「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

3月は幸先よく、コンセプトに完璧!(^^)!

昨日ご利用いただいた、3月最初の旅人さんは「初ゲストハウスの女子大学生」2人。
兵庫からと奈良から、それぞれ一人旅で、ともに「水木しげる先生の作品の大ファン」。ありがたいことに、二人とも「ほぼ水木しげるロードだけを楽しむために」来てくださったのです!(^^)!

兵庫からの女性は、夜行バスで到着してから終日、ロードを堪能し、夕方は自転車で夢みなとタワーへ。今日も午前中に少し散策したのち、大山の麓にある「植田正治写真美術館」へ向かいました(ちなみに植田先生も境港のご出身です)。ご実家の鹿児島にいらっしゃる妹さんやお母さんもファンのようで、一緒に来たいと話していました。


奈良からの女性も昼過ぎに到着。こちらも夕方まで散策し、翌日は境港在住の友人と合流して、またまた散策に出掛けました。古いアニメにも詳しかったし、調布の深大寺・鬼太郎茶屋へも訪ねていました。出身は徳島の県南部で、将来は地元の観光振興にも努めたいそうです。

昨夜はお二人で海鮮を堪能したのち、「妖怪ショップゲゲゲ」で手づくり体験。緊張しながらも”オリジナル作品”をつくり上げました。最近また、てづくり体験を希望される旅人さんが多くなり、楽しんでいただけています!
さらに“パチンコで稼いだ”店主とともにお好み焼き店へ。このあたりで緊張感も解けてきて「初ゲストハウス」の不安も和らいだ感じになり、会話も弾みました。

お二人とも、うちのコンセプトどおり「ゆっくり、健全に、水木しげるロードを楽しむ旅」でした!
しかも「初ゲストハウス」。完璧です!!


似たようなスタイルで水木しげるロードを楽しんでくださった2人が、うまい具合に一緒になり、私自身も楽しい時間を過ごせました。いい“縁”を紡ぐことができたと思います。
お二人とも大学在学中に再訪したいと話してくれましたが、きっと実現させてくれるでしょう。再会が楽しみです!(^^)!


明日は、9月の「怪フォーラム」の際にご利用いただいた男性2人が、「生誕祭」のためにリピートしてくれます。翌4日は「初一人旅」の男子大学生が入り、さらにその後も「初ゲストハウス」の旅人さんからの予約があります。こういった、うちの宿のコンセプトに共感して丁寧なご予約を入れて来てくださる人には、ただただ「ありがとう」の一言です!
これからも、この傾向のまま集客できれば、うれしいのですが・・・。どうなるでしょうか!?


一方で、「ホームページの内容を読まずに、とりあえず電話してくる人」と「当日予約」や「宿泊予約サイトからの予約」は課題です。
「とりあえず電話」は相変わらず。むしろ増えてきました。本日は「8月12日の問い合わせ」。年配のご夫婦のようで「宿泊料金が安い」からと電話してきたらしく「ゲストハウスがどんな宿か」は理解していませんでした。もっとも現時点ではゴールデンウィークすら受け付けたばかりなので、8月など受けようもないです・・・。
ほかにも何件かありましたが「ホームページを読んでいただき、文書でやり取り」をお願いすると、それっきりになるか、説明すると不成立になる人ばかり。やはり「満足度重視」でいきたいので、「厳しい」と思われても、きっちりしたいです。「文書でのやり取り」なら、私は全く苦にならないのですが・・・。
当日予約は、うちは「それぞれの旅のスタイルに合わせて事前に情報提供やプラン協力をし、満足度を高める」ことに重点を置いているので、電話ではそれができないのと、「どんな人が来るのか」も掴めないため、受理しづらいです。
実際、予約メールをいただいた人には、交通手段の効率面や割引利用、さらには気象状況に合わせた案内などを行っていますが、非常に喜ばれていると思います。それがうちの宿の“ウリの一つ”でもあるので、当日の電話予約は、あまりうれしくはありません。
電話予約を全廃止できればいいのですが、さすがにそうもいかず。悩みどころです。
そして、先日も記しましたが、「宿泊予約サイトからの予約」は「週末に車で来るグループ」が多く、宿の方向性とはちょっと違った層になります。今のところ、公式ホームページからご予約の旅人さんと被った日はないのですが、今後どうなるか、ちょっと懸念しています(ゴールデンウィークとか心配です)。


総じて、これらの中には「ゲストハウス自体を理解していない人」もいます。「宿泊料金しか目に入っていない人」とか(しかも一番安い料金しか見ていない)。明らかに「下心丸見えの質問」もありますし、とにかくちゃんとホームページの内容を読んでいただきたいものです・・・。


まあ、3月は幸先良し。
良い方向に考えて、楽しんでいきましょう(@^^)/~~~

3月8日は水木しげる記念館が無料開放!

3月8日は、水木しげる先生の生誕日で、記念館が無料開放されます。
うちの宿も300円割引いたしますので、ぜひこの機会に境港・水木しげるロードへ遊びに来てください(@^^)/~~~


お知らせ - 境港・米子・松江などへの旅の拠点に! ゲストハウス“縁”in鳥取境港

水木しげる 魂の漫画展(4月2日まで)

19日から鳥取県立博物館で行われている「水木しげる 魂の漫画展」に行ってきました。

原画やパネルが多く、目新しいものが展示されていたわけではありませんでしたが、さすがに県主催の企画展だけあって「金がかかっていて」、広いスペースにゆったりと展示されており、贅沢な空間に仕上がっていました。ほぼ全面的に撮影禁止なのは厳しすぎると感じましたが、まぁファンであれば概ね満足できる内容で、あらためて水木先生の功績を見返すことができ、よかったと思います。
昨日と一昨日は休日ということもあって400~500人ほどの入場者があったそうで、本日は100人弱くらいになりそう、とのことでした。「水木しげる記念館」の入館者の倍以上なのは間違いないですね。


水木先生の生涯が、再び多くの人の目に触れることで、境港も活気づけば、と思うのですが・・・、鳥取市と境港市は100㌔ちょっと離れていて、同じ県内でもなかなか行き来できません。せめて米子か松江で開催されていれば、観光振興としての繋がりも持てるのでしょうが、現実にはよほどのファンでなければ、この展示会と境港の両方を訪ねることにはならないと感じます。
4月2日まで開催されていますので、この機会に境港と併せてご観覧いただければと思います。

ちなみに「妖怪舎」と「やのまん」(妖怪楽園)の商品が、ちゃっかり売店に並んでいました。商売熱心なこと・・・(^^;)

長文を「読み解ける人」へ――。

12月中旬以降、「いい旅してるなぁ!」と感じた旅人さんばかり続いている。
相変わらず目標人数には届いていないけれど、「質」の面ではいい傾向だ。
3月は幸いにも少しずつ予約が入りつつある。また「初ゲストハウスの女性」が来てくださるし、「鬼太郎好きな子どもを連れて」という親子による予約が2組入るなど、楽しみが多い。9月の「怪フォーラム」に参加された男性2人も「生誕祭」で再び利用してくださる。こういった層に浸透して集客が伸びればうれしい。


オープン当初に比べて予約ルールが厳しくなった。というか、前面に出した。これに抵抗を覚える人もいるために男女比が逆転したと思う。だが「しっかり文章を読み、宿のコンセプトに賛同して予約される人」は増えている。
また、男性より女性のほうが、社会人より学生のほうが、長文を読むことに抵抗がないのだろう。
予約の際、「境港に宿泊する理由と旅の目的」「境港までの交通手段」「割引特典の有無と該当項目」をご記入いただいているが、丁寧に書かれている人ほど、いい旅をしている傾向なのは確か。20歳代、特に学生ほど詳しく書いてくださっている。
だからこそ、旅に真摯な若年層にはサービスを強化したくなる――。


年々、本を読む人が少なくなっていると言われている。「読書離れ」が進み、書店は受難の時代だ。
私は月5~10冊は本を読む。今みたいな暇な時期は20冊を超える。
事件モノのノンフィクションやドキュメンタリーは、今はなき新風舎文庫の「復刊版」をかなりそろえているし、旅行エッセイや観光、町づくりに関するもの、昭和史や漫画、70~80年代音楽などのサブカルチャーの本もいろいろ所持していて、旅人さんに驚かれることもある。一般小説も広範囲のジャンルで読んでいて、文庫本やノベルスを中心に大量所持している。


もともとは推理小説が主で、中高生のころから“はまった”小峰元はすべて持っているし、今でも愛読書。人気作家の東野圭吾や誉田哲也も初期の作品から読んでいる(むしろ売れる前の作品のほうが好み)。
古くは森村誠一や佐野洋、仁木悦子をよく読んだし、今は石持浅海、水生大海、五十嵐貴久、乾くるみ、乾ルカ、荻原浩、三浦しおん――などが好み。ほか、大崎梢、秋吉里香子、青柳碧人、垣谷美雨、秦建日子、山本幸久、柚木裕子あたりも読むし、ブラックな作風のものに限るが宮木あや子も面白い。スポーツ推理モノでは蓮見恭子、スポーツ小説なら堂場瞬一、須藤靖貴など。新鋭では相沢沙呼、青崎有吾、山田彩人、長沢樹、降田天――あたりも注目している。


私は新聞社に永く勤めていたのもあるが、図書館や書店で丸一日過ごせる人なので、読むことも書くことも抵抗がない。
だから、つい長々と書いてしまう。こういうブログならともかく、公式ホームページで現在の文字量は、抵抗を覚えられても仕方ないかもしれない。
ただ、やはり読書量が多い人には面白みがある。知識が豊富だし、理解力や読解力があるから、会話もスムーズに交わせる。そして、ちゃんと理解して来てくださるからこそ、満足していただけるのだと思う。
うちの宿は決しておしゃれでもないし、美しくもない。リノベーションに凝っているわけでもない。冬は寒いし、シャワーが使いにくいなど不便な点も多々ある。不備は「旅に関する豊富な資料類」と「来ていただいてからのサービス強化」でカバーしているつもりだが、事前にアピールするのは難しい。


そんな宿だけれど、だからこそ「長文を読んで、納得して来てくださる人」には感謝している。そんな人たちに「心から楽しんでいただくため」に、全力を尽くしていこう――。

景観保全と町の魅力

間もなく水木しげるロードの大リニューアルが本格化する。
既に境港駅前の駐輪場が撤去された。妖怪のブロンズ像をテーマごとに再配置するため、一時的に移す場所となる。移設はゴールデンウィーク以降で、まずは植栽の整備から始まる予定だ。


1年半かけて、ハード面は美しく整備される。
町が美しくなることに異論はない。だが、課題は「つくりもの」になってしまわないか、だ。
市や県は水木しげるロードを一つの「テーマパーク」のように捉えているようで、某大学の偉い教授が考案した当初の計画案は、訪れる旅人が「何を楽しみにしているのか」を無視しているばかりでなく、住民の生活も全く見えていない、非現実的な空間をつくるだけのものだった。当然、反論が多発し、妥協点を探りつつ緩和されるも、反対意見が多かった一方通行は、市は頑として曲げなかった。


このリニューアル計画に大切なのは、ソフト面の同時改革。
「観光案内所の在り方」「サービス面の見直し」「醜い呼び込みの廃止」「イベントの復活・増加・告知」――などは大きな課題となっている。これらが改善されなければ「本物の旅人」は戻ってこない。
市や県は、集客の方向性を「数」が取れる団体客や外国人にばかり目が向けているが、「個人客」、それも若年層や子どもに楽しんでいただけることを恒久的に行っていかなければならない――。
派手すぎる醜い看板や、歩道に商品や幟旗などをたくさん出している店、観光客を追い掛けてまでの酷い呼び込み、これらを規制し、心あるおもてなし強化していくことが重要課題。道路だけが美しくなっても、人は増えないのだから・・・。

もう6~7年たってくるが、NHKの朝ドラでブームが巻き起こったころ、水木しげるロードには「金儲け」のために「外」から来た店が増えた。
「資本力を持つ店」が横行すると、もともとあった「地域の人が、旅人への愛情をもって営業していた店」が圧迫されてしまう。今まさに、その危機に瀕している。


ちなみに出雲大社や伊勢神宮の周辺も、3年半ほど前のご遷宮の前後に、外部からの店が一気に増えた。
出雲の神門通りは、派手な看板を掲げる店が並ぶようになり、呼び込みも増えた。
何でも「縁結び」に引っ掛けて通用するのは、ブームに乗っかっている間だけ。ブームが去り始めた今では、違和感が先に立つ。
出雲は観光案内所の応対や知識が優れているのが救いだが、そろそろ危機感が芽生えてくるだろう。


伊勢はある意味で、もっと酷い。外宮周辺・伊勢市駅周辺は地元の店が主流だが、内宮のおはらい町は、遷宮前後から空き店舗や軒先を借りた露天商が多発している。
また、おはらい町は「景観地区」に定められていて建物の外観には厳しい規制があるのだが、これが意外と曲者。規制されているのは「建物自体」や「建物についている看板類」のみで、町中をよく見ると、幟旗や立て看板が、せっかくの景観をぶち壊しにしている(あの「赤福」でさえ、幟旗がいっぱいだ)。
これでは景観保全も、単なるパフォーマンスでしかない。

3年半ほど前にファミリーマートがおはらい町にできた時、私は反対意見を述べた。観光地のどこにでもある店が「商売っ気」を強く出しているだけでも問題なのに、大手コンビニは町にそぐわない、と。
木の看板を掲げて景観を守ったが、案の定、店の前には「普通の幟旗」が掲げられた。
そのファミリーマートは結局、昨年秋に閉店。看板の写真を撮っていく人は多かっただろうが、日没を過ぎたら人通りが全くなくなる状態では、24時間営業の意味をなさなかった。オープンには「地域住民からの要望」もあったと聞くが、おはらい町通りの「中」ではなく、バスが通る幹線道路側につくるべきだったと思う。

そういう意味では、出雲も伊勢も、境港も同じ問題を抱えている。
それでも出雲や伊勢は、歴史と伝統のおかげで「放っておいても、ある程度の人が来る」。
境港は、そうはいかない。その違いに気づき、ソフト面を水木しげるロードの創世期に戻さなければ、せっかくの大リニューアルもすぐに飽きられてしまうだろう。
今が、正念場だ――。