスだと“突端の地”になるので、公共交通機関で来る人のほうが「境港・水木しげるロードを楽しむという目的」が明白。
だからこそ公共交通機関で来られる人のほうが「計画性」が高い。うちが重視している「プランニング」、考えて旅をすることにも合致している。


《2》は、「同じ日数で旅する場合は、車の人のほうが訪問地が多くなる」ため「一日中ゆっくり滞在する」という感じにはならない。山陰は「公共交通機関では不便なので欲張りにくい」のだ。
公共交通機関で来られる人のさか境港での滞在時間は概ね「2~3時間」だが、「半日以上」「丸一日」という人も結構いる。一方で車の人は、半日以上の滞在は皆無に近い。子ども連れのご家族は「2~3時間」くらいで、ほかは「水木しげるロードの観光目的ではない人」が多く「1時間に満たない」。特にバイクで来られる男性に、この傾向が強い。
なお、「青春18きっぷの旅人」は到着が遅かったり滞在時間が短い傾向があるが、《1》の自己目的は強い。


つまり、「車を使わない」ことで、ほかの項目にも波及する。


ご家族やご夫婦の利用が多いうえ、隠岐へ渡る人もいるので、公共交通機関が不便な境港では車のウエートが高いため、全面的に「車不可」にはできない。だが、車以外の交通手段で来てくださる旅人さんが増えてほしいとは願っている。
うちの宿を利用する人に限らず、今後の境港・水木しげるロードの観光振興のためにも「マスツーリズム」に頼っていてはいけない。今のリニューアル計画に併せて、地域として「スローツーリズム」を推奨していきたい――。