「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

顔の見える事前応対

今、直接的なやり取りを介さない「顔の見えない版売」が当たり前になっている。
「宿泊」においても「予約サイトを通じて」という人のほうが多いらしい。
便利さ自体は否定しないし、否定できるものでもないが、それが「読めない、書けない」を進化させている気がする。「簡単にできる」と「必要事項を読んで理解する」は別次元のもので、「理解」したうえで使いこなしてほしいと願うのだが、現実はそうではないと感じる。


正直言って、「何も読まずに予約して、満足できるのだろうか」と思ってしまう。
自分は、ビジネスホテルなどでも立地や設備、値段など細かく確認してから予約するし、ゲストハウスなら、なおさら特にほかの宿泊者との相性もあるので、大まかな傾向を掴んでおきたい。訪ねてから「思ったのと違う」と感じてがっかりするのは嫌だから、じっくり調べるし、それができないほうが不安になる。
「思い込み」や「固定観念」がある感じも受けるが、飲食店などとは違い、「安く寝られたらいい」などだけでコンセプトを必要としない人も多いのだろう(ただ「読まずに苦情」は困るけれど)。


うちは「予約ルール」は明確に定めている。一般的なホテルや旅館とは設備面などで大きく異なるし、ゲストハウスとしても未就学児の受け入れなど特殊な対応をしているので、それらを事前にご理解いただかなければ、満足にはつながらないからだ。
そのため、予約を受理した際、詳細案内を送って「返信」をお願いしている。
「公式ホームページからのご予約」の人は大抵、必要事項の記載が丁寧。返信率は「ほぼ100%」で、概ね翌日までに「確認しました」と連絡がある。うち半数はプランニングなどの相談が入り、来られるまでに何度もメールを交わす。それが密な人は来る前に信頼関係が出来上がる。


一方、宿泊予約サイトからの予約者の返信率は6~7割しかなく、事前やり取りに繋がる人は少ない。特に「某大手サイト」は、返信率が3割以下。そして、返答しない人ほど宿の特徴を掴まず安易に予約しているので、宿の「判断基準」が自分の“想い”とずれてしまう。もともと「好き、嫌い」がはっきり分かれる宿だけに、「合わない」傾向も生じる。
特に繁忙期のご予約は、返信率が低く、今年のゴールデンウィークのご予約を見ても半数以下。「女性専用ドミトリーの利用者で、ゲストハウスの利用経験あり」と記載されている人はさほど問題がないが、ご家族やご夫婦だと、しっかり確認しておかないと満足度は上がらない。


また、「詳細確認を送るとキャンセル」というケースも30%ほどあり、いかに「読まずに予約」してきているかが、よく分かる(登録した当初は40%を超えていたが、予約時点での制約を厳しくしたので、多少は減った。それでも繁忙期は酷くなる)。とは言え、詳細を読んでいただいてキャンセルしていただくほうが、うちとしては納得できる。


「予約」の段階でのやり取りができているかは、実際の宿泊時のマナーや、宿のコンセプトとの合致性などと、はっきり比例する。
なので、ホームページからの予約のほうが値段が安くなるようにしているのだが、それはそれで影響を及ぼすこともあるので難しい。



そして「文章を読まない」にもかかわらず、「口コミ」だけは信頼する傾向があるのは、いかがなものかと思ってしまう。
しかも詳細を見極めるのではなく、「評価点数」にばかり目が行くようだ。よく見れば明らかに“サクラ”ではないかと感じることもあるし、評価の基準も人によって違うのだから、自分としては公式ホームページなどのほうが、よほど信頼できて、安心できるのだが・・・。


「水木しげるロード」の「原点」は、水木先生の“遊び心”。純粋に楽しめばいい、それだけの町。
逆に言えば、楽しんでいただくために「予約の段階から、顔の見える応対」をしていかなければなたない、と思っている。特殊性の高い小規模な宿だからこそ、「ほかが空いていないから」「安さだけ」での予約に、安易に対応しないことも大切だと思っている。


敷居が高いと思われたり、ややもすると高圧的だと捉えられかねないけれど、「非日常の旅」を楽しむことは「予約の段階から」始まっている。だからこそ「顔の見える事前応対」を大切にし、最低限のマナーとして考えていきたい。逆に言えば「予約ルールが守られていれば、うちは宿内でのルールは非常に緩い!」。
ゴールデンウィーク明けには、宿泊予約サイトの活用を見直す。大手サイトは廃止し、ほかの登録を予定している。

町を愛し、旅を愛し、そして宿を愛してくださる人の存在(+ご案内による“縁”の話)

17日、昨年9月にご宿泊いただいた一人旅の女性に再訪していただきました。

前回は2泊され、美保神社へ廻ったり、水産物直売センター周辺を散策されるなど、ゆっくり堪能していただきました。この時は2日とも“貸し切り状態”だったので、夜遅くまで旅話を重ねました。
今回は1泊でしたが、境港へ来られる前に出雲を堪能。予約後に出雲のプランニングの話ができましたので、日御碕や旧大社駅などへ行かれたそうです。
ご到着の夜は早速、駅前の「大漁丸」さんでお寿司を堪能し、ほかの宿泊者(男女4人組がご一緒でした)らとも話し込んだ後、またまた深夜2時過ぎまで談笑(^_-)-☆
翌18日は、朝から自転車で夢みなとタワーと水産物直売センター周辺へ。前回、海鮮料理店の「かいがん」の店主さんと仲良くなられたとのことで、また昼食に行かれました。15時半過ぎまで時間いっぱい堪能され「再会」を約束して帰途に着かれました。


前回のご利用は「初ゲストハウス」としてで、その後も結構いろいろな地へ旅されているようなのですが、ゲストハウスの利用はほか1軒のみらしく、合う宿をじっくり見極めているとも感じました。「拠点となる目的地を決め、動ける範囲でゆっくり楽しむ」という感じで、旅のスタイルが自分と似ているのもあって旅話が弾みました。


また、実はこの女性、30代前半の既婚者。ご結婚されている30代の一人旅は、うちではほかにご宿泊はないと思います(そこまで聞かない人が多いので分かりませんが、既婚者で「旅」という感じの人は50~60代ばかりで、ほかでは20代が一人だけ泊まられたくらい)。
話を聞いているとご主人や両親などのご理解も深いようで、信頼し合っている家庭環境の良さも伝わってきました。結婚しても、お互いを束縛しすぎず自由に楽しめるのは、魅力的です。


水木先生や作品のファンというよりは「旅好き」の印象が強いですが、境港・水木しげるロードという地域の「ファン」になってくださったのとともに、うちの宿を愛し、ゆっくり寛いでくださったことに感謝です。今回、2枚目となるメッセージを頂き、壁面がにぎやかになりました(^_-)-☆

うちの宿は、初心者が気兼ねなく楽しみやすい「旅宿」として「対等性」を大切にしていますので、いわゆる「常連」をつくる考えはないですが、開業から1年半が過ぎ、少しずつ、複数回ご利用してくださる人も現れててきました。
イベントなどで定期的に来てくださる人が主ですが、今回の女性のように「旅」の目的地として境港・水木しげるロードを好んでくださる人も複数います。また、ご案内がきっかけで、再訪し宿泊してくださった人もいます。
こうした「町を愛し、旅を愛してくださる人」に、もっともっとご利用いただけるよう日々の案内などに努め、“想い”を交わすことで信頼を得て「宿を愛して」くださることに繋げ、そんなすてきな旅人さんが、年に1~2回くらい訪ねて来てくれるような「帰る場所の一つ」を目指して、精進していきます。


また、この日は昼ごろに偶然お会いした一人旅の女性をご案内。
鹿児島出身で東京在住、転職を気に旅を決意し、水木先生の人生観や作品の世界観が好きで山陰旅を選ばれたと話してくれました。

ロードの途中から水木しげる記念館の前まで、600メートルくらいを話しながら歩いただけの、わずか30分ほど一緒だっただけでしたが、「とりパス」などの割引券の提供や海鮮料理店の紹介などの何気ない案内を思いのほか感激してくださって、いい“縁”になりました。
苗字だけ伺っただけで分かれましたが、ちょっとしたご案内からご宿泊いただいた人もいますので、いつか再訪していただけることを楽しみにしています。

「がっかり観光地」と言われないために。

今日(4月15日)の讀賣新聞の配信記事に、とても気になる話がありました。

内容を抜粋しながら、境港の現状と今後への課題など、思うことを述べていきます(≪ ≫が抜粋部分)。




≪多くの観光客が押し寄せている状況に、おもてなしの気持ちや丁寧さが二の次になってしまっているのだろう。風呂場に居合わせた日本人観光客の中には、「あんな言い方しなくてもいいのに。さっさと入って、とっとと出ていけと言わんばかりだ」と漏らす人もいた。これでは、せっかくの評判も台無しだ。≫


※対峙する人が多すぎると「接客」ではなく「捌き」になってしまいがちです。従業員を雇っている店舗などは「上手に捌ける人」が「優秀」とされることもありますが、やはり“気持ち”が透けて見えないと、心には残らないもの。結局は「その仕事を好きでやっているか」だと思います。
「義務」としか思っていないような姿勢が見えてしまうのは残念です。




≪外国人観光客の急増は、欧米の旅行ガイドブックに紹介されただけでなく、実は海外への熱心な売り込み、大手旅行会社や商社などのバックアップのおかげだ。地元観光業者とはかけ離れた力によって得た“成功”や“評判”は、ややもすれば、観光地の接客やおもてなしの質に反映されないこともある。≫


※境港の行政としては、現在、行われている大リニューアルの完成を見据え、今まで以上に団体客や外国人観光客の誘致に熱心になりそうです。しかし、水木しげるロードが抱いてきた“まちづくり”は「子ども連れのご家族や女性客向け」であり、水木作品の世界観が分からない外国人が増えるのは、本質的には良くないと思っています。
また、ハード面の大リニューアルに伴って「ソフト面の向上」が課題だと思っていますが、その点で行政との“温度差”があります。道がきれいになって、仕掛けを施して、一時的に人は増えるかもしれません。しかし、併せて接客やおもてなしの質が上がらなければ、一過性で終わってしまいます。
観光振興は「細く永く」であるべきで、「ブーム」をつくってしまうと「反動」が怖く、地域に根付いた、民意を反映した形づくりをしていかなければならないと思います。




≪観光関係者は「素晴らしかった」「また来たい」などの称賛ばかりに目を向けたがるが、「実際に行ってみると、そうでもなかった」という不満にこそ真摯(しんし)に向き合う必要があるはずだ。≫


※不満や問題提議の“声”を“現場”で拾おうとするくらいの姿勢が大事。それが“まちづくり”であり、本質的な観光振興ではないでしょうか。
余談ですが、これは飲食店や施設に対する口コミなども同じで、「問題点」について書かれているものを見て、それがどう対処されているかを見極めることのほうが重要だと思います。




≪最近、自治体を悩ませているのは豪華大型客船の寄港だ。一時は、一挙に数千人規模が来訪することから、誘致・歓迎する動きもあったが、寄港地周辺では万引きやポイ捨てなどの迷惑行為も報告されている。商店街の中には、「クルーズ船客お断り」の貼り紙を掲示する店もあるという。≫


※境港は誘致に熱心ですが、やはり迷惑行為などの諸問題があり、中には「来てほしくない」と臨時休業する店舗もあるのが実情です。一方で「売れればいい」とばかりに商売熱心になる店があるのをはじめ、露店を出す人や外国語での呼び込み、聖書の販売など、露骨に「外国人を対象」とした「売り込み」も氾濫します。これらを「問題点」と捉えてくださるといいのですが、行政は「入り込み数」を上げることに熱心で「歓迎」の姿勢しか示しません。
「個人旅行」としての外国人観光客が増えるのは良いと思いますが、大規模な団体の存在は「町全体の質が下がる」ので、個人的には問題視しています。
前述のとおり、境港の主要観光客層は「子ども連れのご家族と女性客」。「外国人向けの観光地か」と言えば、はっきり言って「No」で、それを無理に「外国人歓迎」にする必要はありません。むしろ「町に最も適合した人」を増やす施策が必要で、そんな本来の主要客層が、外国人ばかりの雰囲気に嫌気が差して楽しめないようでは駄目なのですが・・・(ついでに言えば、日本人でも団体客は個人客と比べてマナーが悪いので、すべてにおいて「個人観光」に尽力すべきだと思います)。




≪観光で地域振興を考えるなら、あまり作為的な施策はかえってリスクを招きかねない。多くの自治体が「観光立県」をうたっている。しかし、観光振興という聞こえのいい地域活性化策に、どうしても東京の旅行会社や広告会社の思惑が透けて見える。観光客を受け入れる土壌が地域に育まれているのか。観光地として求められているのは何か。自治体の観光担当者は観光客の気持ちを知るために、まず自らが数多くの地域へ旅に出かけてみることだ。≫


※今回の大リニューアルがハード面だけで終わってしまうと「作為的な施策」にすぎなくなる懸念があります。そして「机上の理論」と「“現場”を知らない“偉い人”の発想」では、実際に求められているものとの相違が起こります。
観光にかかわる人は「数多くの観光地に旅に出て、良いところを吸収する」とともに、もっと大切なこととして「自分の町を“観光客の気持ち”で歩き、問題点を見出すこと」に取り組むべきだと思います。




水木しげるロードの大リニューアルは、ハード面の整備はほぼ形が見えてきました。しかし、思いのほかソフト面の整備が進んでおらず、期待値に達していません。
来てくださった観光客に、心から「楽しい」と語っていただけるように、自分ができることには尽くします。ただ、「店が閉まるのが早い」「客引きがうるさい」「見どころを外国人に占拠された」「割引などの案内をしてくれなかった」など、自分ではどうすることもできないことは多々あります。「そんな不満を忘れさせるくらい楽しんでいただけるよう努める気持ち」で接しているつもりですが、民間も行政も一体となった地域全体で問題視し、対処していかなければなりません。
そのあたりは「民意」と「行政」、「住民」と「商売人」、あるいは「住んで店を営んでいる人」と「店舗を借りて営んでいる人」、「観光客向けの店」と「地域住民向けの店」などで考え方の違いや温度差があり、難しい課題ではあります。


ただ、はっきり言えるのは、「町そのものへの愛情がある」か、が非常に大事だということ。
「利害関係」や「営利」などよりも、その“気持ち”が勝っていれば、目指す方向はある程度そろいます。方向性がバラバラだと、ちゃんと町を楽しもうとしている人や旅慣れている人には分かってしまいます。過度な呼び込みや外国人への過剰なサービスなどは、規制も必要でしょう。


個人的には、自分が境港に住んでいるのは、何と言っても「観光地としての、この町が好きだから」です。
前例のない“まちづくり”に惚れ込み、この町で日々、観光客と接していたいからです。
宿泊施設を運営することになり、一般的なものではなく「コミュニティ重視型」という、ある意味、無謀な、ややもすると批判されかねない方針を採っているのも「水木しげるロードの観光」に拘ってのことです。
「この町を心から楽しみたい人」への“想い”に応えながら「町」とかかわり、当面「観光客のために自分ができること」に徹底して、自分自身が楽しみながら取り組みつつ、問題点をしっかり見据えて提議し、少しでも「本来のこの町に合った観光客にとって魅力的な町」になるよう、努めていきます。

自分が「楽しむ」ことが、「うれしさ」を生み出す

昨日は、14時過ぎに境港駅のほうへ出掛けて「世界妖怪会議」のブロンズ像の移設を見ていたら、ちょうど「新旧が連結した鬼太郎列車」の写真を撮っている人がいて、旧型があと1か月くらいで見納めになることを伝えたのをきっかけに話が弾み、そのまま17時過ぎまでご案内する流れになりました。


東京から松江に短期間の転勤で来ていると話され、境港は初めてで予備知識なく観光に来られたようでした。なので列車のことも、“妖怪たち”の出現なども知らず、まさに「純粋に」町を楽しんでいただくことができました。
“妖怪たち”は「鬼太郎」「ねずみ男」「砂かけ婆」が出現する日で、「遭遇しやすい時間帯」を狙っていたら、最初に「ねずみ男」と、16時半を過ぎて「砂かけ婆」と“遭遇”。最後、17時前に「鬼太郎」とも会えて、ご満悦でした。一人で来られていると「一緒に撮影」ができない場合があるだけでなく、「会える確率が高い時間帯」は大抵の人が知らないので、ご案内が役立ちました!(^^)!

ご案内する際は、細かい“隠しネタ”的なものに目を向けることが多いのですが、「思ったより徹底していて楽しい」と語っていただき、町の本質的なものを感じて過ごしていただくことができて良かったです。


ちなみにこの“妖怪たち”ですが、16時半〜17時ごろは会える確率が非常に高いです。
これは明確に決まっているわけではなく、また、観光協会のホームページなどでも「出現予定」だけしか記されていないので、「会えるかどうかは運次第」なのですが、毎日のように町の様相を見ていると「出会える時間帯」がある程度は把握できます。
ほぼ確実と言えるのが16時半〜17時で、あと10時半〜11時半くらいも可能性大。日中は入れ替わる感じで「すべてと会える」とは、なかなかいきません。こういったことを伝えたうえで、工夫して楽しんでいただくことが大切だと思っています。


さらに昨夜は、夜間ライトアップの試験点灯があったので見に行くと、岡山から来られた男女4人組と遭遇。説明すると「良い時に来たね」と幸運を喜ばれ、ゆっくり堪能していただくことができました。特に一人の男性は熱心に話を聞いてくださったので、すごく好印象でした。

今は「折り紙目玉おやじ」を割引券代わりに提供して「橋渡し」しているのですが、こういった人たちが「次」に繋がってくださることが、一番の願いです。


自分は、こういった時間を心から「楽しんで」います。そして、日々「楽しい自分をつくっている」ことからこそ、波及して「うれしいこと」が起きます。その繋がりが、毎日を満たします。


うちの宿のテーマは「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」。
宿泊していただいた人だけでなく、こうして偶然お会いした人とも、「楽しい!」を一緒につくって、うれしい気持ちで帰途に着いていただくことが「旅宿」としての使命だと思っています。


お会いする人の中には、有料の観光雑誌などで綿密に下調べしてくる人などは紹介されているものだけ見よう(買おう)としたり、あるいは仲間内で過ごすことだけで説明しても無視に近い人もいて、正直なところ残念に思うこともあります。今後、リニューアルが「ブーム」になる懸念があって、そんな人が増えるかもしれません。楽しみ方の違いだけでなく、「ブーム」が起こると必ず、そもそも楽しもうと思っていない「行ったという記録だけあればいい」人も現れます。
伊勢の遷宮の時、ブームによる団体客が急増しましたが、お参りのマナーが守られていない人や、みんなで「雑誌などで紹介されている同じ物を買うだけ」の人、「伊勢」と書かれていれば何でもいいという土産の選び方をする人――などが多くなり、こういった人の存在により、心から「楽しみたい」人へのサポートに時間が取れないばかりか、傍若無人な振る舞いを見て嫌な印象を抱かれたりすることが多々あり、残念でした。
今の境港においても、中国人や韓国人からの大型客船が入る日などは、団体客によるマナーの悪い行いが多発し、そういう人と一緒になったばかりに「楽しめない」人も出てきたり、印象を悪くしてしまうケースが起きています。経済効果はあるでしょうが、確実に「質」が下がる、それは必ず先々に影響すると、私は心配しています。


だからこそ「本質的な魅力」を伝えていくことに徹し、心から「楽しみに」来られている人に満足していただけるよう努め、「うれしい」と感じていただけるように、もっともっと自分も楽しんでいきます!

境港を「拠点」に《関詣り》(美保神社など)

3月以降、境港・水木しげるロードの観光とともに「美保関」(美保神社)へ廻られる人が多くなりました。
3~4月上旬は、昨年は学生が大半だったのですが今年は学生から60歳代まで各年代が均等に入ったのと、ゆっくり散策時間を取られている人が多かったのもあり、特に30歳代以上の人は美保神社の厳かな雰囲気を好まれました。最初から目的地に入れている人だけでなく、宿でプランニングの話をしているうちに「行ってみよう」となる人もいます。


美保神社は全国各地の「えびす社」3385社の総本宮。「出雲大社」と併せて「恵比寿・大黒」両参りとなりますので、神社仏閣巡りをされている人には、山陰では欠かせない場所の一つです。

神社脇の参道は「青石畳通り」と名付けられ、雨が降るなどすると路面が青く光るなど彩り豊かな風情が漂っており、廻船問屋が軒を連ねた往時の雰囲気もそのままに、情緒あふれる景観が望めます。

境港からの公共交通機関でのアクセスは「コミュニティバス」。
境港駅から「宇井渡船場」まで11分、渡船場で美保関行きに乗り換えて14分。待ち時間なしで乗り継げる場合は、「美保神社入り口」までの片道の所要時間は25分です。料金は1乗車200円で、片道400円(往復800円)。乗り継ぎが「0分」の時間帯がある一方で、考慮されていない時間帯もあります。
境水道の景観と、対岸から境港の町が見渡せるので、行きは右側、帰りは左側に座るのがベスト。美保神社の参拝と青石畳通りあたりだけでしたら1時間あれば散策できますが、境外末社を廻る遊歩道を歩いたり美保関灯台まで行かれると2時間以上を要します。

境港を拠点にして、美保神社周辺を約1~2時間散策とする場合の主なタイムテーブルは次のとおり(2018年4月現在。美保神社で2時間以上取る場合は、ほかに利用可能な便もあり)。


境港駅前 ―→ 宇井渡船場 ―→ 美保神社入り口 ―→ 宇井渡船場 ―→ 境港駅前
07:21 → 07:32/07:49 → 08:03/09:16 → 09:30/09:50 → 10:01《※1》
08:42 → 08:53/08:59 → 09:13/09:53 → 10:07/10:26 → 10:37《※2》
08:42 → 08:53/08:59 → 09:13/11:11 → 11:25/11:26 → 11:37
10:43 → 10:54/10:54 → 11:08/12:11 → 12:25/12:26 → 12:37
11:43 → 11:54/11:54 → 12:08/13:11 → 13:25/13:40 → 13:51《※3》
12:43 → 12:54/12:54 → 13:08/14:11 → 14:25/14:40 → 14:51《※3》
12:43 → 12:54/12:54 → 13:08/15:11 → 15:25/15:40 → 15:51《※3》
14:29 → 14:40/14:54 → 15:08/16:11 → 16:25/16:46 → 16:57《※3》
14:29 → 14:40/14:54 → 15:08/17:11 → 17:25/17:46 → 17:57
15:29 → 15:40/15:54 → 16:08/17:11 → 17:25/17:46 → 17:57《※1》
16:29 → 16:40/16:54 → 17:08/18:11 → 18:25/18:35 → 18:46
《※1》(土日祝日は往路便《赤字》が運休)
《※2》(日祝日は帰路便《赤字》が運休)
《※3》(土日祝日は帰路便《赤字》が運休)
上記以外は、宇井渡船場で30分〜50分の待ち時間が生じるか、乗り継ぎ自体が設定されていません。


境港を9時台に出るバスが渡船場で乗り継げないのと、土日祝日は便が少ないのが難点です。
ただし、平成30年4月28日~5月6日と、7月1月~12月2日の土日祝日および12月3日、平成31年1月1日~1月3日(計63日間)は、直行バスの「ゑびすライナー」が1日4往復運行されます。


米子空港 → 境港駅 → 美保神社 ―→ 美保関灯台 ―→ 美保神社 → 境港駅 → 米子空港
08:40 → 08:55 ―→ 09:20 → 09:30/10:05 → 10:15 ―→ 10:40 → 10:55
11:25 → 11:40 ―→ 12:05 → 12:15/12:50 → 13:00 ―→ 13:25
       13:30 ―→ 13:55 → 14:05/14:40 → 14:50 ―→ 15:15
       15:20 ―→ 15:45 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15:50 ―→ 16:15


料金は400円(米子空港からは600円)。コミュニティバスと組み合わせて利用されると良いでしょう。


また「縁結びパーフェクトチケット」をご利用になり、翌日も境港に連泊するか松江あたりに泊まる場合は「境港―→宇井渡船場―→美保関―→万原ターミナル―→松江(―→由志園―→境港)」というルートで楽しむこともできます(今まで、連泊してこのルートを取った人が2人、翌日を松江泊で辿った人も2人います)。このケースだとコミュニティバスの料金は全部で600円になり、万原以降は「縁結びパーフェクトチケット」の利用範囲となります。


コミュニティバスでのアクセスは、時刻表検索などでは難しく、調べきれなくて断念する人もいるようですが、境港に宿泊すれば、工夫次第で2時間あれば往復できます。ぜひこういった“現地情報”を参考にしていただき、旅を満喫していただければと願っています。