「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

見えてきた全貌

ゴールデンウィークが過ぎ、一気に閑散期になりました。リニューアルの正式公開が7月14日(土)と発表されたせいか、連休以降は明らかに昨年よりも観光客が減っています。日によっては「韓国人しか歩いていない」という状態。リニューアルによる反動はあるでしょうが、厳しい状況が続きます。


昨年春から行われてきた「水木しげるロード」のリニューアル工事は、かなり全貌が見えてきました。
先に歩道工事が進んでいた境港駅前からの県道部分と、大正町、東本町エリアは、車道部分の舗装工事が始まっています。

松が枝町エリアは歩道の工事がまもなく終わる状態で、旧・本町アーケードのエリアは、昨日、北側の歩道部分にブロンズ像が設置されました。

境港駅前の「世界妖怪会議」の会場のブロンズ像は、昨日7体が運び出され、残りは16体。
旧・本町アーケード南側に設置される分と、そのまま残されるものだけになり、かなり寂しくなりました。今は、新しい「鬼太郎の像」が設置されるのを待つ状態です。

先日、紹介したように夜間ライトアップの試験点灯も始まっており、ハード面は整ってきました。
1年以上かけての大工事、ようやく、完成が近づいています。


ただ、本当に大切なのは、これからです。
「道路がきれいになっただけ」では、観光客を呼び込むことはできません。リニューアル完成をアピールすることにより、団体客の誘致を中心としたブームによる集客は見込まれるでしょう。しかし、それは一過性のものにすぎません。


「水木しげるロード」に関心をもって来てくださった人に「思ったより楽しかった」「また来たい」と思っていただける工夫、想い出として「心」の残る取り組みをしていかなければ、せっかくのリニューアルが生かされることはありません。


今回のリニューアルで、「水木しげるロード」が「テーマパーク化」する感があり、20数年かけて築き上げた「まちづくり」の「原点」が、消えてしまうのではないかと懸念しています。
今一度、「故・水木先生の“想い”がこもったブロンズ像を見て楽しんでいただくこと」を見直したうえで、今の時代に即した楽しみ方を付加していくのが理想だと思っています。


完成まで1か月半。正念場です。
課題は山積みですが、まず「自分ができる取り組み」に徹し「観光客の目線」で従事していくことに努めます。

“妖怪さん”――会える確率が高い時間帯と場所

「水木しげるロード」では基本的に毎日、“妖怪さん”が歩きます。
現在は「鬼太郎」「ねずみ男」「死神」「ねこ娘」「砂かけ婆」の5体が、交代で出没。
記念撮影会やパレードなど特別な日は、最大11体(ほか「子泣き爺」「サラリーマン山田」「メフィスト」「悪魔くん」「河童の三平」「河童」)です。

明確な決まりはないですが、平日は概ね2〜3体、休日は3~5体ほど。
毎朝9時半〜10時ごろに「本日、出没する妖怪たち」が公表されますが、この“妖怪さん”に「会える確率が高い時間帯と場所」があります!


時間帯は――、
10時過ぎ〜11時ごろと、16時半〜17時過ぎが狙い目!


おそらくですが“妖怪さん”の“出勤時間”が10時ではないかと(笑)。
夕方は、記念館が17時閉館なのと、多くの店舗が17時〜17時半に閉まるので、帰っていく観光客を見送る感じです。この時間帯は大抵、全員が揃います。一方で日中は「出たり入ったり」なので、昼間に1~2時間しか滞在しない人だと「全く会えなかった」というケースもあります。


出没する場所は――、
「鬼太郎」「ねずみ男」「死神」は、基本的にロード本選を歩きます。
「ねこ娘」「砂かけ婆」は「水木しげる記念館」の前庭がテリトリー。


実は、待機場所が異なり、「鬼太郎」「ねずみ男」「死神」はロード上にある「妖怪お休み処 砂かけ屋」ですが、「ねこ娘」「砂かけ婆」は「水木しげる記念館」なのです。


天気が良いと「死神」は境港駅前まで歩き回り、「鬼太郎」「ねずみ男」も日によっては駅前まで来てくれますが、雨の日などは歩道に屋根がある「松が枝町〜本町エリア」のみで、ベンチに座って待機することも多いです。この3体は当然「砂かけ屋」の近くほど会える確率が高いですが、基本的に「ロードを歩く」ので、「会いやすい」ほうではあります。

一方、「ねこ娘」「砂かけ婆」は「水木しげる記念館」の前庭のベンチに座っているか、エントランスにいることが多いです。「砂かけ婆」は鬼太郎の碑に隠れて脅かすこともあり、時折、歩き回りますが、基本的には「前庭で待機」なので、ちょっと会える確率は下がるかもしれません。

なお「ねこ娘」は平日の出没は少なめ(理由は分かっているのですが内緒!(^^)!)。5体揃う日は月に2~3回程度です。一方でごく稀に「1体だけしか出ない日」や、メーンの「鬼太郎」「ねずみ男」が両方ともいない日も。
何が歩くかは当日にならなければ公表されないので、こればかりは「運」次第ですが、当然ながら「滞在時間が長いほど、会える確率は上がる」ので、ぜひゆっくり滞在して楽しんでいただけることを願います!


ちなみに昨夏ごろまでは「死神」ではなく「メフィスト」が出没しており、その前は「サラリーマン山田」でした。「山田」は名刺を配っていて面白かったのですが・・・。

あと、もう少し踏み込んだ分析を。
「砂かけ屋」の扉に掛け金があるのですが、これが「開いている場合」は「中に誰か居る」ということ。「閉まっている場合」は「すべての“妖怪さん”が出没中」だと判断できます。
記念館で待機の2体については、前庭に居なかったら先に記念館を見学し、30分〜1時間くらいで外に出れば、居る場合がありますので、時間を有効に使って楽しみましょう!


最後に昔話。
数年前まで「境港に列車が着く時間に、妖怪たちが出迎えていた」ことがありました(「砂かけ屋」ができるまでは駅前が拠点だったため)。何度も出迎えてもらった記憶があり、これは復活させてほしいです。また、「人力車にねこ娘が座っていた」「河童の泉に隠れていた」など、もう少し面白い“演出”がありました。サプライズ感と“遊び心”を復活させて、もっと「楽しさ」を感じる形になればと願います。

なお、リニューアル完成後は、出没する時間帯や場所が変わるかもしれませんので、ご自身の目でお確かめください(@^^)/~~~

「ユースホステル」や「民宿」に近い感覚

うちの宿の利用者は「一人旅の女性」と「子ども連れのご家族」が占める割合が高いですが、次のような人が結構、ご利用されます。


「ユースホステルや民宿は利用してきたが、ゲストハウスは初めて(または数回程度)」。
「海外のゲストハウスは利用するが、日本では初めて(同)」。
また、長旅で「うちだけがゲストハウスで、ほかはホテルに泊まる」という人も、かなり多いです。


昨年夏以降、うちの宿をご利用になられる女性客の平均年齢が、やや高くなってきました。
出雲大社に近い地域性と、アニメなどの放送時期からのファン層として1985〜90年生まれ(20代後半〜30代前半)が主ではありますが、徐々に40~50代の旅人さんに好まれるようになってきた感があります。
この世代は「水木しげるロード」よりも「隠岐」「美保関」などへの拠点とされる人が多いですが、女性客の特徴として「せっかく境港に泊まるんだから、夜や早朝だけでも水木しげるロードも楽しもう」とされるので、うちのコミュニティには、よく合います(世代が近いので自分と話題が合うのもありますが)。


40~50代の旅慣れた人は「ユースや民宿の世代」。
うちの雰囲気に「その要素を感じる」と、よく言っていただけるのは、うれしいです。


実際、自分も「ユースや民宿」を愛好してきており、自分にとって理想の宿の原点も「飛騨の民宿」です。


19歳の時に初めて泊まったこの宿は、囲炉裏を囲んで団欒できるスペースがあり、宿のオーナーも非常にユーモアあふれる人で、その「アットホームな雰囲気」に惚れ込んで、その後も5~6回ほど訪ねました。
その宿の“空気感”を取り入れたい、と思って運営しているので、かなり「民宿」っぽくなっています(メッセージカードは、その宿が壁に、旅人さんが書かれた色紙を貼っているのを参考にしています)。
コミュニティスペースが「畳部屋」なことや、子どもの受け入れを積極的に行っているのも、「民宿」のカラーを重視したいから、です。


先日、ご利用いただいた40代の女性から、次のような言葉をいただきました。


「日本のゲストハウスは、個人経営でもヘルパーや住人がいたり、常連がいて、その『仲間意識』が強いと感じる。その延長線上に『交流』があるように思える」。


また、ゲストハウスのご利用が初めてだった別の40代女性からは「テレビ番組などで、『出会いを求めてゲストハウスに泊まってみませんか』みたいな放送が多いので、『旅』としての目的地の要素よりも『交流』の要素を強く感じていた」と言われました。


つまり「ユースホステル=旅宿、日本のゲストハウス=交流宿」と捉えているようです。


実際、その傾向はあると思います。
好みの問題ですし「合う、合わない」は個々の“想い”の違いでもあるので、正否はありません。
「うち以外はホテルや旅館」という傾向の人も「こういった雰囲気を好まないだけ」ですし、「出会いを求める」という志向や、「目的のない、当てのない旅」が駄目ではないと思います。


ただ、うちは「観光地」としての「境港・水木しげるロード」に拘りがあります。
うちに泊まられる旅人さんで「ユースや民宿」を愛好する人は特に「境港を楽しみたい」という必然性が高いと感じます。
私自身が「目的地」を最初に定め、拠点を決めて旅に出るタイプなので、やはりこの志向を感じると、うれしくなります。


うちの実態は、宿泊形態としてはドミトリーがあるので「ゲストハウス」となりますが、雰囲気としては「『民宿』と『ユースホステル』と『民泊』の中間」といったところでしょうか。
かなり独特の要素はありますが、それが「個性」で、「境港・水木しげるロードだからこそのもの」と捉えていただけると幸いです。

手軽さや口コミに阿らない

先日からお伝えしていますが、ある「大手宿泊予約サイト」との契約を解除しました。


うちは「―旅を愛し、旅を知り、旅を学び、旅を語り合う空間―」をキャッチフレーズに、「境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「コミュニティ重視型」の「旅宿」として運営しています。
特に、ゲストハウス未経験者・初心者の「女性の一人旅」と、水木しげるロードの再主要客層である「子ども連れのご家族」に安心して寛いでいただくため、「境港に泊まる必然性」に重点を置いています。


しかし、このサイトでは「宿のコンセプト」が伝えきれず、利用者も「簡単に予約できること」で活用される人が多いようで、公式ホームページまで見てどんな宿かを確認したり比較・検証する人が少なく、特に「宿に何を求めるか」という点で、相性が合わないケースが起きました。


うちが重視している「予約から宿泊までの事前やり取り」は、「公式ホームページから予約の人は、ほぼ100%成立する」のに対し、このサイトでは「成立は30%ほど」(ほかの宿泊予約サイトは70~80%くらい)で、最低限「交通手段」と「到着予定時刻」を事前に連絡するよう要望しているのですが、酷い場合は何度連絡しても返答がなかったのに、到着してから駐車場を要望されたこともありました。
ほかの宿泊予約サイトだと、「詳細案内を送る→『合わない』と感じるのかキャンセルになる」というケースは多々あるのですが、このサイトの場合は「メッセージを読まない人」が多いのです。
また、子ども料金やプランの設定ができないこともあって「個室」は外国人カップルなど、うちの方向性に合わない客層しか問い合わせがなく、販売できない状態でした。
そして、本質的なことよりも口コミの「点数」だけ強調してランク付けするような施策にも疑問を感じました。これはすべての宿泊予約サイトに言えるのですが、「評価点」を強調するのは、いかがなものか、と思っています。


うちは、宿泊者が「口コミを書く」ケースは、かなり少ないです。
その理由としては、次のような取り組みを行っているためだと思っています。


うちは現在、ご宿泊いただいた人に対して2〜3日中に「お礼のメール」と宿内で撮った写真などを送っています。そのメールに対して、半分くらいの人から返信があります。ご利用後も「個人×個人」としてのやり取りが成されるので、意見や要望があれば「直接的に」入ってくることもあります。
宿泊予約サイトを通すのではなく、直接的なやり取りを行うため、良くも悪くも利用者側が「口コミを書く必要がなくなる」のです。


中には口コミを要望して書いていただいているような施設もあると感じますが、そうした作為的なことは行っていませんし、どちらかと言えば設備面以外の、点数として表れにくいことが特徴でもあるので、評価しずらい宿、というのもあるかもしれません。


ここからは完全な私見になりますが、「利用者の声」は選ぶ時の尺度にはなるでしょうが、「ゲストハウス」においては、私は設備的なものなどよりも「『どんな人と一緒になるか』が大きな要因になる」と捉えています。
共有マナーが守れない人や周りへの気遣いができない人、目的が違う人――などがいると、印象は悪くなります。「“人”が“雰囲気”をつくる」だけに、旅館やホテルとは口コミの「ポイント」が異なると思っています。


同じ宿に3回泊まったとしたら、「楽しい」もあれば「合わない」も多少はあるものですが、うちは特に「子どもの受け入れを積極的に行う宿」として「相性」には拘り、なるべく条件を揃えるよう制約を設けて受け入れています(この方策は賛否両論ありますが、特に個室2室は「子ども連れのご家族×2組」なら“お互い様”という雰囲気になりますが、「子ども連れのご家族+男性グループ」とかだと、まず相容れません。「子ども」の存在は運営を難しくしているのですが、うちは積極的に受け入れるのが「特性」です)。


なので、サイトの口コミよりも、公式ホームページで宿のコンセプトを読み、写真やメッセージなどを見てほしいですし、実際もっと見極めて利用するほうが、少なくとも「泊まってみたら思っていたのと違って合わなかった」というケースは防げると思います(うちは一般的じゃない要素もあるので)。


「評価の高い口コミが並ぶこと」は、「集客」においては直結的な効果があるでしょう。
ただ、「合う、合わない」は絶対にあるものですし、いわゆる“サクラ”を見極めなければ、本質的な好印象にはつながりません(同一日に複数の高評価の口コミがある、特定の口コミには返信がない、開業直後に高評価の口コミが多い――などは信頼性が低い、と思っています)。


それでも参考にするというのであれば「悪い評価、厳しい意見に対して、どのような返答を寄せ、対策を講じているか」を測るべきではないでしょうか。


こういったことを踏まえ、「顔の見える事前応対」に拘るために、大手宿泊予約サイトを捨てました。
荊の道を、歩みます・・・。

再び夜間ライトアップの試験点灯

昨日(5月7日)から再び、影絵の試験点灯が行われております。
リニューアルの完成式典と正式公開は7月14日ですが、運が良ければ、ご宿泊いただけば見ることができる日があるそうです!

また、境港駅前の「目玉おやじ街灯」に灯がともりました。
県道沿いに新設された街灯は、育ち始めた「シダレエンジュ」を妖しく照らしています!(^^)!


(ブロンズ像の写真は、宿のInstagramでも掲載します。「妖怪さん」「鳥取境港“縁”」で検索してください!)


リニューアル工事は、松が枝町の一部とアーケードが撤去された本町リア、境港駅前の一部を残すのみとなりました。ほぼ、完成形が見えてきました。
この後、今は像が減って寂しくなっている「世界妖怪会議」の場所には、新しい「鬼太郎」がお目見えする予定。街灯やブロンズ像の再配置、「世界妖怪会議」の再整備によって、「境港駅前」から「水木しげる記念館」への“導線”ができれば、と願っています。


しかし、リニューアルにおける最大の課題とも言うべき「ソフト面の整備」は、まだ手付かずです。せっかく町が美しく変貌するのですから、一過性にならない工夫を凝らし、心から「楽しんでいただける」ように、真心込めて旅人さんと接していかなければなりません。


リニューアル完成後は、雑誌やテレビなどによる情報で、多少のブームはできるでしょう。
しかし「水木しげるロードの観光振興」という「コミュニティ重視」の「旅宿」としては、ブームに惑わされず、本質的な「まちづくりの『原点』の魅力」を守り伝えなければなりません。
なので、本物の「町のファン」になっていただけるような案内をして、コミュニティ空間をづくっていかなければ、と自戒しています。


ゴールデンウィークを終えて、今はすっかり閑散期。
厳しい現実を突きつけられる日々ですが、「自分が目指すものは何か」を忘れず、地道に取り組んでいきます!