「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

「境港駅前」に思うこと②――リニューアル完成から50日――

何度か記してきましたが「こんなに楽しい! 妖怪の町」(五十嵐佳子:著/実業之日本社:2005年刊)の冒頭にあるように「境港には、鬼太郎列車で行きたい」と思う人が増えてほしい――。
私は、切にそう願っています(この著書は、水木しげるロードの「本来の魅力」が余すことなく記されていますので、町に興味がある人は、ぜひ読んでください!)。





列車が境港駅に着くと、車窓から少しだけ水木しげるロードが見えることで気分が高まり、駅舎の“遊び心”に、ワクワク感が増長します。駅前から醸し出される「水木ワールド」が、まさに「玄関口」として魅力的で、記念館方面へと「歩」を進める“想い”が生まれます。あくまでも個人的な意見ですが、水木しげるロードの中で、境港駅前が最も好きな場所です。


10年くらい前までは「鬼太郎列車の4輌編成」も何度も行われていましたし、“妖怪たち”によるお出迎え&お見送りもありました(最近また復活させていますが、常時ではありません)。
今は夏休み中でさえ、日中は1輌の日もありました。「多少の繁忙期でも2輌で賄えてしまう」のは、非常に残念です。


私が初めて境港を訪ねたのは1998年ごろですが、米子駅から「鬼太郎列車」に乗り、のどかな田園風景が広がる境線の車窓を眺めているうちに、徐々に気分が高まるものでした。
2005年には米子駅の0番ホームが改修され「ねずみ男駅」としてオブジェが置かれたことで「玄関口」の様相が濃くなり、さらに境線の各駅に「妖怪の愛称」が付けられ看板が設置されたことで、境線に乗っている45〜50分くらいの時間が、より楽しくなりました(一時期は「ねずみ男売店」もありました)。


米子駅からのJR境線は、水木しげるロードへの序章。


それを感じて、楽しんでほしい、というのが、切なる願いです。


鬼太郎列車やJR境線の魅力をもっともっとアピールするとともに、乗車特典などがあっても良いと思います(例えば「鬼太郎列車の乗車証明書で記念館が割引になる」など)。
車で来られたとしても、「米子駅からは、片親と子どもたちだけでも列車で」「数駅だけでも乗って戻る」とかを願っています(うちの宿泊者は数組、このような楽しみ方をされましたが、それだけの滞在時間を設けていない人が多いと思うので、事前案内しなければ難しい感はあります)。
併せて、一般の観光客用の駐車場を駅周辺に整備することも急務だと感じています。これにより観光案内所への立ち寄りも増えるでしょうから、ロードの地図を入手して歩くことで全体像が把握でき「一本の道」として認識されるとも思います。


ご宿泊いただく一人旅の女性客からは「鬼太郎はそんなに知ってるわけじゃないけど、列車も駅も徹底してるから親近感がわいてくる」と、よく言われます。
それはまさに「JR境線・鬼太郎列車」に乗ることで「水木ワールド」に引き込まれるのと、「境港駅」が「玄関口」としての役割を果たしているからだと思っています。だからこそ、ブロンズ像や“小ネタ”(街灯や看板など)の写真を丁寧に撮ってくださる人が多いです。
自分も決して、アニメファンや水木先生を特別に尊敬しているというわけではありませんでした。前例のない「まちづくり」に惚れ込んだ「水木しげるロードの大ファン」なのです。だからこそ「起点」である境港駅の周辺が最も好きなのです。


はっきり言って、ご家族もそうですが「列車で来る人」のほうが「水木しげるロードでの滞在時間が長い」のは明確です。
うちにご宿泊いただく人は、車で来られるご家族であっても、僅かでも鬼太郎列車を乗りに行ったり、ブロンズ像の写真を一つひとつ撮影したり、妖怪の知識がある親子が多めではありますが、それは「事前案内」の結果でもあると思っています。


また、もともと水木しげるロードは《1》〜《3》のエリアでした。
「本町アーケード内」は、水木しげる記念館ができた2003年以降に、水木しげるロードに加わったエリアです。私は「それ以前」から「JR境線」で「境港駅前から」散策するのが常で、当時の背景に惹かれて楽しんできたのもあり。記念館の活況は別としても、やはり思い入れは境港駅に近い場所ほど濃いので、どうしても駅周辺が閑散としているのは一抹の「寂しさ」を覚えます。


そして今、「リニューアル」として来られる人よりも「アニメが始まって子どもが興味を示したため」という人が多いように感じます。宿泊されれば夜間ライトアップなども楽しまれるので結果的には同じなのですが、「今」を単体で楽しんでいる感があり、「町」の歴史や発展の経緯には踏み込めていないのは残念です。
悪い言い方になりますが「ブーム」として来られるだけでは「町」への“想い”が生まれないかもしれませんし、全体像を楽しんでいただけなくなります。


私は「リニューアル自体」は大賛成でしたし、歩きやすさ、見やすさなどは格段に「良くなった」と思っています。歴史や原点は「心」に残っていますし、ご宿泊いただいた人や縁あってめぐり会った旅人さんには、私自身の言葉で伝えていくことができます(25年かけて「今」があると伝わるような仕掛けがほしいとは思いますが)。
ただ、車で来られる人を全否定するわけではありませんが、「鬼太郎列車も楽しむ」であってほしいのと、あくまでも「境港駅前から水木しげる記念館まで」の全体像を楽しんでほしいです。その結果として、境港駅周辺に、もっともっと人が集まるようであってほしいというのが、正直な気持ちです(あとは“想い”の部分ですが、今は触れないでおきます)。
(③につづく)