「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

三陸鉄道全線完乗と、石巻・久慈・遠野・花巻③

最後になりましたが、今回の目的の一つ「三陸鉄道全線開通」を祝し「全線完乗」を果たしてきました。復旧が遅れていた旧・JR山田線の「宮古―釜石」間が三陸鉄道に移管され、3月23日より「リアス線」として、大船渡の「盛」駅から「久慈」駅まで、一本のレールで結ばれました。


石巻を訪れた後、大船渡の旅館に宿泊し、まずは盛駅から「旧・南リアス線」に乗車。旧・南リアス線は前回、往復で乗車しており、2度目です。
盛駅は3年8か月前と特に変わっておらず、駅通路の展示が少なくなったくらい。JRの駅と隣接しており、JRのほうが駅舎は大きく立派。ただ、JRはBRT(バス輸送)のためレールはなく、広い校内がもったいない感じがします。


盛駅では「久慈までの直通乗車券・2日間有効・途中下車可」を購入。料金は通常の片道運賃と同じですが、券売機で買うと、どうやら「有効期限は1日で、途中下車はできない」ようです。
ちなみに「乗り放題切符」(2日間6,000円)は土日祝日のみの販売で、平日は利用できません。


盛→釜石間は比較的、海沿いを走ります。震災で大きな被害を受けた地域でもあり、護岸工事が進み、大規模な堤防ができつつあります。
主な見どころは、まず「恋し浜」駅。日本に4つある「恋」の付く駅で「恋プロジェクト」として、おしゃれな駅墓標がつくられ、ホタテの貝殻を使った絵馬が駅舎内や通路に飾られています。少し高台に位置するので、駅から海を眺める景観も素晴らしいです。次の甫嶺~三陸駅にかけて広がる越喜来湾、吉浜駅近くの吉浜湾も絶景。


1時間ほどで釜石に着き、ここから「旧・JR山田線」の新開通区間。駅名や配置は大半が旧・JR山田線と変わっていません。
「釜石―陸中山田」間は大槌駅周辺など震災被害が大きかった地区が多く、駅舎はほとんどが新設されたものでした。この区間も「吉里吉里―浪板海岸」駅あたりなどで、太平洋が望めます。陸中山田を過ぎると山間に入り、豊間根駅は旧線や駅舎跡が残り、津軽石駅周辺も少し名残を感じました。宮古駅は、JRと三陸鉄道の駅舎が一体になりました。


宮古で途中下車し、宿に荷物を預けて久慈へ。
「宮古―久慈」間は前回、前々回とも乗車しており、途中下車した駅も複数。
しばらくは内陸を走り、田老駅あたりで防波堤が見え、岩泉小本駅は「日本三大鍾乳洞」の一つ「龍泉洞」への起点。島越駅を過ぎると海が見え始め、車両のオブジェも残されています。再び内陸に戻りますが、白井海岸駅から絶景ゾーン。高台に位置するので、海を見下ろす景観が素晴らしいです。
次の堀内駅は「あまちゃん」のロケで「袖が浜駅」として使われており、駅墓標もあります。前回は途中下車し、周辺を散策しました。今回も車掌さんが「1~2分あるから降りて写真撮ってもいいですよ」と声をかけてくださったので、ひとしきり撮影させていただきました。
この後は海沿いを走るのですが、特に十府ヶ浦海岸駅あたりは立派な防波堤ができています。


やがて久慈駅に到着。盛からの乗車時間は約5時間かかります。現在のところ全然直通の列車はなく、釜石か宮古で乗り換え。列車の総本数は多くありませんが、乗り継ぎはある程度、考慮されています。
久慈駅も3年8か月前とは、特に変わっていませんでした。こちらもJRの駅舎のほうが立派。
駅前の噴水が新しくなるようで(21日に公開されたようです)、駅前の様相は少し小綺麗になった感じです。駅構内にも「あまちゃん関連グッズ」が並べられ、記念撮影用の衣装まであるのですが、構内が狭いので活用される感じにはならない気がします。


なお、まず釜石で多くの乗客が入れ替わり。宮古でも同様でした。同じ時間帯では「全然乗車した人」は、いなかった模様です。「青春18きっぷ」などと組み合わせる時期になれば“乗り鉄”が増えるかもしれません。


帰りは「久慈→釜石の直通乗車券」を購入(往路と同条件)。途中の宮古に宿泊し、2日間にまたがって利用しました。久慈から宮古へ戻る列車は、途中で日没となり、あまり景色は堪能できず。
翌日、新区間を宮古から釜石まで、今度は山側の座席に座って乗車しました。運良く「あまちゃんのロケで使用された車両」に当たり、車内に貼られたロケ風景の写真などを楽しむことができました。


2日間で乗った列車は皆、まずまずの乗車率。「観光シーズンではない平日」としては、乗車があったほうだと感じます。といっても、やはり「通学主体」の様相。時期的に観光利用者は多くなかったのですが(前回と前々回は夏だったので旅行者が多かった)、今後どうなるでしょうか。
また、宮古駅から釜石、久慈のどちらに向かう列車も「8時台」がありません。特に宮古→釜石は、7:43発を逃すと、次は10:00発。「観光」としては8時台がないのは少し不便です。
夏休みなどは観光列車の導入などがあるかもしれませんが、JRやバスとの乗り継ぎも含めて、まだまだ検討課題はあると思いました。


特に両端の盛、久慈駅でのJRとの乗り継ぎは決して良くないですし、盛岡や花巻など内陸の主要都市からのアクセスも、釜石や宮古、久慈の観光が目的ならバスのほうが便利。観光として「全線乗車する」には、時間的な余裕が必要になります。「線」「面」で捉えた時、「せっかくの豊富な観光資源が、三陸鉄道を利用する価値と繋がりにくい」気はします。
取り組み方や工夫としては、ローカル線としての魅力を発揮しているほうだと思うので、もう少し「観光としての利便性」が高まればと思いました。
(完)

三陸鉄道全線完乗と、石巻・久慈・遠野・花巻②

久慈を離れ、宮古に1泊して朝早くから釜石へ。
ここで三陸鉄道に別れを告げ、JR釜石線で遠野へ。
釜石線は「銀河ドリームライン」として、各駅に愛称名が付けられています。駅名標もおしゃれで、すべての駅を写真に映したいと思うほど。前回訪ねた際は、宮沢賢治童話村などへの玄関口である「新花巻駅」と「銀河ステーション」の「土沢駅」で降りました。


今回は、まず遠野に立ち寄り、駅から徒歩5分ほどの「蔵の町ギャラリー」へ。ここは僅かながら、名だたる漫画家さんの「河童」にちなんだ作品が飾られており、石ノ森章太郎さんや水島新司さん、里中満智子さんらの原画が見られます。昭和の町家を模した展示もあるので、駅からも近いですし、もう少し“町歩き”の人に立ち寄ってもらえればと思いました。
ここで荷物を預かってもらい、町並みを少し散策。列車の乗り継ぎの関係で2時間程度しか取れなかったため、カッパ淵などの観光名所は断念。ここはフォークグループ「飛行船」のヒット曲「遠野物語」(1976年発売)の歌詞にもあるように「自転車で廻りたい町」なので、またゆっくり訪ねます。


遠野で感じたのは、観光案内所の変化。前回3年8か月前に訪ねた時から、駅前にあった観光案内所がなくなり「旅の蔵 遠野」という総合施設に変わったことで、どうしても「町の観光案内」という雰囲気ではなく「事務所的」になったのは、昭和以前の伝承を守る町のイメージとかけ離れているようで、少し違和感を覚えました。
愛用していた駅ホテル「フォルクローロ」もなくなり、ここも「駅=玄関口」のイメージが薄れつつあります。


自分は「観光案内所の在り方や雰囲気」で「町の印象が決まる」ほうなので、特にサービス面に関する対応や様相をかなり重視しています。今回で言えば、「久慈」は最秀逸。花巻と石巻も優れているほうで、岩手と宮城は全体的に温かさを覚えるのですが、ほかと比べると遠野は少し劣ると思いました。「観光資源」が豊富で魅力ある町だけに、もったいない気がします(「蔵の町ギャラリー」のおばちゃんは、丁寧な説明と気さくな応対に好感を覚えましたが、メーンである駅前の案内所は、もっと「遠野らしさ」を感じさせてほしいです)。


続いて花巻へ。
花巻と言えば「宮沢賢治」。童話村や記念館がメーンの観光スポットで、新花巻駅周辺からのアクセスが便利です。また、町中には賢治ゆかりの地がたくさんあり、案内看板などが全体的に素朴でおしゃれなので、飽きることなく町歩きできます。
童話村や記念館は前回もを含め何度も訪れているので、今回は花巻温泉郷の大沢温泉にある「昭和の学校」を訪ねました。というか、「あまちゃんハウス」と並んで今回の「最大の目的地」です。


3年8か月前、現地でその存在を知ったのですが、日程的な都合がつかず断念。ようやく訪れることができました。
山間にある廃校になった学校を使い、個人の方が集めた「昭和」に関するさまざまなものを「これでもか!」とばかりに展示。ジャンルは幅広く、建物が広いのもあって、見やすく工夫されています。
閉館ギリギリまで1時間半ほど見学しましたが「あと1時間ほしかった」と感じました。


大きな特徴としては「展示品をガラスケースなどに入れず、オープンにしているものが多いこと」。レコードや書籍は「触って見ることができる」ので、楽しさが増します。全国各地にある「昭和レトロ関連施設」の中でも規模の大きさはトップクラス。
所蔵品が多いだけにもう少し細かな分類があっても良いと思ったのと、所蔵品の説明が少ないので珍しいものには添付して記してほしいと感じましたが、館長さんらが随所に説明してくださるので退屈することはありません。
大沢温泉郷から2キロほど離れる山間にあるので、雰囲気も抜群。アクセスは便利とは言えませんが、大沢温泉に宿泊して訪ねるのも良いと思います。


こうした「昭和レトロ系」の施設は大好きなので日本中訪ねましたが、「規模」に関しては大分・豊後高田昭和の町に次ぐレベル。立地や建物とも素晴らしく適合しています。「つくり物っぽさがない」という点でも魅力度が非常に高い施設でした。


また、夕方と夜に花巻市内で町歩き。宮沢賢治にちなんだベンチがかわいいし、案内板などのデザインもおしゃれ。駅から徒歩3分ほどの場所には「未来都市銀河地球鉄道」の壁画があり、必見です。


(③につづく)

三陸鉄道全線完乗と、石巻・久慈・遠野・花巻①

3月23日に三陸鉄道が全線開通したので、このたび完乗するとともに、石巻・久慈・遠野・花巻を訪ねてきました。急きょ決めたうえに、かなりハードな日程で廻りましたが、得るものは多く、観光振興について、あらためて考えさせられることもありました。


日本各地をくまなく旅してきましたが、東北の人の温かさは日本随一だと、いつも感じます。
臨機応変な心温まる対応が必ずあって、帰るのが惜しくなります。どこも決して観光地や行楽地として大繁栄しているわけではないですが、身の丈に合ったまちづくりを魅力としていて「旅情」という点では、個人的には宮城と岩手は最秀逸だと感じています。


石巻と遠野は、境港との繋がりも濃い町。実際、うちに泊まられた人でも「遠野ユースホステルの大ファン」が2人(ともに40~50代の女性)と、石巻から来てくださった人が一人います。また、久慈は「NHKの朝ドラ」という関連がありますし、花巻も「人物(宮沢賢治)を主とした観光振興」で、参考にできるものがあります。
実際に自分の目でまちを見た印象を大切に、旅人さんを繋いでいければと思います。


最初の目的地は、水木しげるロードをモデルにまちづくりに取り組んだ「石巻」。
3年8か月ぶりですが、過去10回以上訪ねており、震災後だけでも4回目。少しずつ町の様相が変わっており、現在は「石ノ森萬画館」近くの河川の堤防工事が盛大に行われています。また、堤防沿いに「元気いちば」が誕生しました。
急な計画でよく調べずに行ったため「石ノ森萬画館」は、まさかの「月に1度の休館日」。ここは企画展があるので、展示替えなどで休館日が設定されています。ごあいさつできず残念でしたが、施設としては特に大きな変化はないと言われましたので、その分、町並みを楽しむことにしました。


町中にあったお寺の枝垂桜が満開だったので写真を撮っていたら、地元のおばあさんに話し掛けられ、震災後の変化について話を伺いました。未曽有の大災害から少しずつ町に活気が戻る一方で“つくられていく感”に寂しさも覚えるそうです。
また、その直後、3月に水木しげるロード「妖怪ショップゲゲゲ」でお会いした建設会社の男性と、まさかの再会! 世代的には自分より少し年下だと思いますが、水木先生のファンに加え、町並みや工芸、あるいは遊び心のある取り組みなどへの関心が濃い人で、境港駅前のホテルに2泊されていたと記憶しています。
ちょうどその寺の近くで現場仕事があったとのことで、こういう偶然の再会は、本質的な“縁”を感じます。名刺をいただいたので、次回は一緒に食事でもできればと思います。


石巻で少し残念に感じたのは、堤防沿いに市場ができたことで、駅前にあった同様の施設がなくなったこと(取り壊されていました)と、「石ノ森萬画館」まで続く商店街にあったキャラクター像などが減ったこと。特に「駅前が、がらんとした感じになった」のは、寂しいです。
空き地になった場所に何か建てられるのかは分かりませんでしたが、駅は「玄関口」として活況であってほしいです。また、キャラクター像は震災後の道路整備のために一部撤去されているものもあるようですが、商店街自体の“活気”は3年半前よりも少し薄れているように感じました。商店街にあったグッズ販売の施設や展示もなくなったのは残念です。
駅舎などは石ノ森作品で華やかですし、オブジェ類や壁画も駅前には結構あるのですが、萬画館までの“流れ”がない感じ。ただ、来訪者は「車中心」なのと、こちらは記念館がメーン(充実度も高い)なので、致し方ないのかもしれません。


続いて訪ねたのは久慈。
大船渡の旅館に1泊し、盛駅から一気に三陸鉄道を完乗しました(三陸鉄道の話は③で)。


久慈はNHKの朝ドラ「あまちゃん」のロケ地として有名。
放送終了から5年以上たつにもかかわらず、観光としては新しい取り組みが続けられており、活況を呈しています。NHK関連はブームが大きくなる分「2年もたない」とも言われている中、非常に検討していると感じます。今回、全線開通した三陸鉄道さんなど地域一体となった取り組みとバックアップにも恵まれているようですが、細かいイベントが多いのも特徴なうえ「また来たい!」と思わせるリピーター対策が考えられているのを感じます。


久慈へは2014年と15年の夏の2回訪れていて、15年は宿泊もして町並みは存分に楽しんでいたので、今回の目的は、移転して広くなった「あまちゃんハウス」でした。


ところが、ここでもよく調べていなかったのが災いし「水曜日休館」。
石巻に続いて撃沈、特にここが「本命」だったので心が折れましたが、空いた時間を楽しもうと、歩いて10分ほどの場所にある「道の駅くじ やませ土風館」にある「昭和レトロ館」へ。
15年に見学しており、展示内容は分かっているので、本来は行かない予定でしたが、事務所の人に「鳥取から、あまちゃんハウスを目指して来ました。ここは2回目です」と話したら、粋な計らいで特別に開けてくださり、30分ほどですが「貸し切り状態」で見学させていただきました(物販は不可で、一部はビニールシート掛けの状態)。
また、3年半ほど前に訪れたことを僅かながら記憶してくださっており「昭和レトロ館」も無料で見学させていただきました。さらに絵葉書やてぬぐいなどもお土産に頂きました。


久慈については、前回訪ねた時もそうでしたが、とにかく各施設の応対が「非常に親切」。全国各地を旅する際、基本的に「駅もしくは観光拠点の案内所」に必ず立ち寄るのですが、久慈は「全国でもトップクラスの親切さ」です。
休館日を調べずに行ったのは自分の落ち度でしかないわけで、それをわざわざ対応してくださるとは思いもしませんでした。「観光」という「非日常を楽しむ」時間において、こうした“気持ち”での対応があると、まちの満足度は格段に上がります。石巻もそうですが「三陸の魅力」は、ほかの観光地などよりも心の温もりが大きいことにあります。
自分は基本的に「土産は“気持ち”のこもった応対があったところで買う」と決めているので、今回は見学後に少し名産品などを購入して帰りました。


ちなみに、この「昭和レトロ館」の展示も、かなり充実しています。②で記します花巻「昭和の学校」に比べると展示量は少ないですが、フィギュア類が豊富で、先頭の番台に見立てた入り口など、飾り方は良く工夫されています。


また、今回は行けませんでしたが、久慈の見どころとして、震災で全壊したあと駅前で“臨時営業”していた水族館「もぐらんぴあ」が3年ほど前から再開しています。「さかなクン」が応援団長として活躍しており、北限の海女の素潜り実演などを見ることができます(久慈に1泊できれば行きたかったのですが、宿が取れず断念)。
(②につづく)

26万冊のマンガ本と温泉

今月7日、鳥取県中部に位置する関金温泉の「グリーンスコーレせきがね」に、26万冊のマンガ本と温泉が楽しめる宿泊施設が開業したので、先週、1泊してきました。


倉吉駅からバスで30~35分に位置する「関金温泉」。近くにある「三朝温泉」と比べると知名度が低めですが、つくり込まれていない田舎の温泉街の雰囲気が残る、素朴な町です。


今回の宿泊プランは「まんが王国とっとり」としての取り組み。
施設のコンセプトとして「旅館的サービスではなく、アウトドア的なサービスを心掛け、お客さまが滞在する時間をお客さま自身が楽しんでいただけるよう、余分なサービスを排除し、ありのままの滞在を楽しんでいただくことを最大のホスピタリティと考えています。私たちが提供する宿は、関金での感動体験の拠点です」と、公式ホームページに記されています。


広い館内は、入った途端に「マンガ」の本棚が目に入る状態。ジャンル別に分かれているうえ、概ね作家名で五十音順に並べられており、目的の本を探すのも比較的簡単です。
フィギュアやポスター、小物類が棚の上などに並べられていて「楽しい感じ」を演出していますし、よく見ると本棚が手づくり。“拘り”と“遊び心”が随所に散りばめられているのは、魅力の一つでもあります。
蔵書としては、平成以降の流行作品が多め。人気作、話題作はきっちりそろっていましたが、昭和時代の作品やマイナーな漫画家さんは少なく「大衆向け」な感じ。個人的には昭和50~60年代ごろの名作がもう少しあれば、と思いました(最も好きな漫画家「枝松克幸」さんは1冊もなし。五十嵐浩一さんなど少年画報社系の作家も殆どないのは残念)。


素泊まりプランで税込み5,550円で、36時間の滞在が可能(客室内は15時~翌10時)。部屋は何もないシンプルな状態ですが、最低でも8畳と広く、静かでゆっくり休めます。部屋へのマンガの持ち込みも可。
大浴場は23時まで、フリードリンクも22時まで利用できますし、食堂や売店もあります。


また、宿泊だけでなく「12時間1,000円(温泉入浴、フリードリンク付き)」(10時~22時)の「日帰りプラン」もあり、かなりお得。鳥取県中部に位置するため、県内や岡山県北部などからは、日帰りでの半日滞在は十分に可能です。


現在は開業間もないため、日帰り利用者のほうが多めの様子。
日曜日に宿泊したので、夕方に着いた際は日帰り客で混雑していましたが、19時を過ぎたころから帰途に着く人が目立ちました。男女はほぼ同数で、20~30代くらいが多めだと感じました。ゴールデンウィーク以降は宿泊予約が多く、夏休みなどは合宿利用も増えるとのことです。


うちに宿泊する旅人さんの傾向を見ると、ファミリー層は鳥取砂丘か大山へも廻る人が主ですが、旅慣れたタイプだと三朝温泉や、岡山県北部の美作や湯原温泉などに宿泊するご家族もいます。女性の一人旅は出雲大社や鳥取砂丘が主ですが、30~50代の客層には三朝や関金、智頭など古い町並みや温泉街を好まれる人もいますので、「マンガ」としての繋がりをアピールし、ゆっくり滞在する人が増えればと思います(インスタグラムで載せたところ、マンガ好きな女性から「境港と関金に1泊ずつで楽しみたい」というメッセージを頂きました)。


アクセスは、倉吉からの路線バスは1時間に1~2本程度と、特に不便ではありません。途中、倉吉のメーン観光地である「赤瓦・白壁土蔵群」を経由しますし、「円形劇場(くらよしフィギュアミュージアム)」も経路上のバス停から徒歩5分ほどです(帰りに立ち寄ってきました)。
ただ一つ難を言えば、バス停から「グリーンスコーレせきがね」までは500mほどと決して遠くはないのですが、かなり高台にあり、公共交通機関で行くとハードな坂道を上ることになります。荷物が多かったり、暑い時期は大変なので、バス停からの送迎があればと思いました。
ちなみに帰りは「円形劇場(くらよしフィギュアミュージアム)」まで、ご厚意で送っていただきましたので、このあたりは繁忙期でなければ緩く対応してくださる感じです。


余談ですが現在、「円形劇場(くらよしフィギュアミュージアム)」では、5月12日まで「ジオラマ劇場」を開催中。荒木智さんによる“超絶”な作品が展示されており、必見です!

10連休を前に・・・。

今年はゴールデンウィークが「10連休」ということで、予約の入りが非常に早くなっています。
個室は4月27日~5月5日の9日間、2室ともすべて埋まりました。昨年の今ごろは、5月3日と4日の個室こそ埋まっていたものの、前半と中日の平日は僅かだったので、「10連休おそるべし」です。


予約は3月に入った途端に急増、4月30日~5月2日の個室は3月中旬までに埋まりました。下旬にかけて28日・29日・3日の個室も満室になり、少しキャンセルもあって入れ代わりましたが(なぜかキャンセルは28日と1日に偏っています)、4月に入って宿泊予約サイトを売り出した途端、残る27日と4日、5日も今朝までに完売となりました。


予約の大半がファミリー。「ご夫婦+子ども1~2人」が多いですが、うちの特徴でもある「大人1人+子ども」も3組。一方で「3世代家族」も1組あります。
春休みは「小学生男児」が多く、昨日までの時点でファミリーは「男女同数」ですが、今年のゴールデンウィークは女児がやや多め。昨年はゴールデンウィークもお盆も男児のほうが多かったので、少し傾向が違います。また、中学生と高校生が計3人入りますが、すべて女性。今までもそうですが中高生は男子が殆ど入りません。ほかに女性グループが3組。


一方で、ドミトリーの予約は今のところ30日~2日に偏っていて、まだゼロの日もあるので、状況次第では現在入っている女性グループを個室に回してドミトリーを廃止し、もう一家族受け入れる日を設けるかもしれません。
ゴールデンウィークやお盆は、あまりドミトリーが動かないので、昨年、一昨年とも、そのように対応した日がありました。あとドミトリーは30~50代が多く、平均年齢が昨年より高いです。ファミリー層の親と同年代になるので、かえってコミュニケーションが成り立ちやすいかもしれません。


連泊は、昨年は平日を挟んだこともあって、3連泊が一家族、2連泊が一人の計2組でしたが、今年は2連泊が6組もあり、「総入れ替わり」は28日→29日→30日だけ(つまり29日だけ連泊の人がいない)。お盆は最も忙しかった8月11日~16日がすべて1泊で、毎日総入れ替えで大変でしたが、前半を乗り切れば少し余裕が持てそうです。


ただ、4月に入ってからの予約・問い合わせはゴールデンウィークか6月1日(美保基地航空祭の前夜)ばかりで、連休までの予約は、ほんの僅か。毎年少なめではありますが、今年はより顕著で、もしかしたら連休明けも大幅に減るかもしれない、と思うと、反動が怖い気もします。
実際、春休み中は昨年より僅かに減少しました。部屋数がないので、繁忙期だからと言って大きく増やせるわけでもなく、3~6月の合算だと微増程度で大きな変化はないかもしれません。


昨年は4月28日~5月6日の9日間で、延べ宿泊人数は50人。今年は1日長いうえに昨年4月30日~5月2日と6日がごく僅かだったのが上積みされ、延べ75~80人くらいになりそうです(5日までは毎日8~10人くらい)。
ドミトリーの予約状況から見ても30日~2日がピークで、ここに連泊が多めなのは、ちょっと助かります。
また「延べ1,000人目」が、5月4日か5日に達成となりそうです。


徒歩圏内は夕食処が少なく混雑が予想されますが、車で来られるご家族が多いので郊外に出ることも可能ですし、最近は「夕食はスーパーで食材購入」の人が増えました(インスタグラムの投稿などを見て決められる人もいます)ので、大きな影響はないと思います。ご到着・ご出発時刻によっては、駐車場の入れ替えのほうが難航するかもしれません。
いずれにしても人数が多くなるので、気を引き締めるとともに、サービス面が低下しないよう心掛け、また、騒がしくなる中でもゆっくり休んでいただけるよう気を配っていかなければ、と自戒しています。