「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

「怪フォーラム」、今年は徳島県三好市で開催

11月12日(日)、徳島県三好市で「怪フォーラム2017in徳島」が開催される。

「怪フォーラム」とは、妖怪文化の普及に貢献した地域として「怪遺産」に認定している境港と三好、岩手県遠野市の3県合同で行われている。今回が6回目で、会場は持ち回り。


昨年は境港で9月10日(日)に行われ、京極夏彦さんや荒俣宏さんらによる対談や語り、郷土芸能の披露、海洋堂のフィギア展示などもあり、盛況となった。
(写真は昨年の様子)


今回も、荒俣氏や京極氏を迎えての「お化け大学校秋季集中講座」「妖怪大談義」をはじめ、各県の伝統芸能の披露や名産品の販売などが行われる。
ちなみに境港からのテレビ中継もあるようだ(といっても、こちらでイベントがあるわけではないのだが)。


“妖怪つながり”の3地域が集うビックイベントで、この日に合わせて来てくださった「妖怪ファン」もたくさんいた。私も前回、遠野の知人と再会するなど終始、会場を駆け回ったのが忘れられない。


宿はすっかり閑散期状態なので、今思えば「行く段取りをすればよかった」と、ちょっと後悔。
だが、来年は遠野。少し気が早いが、岩手を中心とした東北旅をしたいと考えており、宮古―釜石間の鉄道の全線復旧に合わせて、境港開催まで待たずに感動を味わいに訪ねたいと思う(それまで破産せずに過ごせたらの話だが・・・)。

日本一の剥製「海とくらしの史料館」

先日「伯州綿」のイベントが開催された際、「海とくらしの史料館」が無料開放されたので、あらためて写真を撮ってきました。


同館のキャッチフレーズは「日本一の剥製水族館」「水のない水族館」。
2・8メートルの巨大マンボウや4・2メートルのホオジロザメをはじめ、魚だけでなくエビやカニ、深海魚のリュウグウノツカイなどの剥製が、約700種類4千点、展示されています。
総展示数が多いので見ごたえがありますし、ハリセンボンで通路をつくるなど、工夫も凝らしています。漁具や船の展示もあるので、海や魚が好きな人はもちろん、幅広く楽しめると思います。故・水木しげる先生が描いた「魚と目玉おやじ」の絵も飾られています。ちなみに水木先生の生家も近くにあります。

大きな課題としては、やはり入館者が少ないこと。境港に来る観光客の大半が「水木しげるロード」のみ、団体や車で来られる人も「水産物直売センター」をプラスする程度です。
「水木しげる記念館」との共通券は一般800円、「夢みなとタワー」および「はまるーぷバスの往復乗車券」ともセットになった3館共通券(一般1,200円)があるのですが、観光客にはほとんど知られておらず、積極的に販売されている様子もありません(「はまるーぷバス」が観光用に使いづらいのもありますが)。
実状として「最初に海とくらしの史料館へ行けば共通券を買う人もいますが、水木しげる記念館を先に訪れた人へのアピールは皆無」と言っていい状態です。
「妖怪と魚の町」として、ゆっくり滞在し、幅広く他の史でいただくためにも、こういった共通割引券を積極的に宣伝し、ご利用いただく工夫を凝らしていかなければと思います。


同館のみでの入館料:一般400円、小学生~高校生100円
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

今だけの水木しげるロード

今月1日から、Instagram・Twitterの写真投稿で応募する「今だけの水木しげるロード/2017秋~冬フォトコンテスト」が始まりました(来年3月4日まで)。
「水木しげるロード」では現在、大規模リニューアル工事を行われており、来年夏には、歩道が広がりブロンズ像が再配置され、夜間照明も設置されます。
リニューアル工事が本格化した今、再配置するブロンズ像を境港駅前に集結させ、期間限定の「世界妖怪会議」として公開しています。


まさにこれは、「今だけの水木しげるロード」の姿。
また、工事中の看板などにもキャラクターが使われていますが、これも今しか見ることができないもの。リニューアルされれば、「今」も「過去の姿」も、実際に見ることはできません。写真に残していくなどで、記録と記憶を伝えていくことは大事なのです。
そんな様相を「写真」として残したいという想いで企画されたフォトコンテストです。


応募は、公式サイトをフォローし、ハッシュタグ「#今だけの水木しげるロード」を付けて投稿するだけです。応募点数に制限はなく、自分も既に、インスタグラムで7点ほど投稿しました。


リニューアル後にも期待は大きいですが、昨日も記したように「今」を楽しんでいただくことは、もっと大事です。
「今」が楽しくなければ、次へつながりません。ぜひ、「今だけの水木しげるロード」を見に来て楽しんでいただき、コンテストにも応募していただければと願っています!


詳しくは公式サイトをご覧ください。

水木先生の命日は「クイズ」を実施

11月30日は、水木先生の命日。
今年も小規模ながら、地域の有志でイベントを開催することになりました。


今回は「水木先生および《世界妖怪会議》に関するクイズ」をつくり、楽しんでいただきつつ“学べる”ものを目指します。
全問正解者には「協賛店で使えるサービス券を進呈」し、現在の構想としては「リニューアル後に再訪していただけるよう、来年夏に使える券にする」予定です。


実は今回は、自分が企画した案が、ほぼそのまま実施される運びとなりました。
個人的な考えとして、こういった「特別な日」の意味を知っていただくための催しは「子ども向け」ではなく「大人向け」(家族全体向け)にすべきだと思っていますし、うちの宿のコンセプトもそうなのですが「知り、学ぶ」ことから「次に繋げる」。それが大切だと思います。
そういった意味から、クイズ問題は「簡単ではないけれど、ブロンズ像を見れば分かる内容」にして、意図が伝わるものをつくっています。あとは当日のコミュニケーションで、多くの人に水木先生の功績や町の発展の経緯などを知っていただくきっかけになるよう、努めていきます。


実施日は命日当日と、12月2日(土)、3日(日)の3日間の予定。
写真展示や書籍コーナーも設ける予定です。


うちの宿は、命日当日と前日(29日)は《特別割引》を実施します(一定の滞在時間を満たす人のみ)。
“たまたまその日に来た人”に命日を知っていただくことも大切ですが、宿泊施設としては「この日に合わせて」という“想い”に応えていきます。


11月に入って、明らかに観光客が激減、特に平日は団体旅行の中高年以上か外国人ばかりになってきました。肌寒い日も増えてきて、子ども連れのご家族や若年層の旅人の減少が顕著です。
その背景として、楽しんでいただく工夫以上に「宣伝・告知力不足」が挙げられると感じています。リニューアル工事も「世界妖怪会議」としての限定公開も、「対外的に」告知できておらず、知らずに来られる人が圧倒的。「宣伝・告知」が“外”向けられていないと感じます。
「リニューアル後に大々的なことをすればいい」では駄目で、むしろリニューアル直後は、いまの“提灯持ち的な”マスコミの在り方からすれば、ある程度は放っておいても人が来ます。なので「普通のもてなしが、きちんとできていればいい」と思います。大事なのは、工事中で不便をかける「今」。この時を“捨てない”ことです。
自分は今、鬼太郎のちゃんちゃんこなどを貸し出しして「リニューアル後の再訪」を促していますが、その前に「今を楽しんでいただくこと」を忘れてはならないから、このような取り組みを行っているのです。あくまでも大切なのは「今」のほうが優先で、再訪は3年後でも5年後でもいいのです。「今」が楽しめなかったら、次には繋がらない、そう思います。


自分が恐れているのは、リニューアルが「ブーム」をつくってしまうこと。
現在のリニューアル工事は「進化の過程」であるべきで、大切なのは「今までを楽しんだ人が」「今を楽しみ」、さらに「今後も楽しみたいと思う」ことです。このままでは、一過性の盛り上がりになりそうで心配です。


あらためて記します。
うちの宿は「特別な日」への“想い”を込めて来てくださる人のために《割引》を実施します。
9月末から告知していますが、今のところ予約はありません。とても残念です。


「特別な日は、特別でありたい」
そのために限定の催しを行うわけですし、割引も早めに「告知」してきました。
だからこそ、「この日に合わせて楽しみたい」という“想い”を抱く旅人さんにご利用いただけることを願っています。


ちなみに昨年の様子。

昨年は、大きな紙にメッセージを頂きました。実施は11月27日(日)と命日当日の30日。
命日当日は水曜日でしたが、一周忌に合わせて来てくださった人もおり、それなりに“想い”のあるお言葉をいただくことができました。一方で27日は「単に絵を描きたいだけの子ども」が多くなり、自分としては主旨違いを感じました。また、描いていただいたメッセージの紙が大きすぎて掲示できず、「次につながる感」を生み出せませんでした。
そこで今回は「クイズ」となり、「再訪」を促すために「サービス券の利用をリニューアル後」にしています。
小さいことを継続する、それが大切だと思いますし、形だけ毎年同じことをするようなにはせず、前回の反省を生かして新しいことを考えていくよう、取り組んでいきたいです。

アーケード撤去こそリニューアルの目玉

「水木しげるロード」の、本町アーケードの撤去工事が始まりました。

個人的にはリニューアル工事の成否において、このアーケード撤去こそ重要なカギを握ると思っていました。リニューアルそのもの以上に「大賛成」で、撤去が始まったことを喜ばしく思います。


「水木しげるロード」は、「JR境港駅前から本町アーケードまでの一本の道」ですが、道路の形態が違うことによる「特別感」が生じてしまい、休日などは、アーケードが醸し出すイメージによって“勝手に歩行者天国状態”が起こっていました。
また、車で来る観光客がアーケード内にある「水木しげる記念館」を目印にして付近の民間の駐車場を利用し、観光マップを持たず(案内所にも寄らず)散策するため、ロードの全体像を把握していない人が多くなりました。民間の駐車場が増加して、車で来られる人の動線を完全に壊してしまい、残念に思っていました。駅前ホテルの建設で催し会場がなくなったことなども含めて、徐々に「記念館中心」の考え方になっていたようにも感じました。


私は1998年ごろから「観光客として水木しげるロードを楽しんで」きて、“外”からの目として、この状況に違和感を覚えていきました。
「水木しげるロードあっての記念館建立」だったはずが、アーケードという存在の特別感と相俟って、観光客に「記念館が中心の水木しげるロード」という刷り込みができてしまったと思います。


実は、「水木しげるロード」が誕生した時、「本町アーケード」は含まれていませんでした。
また、「水木しげる記念館」も、もともとは松が枝町の別の場所に建設される予定でした。


2003年3月、現在の地に「水木しげる記念館」ができたことで本町アーケードも「水木しげるロード」に含まれるようになり、徐々に店舗も増えていったのです。
その「歴史・変遷」は、とても重要です。
「水木しげるロード」が誕生して20数年がたち、「原点」を知っている人は皆、町づくりの中心から離れています。そのため、これらの史実が語られることもありませんが、特にアーケード内に記念館ができたことは「人の流れが変わった」「ロード全体の一体感が薄れた」「アーケード内は“特別”という雰囲気が生まれた」――など、「歴史・変遷」として重要な意味を持つのです。
本町の加盟自体の是非ではありません。その地だけ「道路の形態が違ったこと」が及ぼす影響があった、と思うのです。荒天時に雨を凌げることで滞在時間が上がったり、「公共交通機関で境港駅側から歩く人」には「起点」→「終点」の感覚が明確にもなるなど、プラス面の効果も大きかったとは思うので、「原点」が守られたうえでのことだったら、と感じるだけです。


もし、当初の計画通りの場所に記念館が建てられていたら「本町アーケードは水木しげるロードに入らなかったのではないか」、そして、今回のアーケード撤去もですが、リニューアル計画すらもなかった可能性もあると思います。
それだけ、大きな存在であり、町を変えてしまった存在でした。「貢献」という意味でも、「変化」という意味でもです。


今回、アーケードが撤去されることで、「特別感」は払拭され、「道路」としての差別化を感じることがなくなるでしょう。また、ブロンズ像の再配置で「境港駅の周辺に鬼太郎など水木作品の主要キャラクターを設置すること」で、駅前のにぎやかさが増すと思われます。「人の流れ」は変わるかもしれません。
現在は「車で来られる人の動線ができていない」ですが、これも駐車場の整備が進められて、リニューアルにおいて目指しているとされる「境港駅をスタート、記念館をゴールという位置づけ」ができれば、ロード全体の平等な一本化につななると思います(市の方向性は「団体」に向けてですが、個人的には「個人客」の流れを、そうさせるべきだと思いますが)。


アーケード撤去は、自分の見方としては「理想形への大きな前進」です。
空が広がるとともに、未来への道筋が広がった気がします――。