「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

「途中下車」と「有効期間」を知ろう

このたび宿の資料用として、新たに1冊の本を購入しました。


「女性のための鉄道旅行入門」蜂谷あす美:著(天夢人:発行)

当宿は「公共交通機関を使った旅のプランニング」に尽力しています。
切符の購入は女性客の苦手分野のようで、特に年齢が下がるほど「途中下車/有効期間/各種割引/フリー切符/ほかの交通手段との組み合わせ」の知識を持ち合わせていないと感じます。
女性客の特徴として「大きな目的地は明確で、ゆったり時間を取っているが、細かいところは調べていない」という傾向が強めです。実際に相談を受け、宿でプランを組み立てたり、学生や20代前半だと一緒に窓口へ行って購入を手伝うこともあります。
旅好きな人からは「今後の旅の参考にもなりました」と言っていただき、宿泊後にメールやSNSで相談されることもあります。


特に「切符の有効期限」と「途中下車のルール」は知らない人が非常に多く、きちんと理解していれば、数百円規模での節約は可能。こうした交通費の工面や割引券などを活用し、浮いた費用を土産や体験参加に回し、より楽しんでいただければと思います(ついでに、夕食を安価で提供するのも、日中の健全な観光に費用を注いでいただきたいため)。
観光案内所や切符などの販売窓口などは概ね「聞かれたことに答えるだけ」が多いですが、それぞれの「旅」を伺って「最適な提示を積極的に行うこと」が「本質的な観光案内としての役割」だと思いますので、宿の「特徴」としていきます。


今回購入した蜂谷さんの著書は、専門的になり過ぎず分かりやすく説明されているので、宿でプランニングする際に「テキスト」として見ていただく形で活用していきます。


列車やバスなどの公共交通機関は、利用にあたって「特性」を知るとともに、割引やフリー切符を無駄なく効率よく活用すれば、必ず、より楽しく充実した旅に繋がります。
「途中下車」「有効期間」については、以前にも実例を挙げて2本のブログで紹介していますので、山陰観光される人は参考にしていただければと思います。


女性客でも40代以上になると「主婦感覚が備わる」のか、フリー切符の活用率は高くなります。途中下車や有効期間の知識はないですが「工夫」は感じます。20代は「青春18きっぷ」の利用率は高いですが「ほかのフリー切符との併用」「元が取れない日は使わない」などの「計算」はできていない感じがしますので、より有効に使っていただければと思います。


ちなみに、グループになると、概ね「メンバーの誰かがすべて計画を練り、切符などを手配している」傾向が強く、滅多に相談を受けることはありません。男性客は公共交通機関の利用者がそもそも少ないうえ「細かく決めている人か、完全無計画」です。


なお、ここまで主に「値段」を基準に記しましたが、費用面だけではなく「所要時間」や「景色」も考慮して最善の楽しみ方ができるよう案内するのが本質。切符の購入でポイントになるのは「無駄」を減らすことだと思っています。


例えば「境港→松江→出雲」であれば、「鬼太郎列車に乗りたい」が強ければJRで米子経由になりますし、時間短縮したいなら松江までバス利用、さらに早朝や夜遅く移動したいなら米子空港までJRで行き空港連絡バスを使うなど、選択肢は複数あります。松江から出雲までもJRと一畑電車がありますし、車窓を楽しむなら「進行方向のどちらに座るか」も変わってきます。車窓からの見どころや、列車や駅の楽しみ方もポイントの一つです。
そういった点で、交通手段の選択肢も多ければ観光としての見どころも多い「境港―松江―出雲」は、旅人さんとの綿密なコミュニケーションが大事になります(「鳥取―境港」はJRしかなく+「白兎神社へ行く際にバスをどう使うか」くらいで選択肢は限られますが、長距離切符にして「有効期限」「途中下車」が生かせる場合はあります)


いずれにしても、帰宅後「予定通り楽しめました」や「新たな相談」のメールなどをいただくと、うれしくなります。


あと、著書には「列車のトイレ事情」について記されていますので、ついでにひとネタ。
ご宿泊いただいた旅人さんから、山陰は「小さな駅にトイレがないのが困る」(使える状態にない)と、よく言われます。


その筆頭が「恋山形駅」(智頭急行)。
この駅は、日本に4つある「恋」の字がつく駅として始まった「恋プロジェクト」により、2013年に駅舎全体をピンクに塗装。「恋がかなう駅」として「恋ポスト」やハート形の絵馬などがあり、観光客が集まるスポットとなっています。

(写真は智頭急行株式会社ホームページより)


そんなおしゃれな駅ですが「1日の乗降客数は約5人!」。
非常に山深い場所にあり、駅周辺には何もありません。少し下った場所に小集落がありますが、人家は少なく、普段は静寂に包まれています。
そのため、待合所もトイレも存在しません。列車の本数も少なく、どちらへ向かうにしても1~2時間くらいの待ち時間が生じるため、よく調べずに行くと大変です。写真を撮ったり絵馬を描いたとしても、20分もあれば十分。特に冬は寒風が吹き晒すので、とてものんびり過ごせません(現実的には車で訪ねる人が多いようです)。


列車で行かれる際、智頭駅から折り返す場合も佐用・上郡方面へ行かれる場合も、午前中は約2時間待ちとなるため、お勧めできません。
行かれるなら15~18時ごろ。列車の本数が増え、概ね1時間待ちで済みます。また、土日は13~14時台の列車(上り・下り各1本)が、20~25分ほどの停車時間を設けます。


ほか山陰本線や境線、一畑電車も、小規模な駅だとトイレがありません。
主要駅以外で降りられる人は多くないですが、境線だと「馬場崎町/上道/余子/高松町」など境港近郊の駅や「富士見町/博労町」などの米子市内の駅、一畑電車だと、粟津稲生神社や出雲ドームへのアクセスとなる「高浜」をはじめ設置されていない駅が多いですので、注意が必要です。
「列車のトイレを使いたくないから駅で」と思うと、思わぬ“落とし穴”がありますので、ご注意ください。


また、一畑電車は列車内にもトイレがありません。
松江しんじ湖温泉―出雲大社前は約1時間ですが「緊急時に途中下車」しても、駅にもない場合がありますので、要注意です。しかも概ね1時間待ちになり、その時間を潰せるのも雲州平田駅くらい。
「事前準備を怠らず、万全の状態で」乗車されることをお勧めいたします(実際に「恋山形駅」と「一畑電車」では「尊厳を失いかけた」話を聞かされました)。