「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

昼食にカニ

先日(13日)、朝から水産物直売センターへカニを買いに行かれたご宿泊の旅人さんが「昼ご飯に宿内でカニを食べたい」と言われたので、日中から「カニ三昧」となりました。
ちょうど、ちょっとした縁で名古屋から一人旅で来られた女性も立ち寄ってくださり、ご宿泊のお二人が「一緒に昼ご飯いかがですか」と薦められたので、思いがけず盛り上がりました。


一般的な宿だと「チェックアウト終了時刻からチェックイン開始時刻まで」は、荷物の預かりなど飲みの対応で宿内には立ち入りできないことも多いですが、うちは特に制約を設けていません。
さすがに「日中にカニを食べた人」は初めてですが「宿内に戻って昼食」は時々あります。「チェックアウトが16時!」という人もいますし(観光のために荷物を預かったとかではなく、昼まで寝ていたあと、ゆっくりと食事を取って寛いでいました)、チェックアウト時刻(~9:30)より遅くまで寝ていた人も結構います(「昼まで寝ていたい」と申告されて、実際に正午まで寝ていたのも2人)。
また、夜行バスなどで早朝に到着された人などを朝から迎え入れたり、日中に到着して荷物を預けに来られる人にも、コミュニティスペースへ上がっていただいて観光案内や情報提供を行っています。


「予約ルール」が守られていれば、その時点で信頼関係は成り立っていますので、このあたり、自由度をほかの宿よりも、かなり高くしました。
すべて自分だけで管理しているのですから“気持ち”として自分の裁量でできることなので、ビジネスライクには考えていません。「旅宿」としての「特性」として捉えていただければ幸いです(と言っても基本的には「連絡をいただいた時間に合わせて対応」なので、「寝坊」以外は無条件ではありません。「“縛り”を設けず、要望に応えていく」というスタンスです)


開業当初は「旅・観光ではない人」のご宿泊が今よりも多く、その中で「連泊の人が連絡なしで何度も宿に戻って来られる」ことがあり「9:30~17:00は宿内での滞在不可」というルールは明確に定めていました。「『旅・観光』の要素が薄い人」に宿内でダラダラ過ごされるのは主旨の違いを感じたので、「旅宿」の要素を高めるとともに「予約ルール」を強化。これによって、実は「当日予約」や「寝るだけの人」の割合は減っているのですが「旅・観光を楽しむ目的地意識が高い人」が増えました。
そこで「旅の目的」を明確に把握して個々のプランに沿った対応を重視することで、信頼関係が事前に築けるようになったので、「時間」のルールを緩める対応が可能になりました。


水木しげるロードのリニューアル後は、夜間ライトアップがありますし、「妖怪ショップゲゲゲ」の手づくり体験も「22時以降に行かれて翌朝に仕上げ」の人が多いので、「『旅・観光』として夜間も楽しむ割合が高くなった」こともあり、「日中は外出」や「外食」に拘らなくても良いと感じています(とは言え、大半が1泊で「半日観光」なので、せいぜい荷物の預かりや整理のために戻る程度か、「ちょっと朝寝坊の人」くらい。「まったり型」は大半が連泊です)。


なお、インスタグラムなどで「宿内で食事を取られる人の様子」を投稿していますが、うちの特徴としては「個人の食事」で、宿が主催して食事会を行っているわけではありません。なので、こういった緩~いケースは「宿泊者が1~2人(1~2組)だけ」の日が大半です。
基本的には「個々の楽しみ方を重視」しているので「人数が多いからみんなで」ではなく、むしろ宿泊者が多い日ほどバラバラな感じ。コミュニティスペースも、ずっと同じ人が集まっているのではなく「入れ代わり立ち代わり」になりがちです(繁忙期はほぼ必ずファミリーが入るため男性客を入れられないので、基本的に「ファミリー+女子旅」という構図になり「特定の人が“主”にならない」雰囲気になります)。
このあたりも「予約ルール」を強化しておけば「細かいルールを定めなくても、安心して放任できる」ので「ほかの宿泊者の迷惑にさえならなければ、何してもいい」くらいの対応ができます。
宿として「旅人同士の対等な関係性」を重視しつつ「個々が自由でいられること」。それが現状の“空気感”になったと言えると思っています。


ちなみに今回ご宿泊されたお二人は、夕食も「カニ三昧」。かなり買い込んでいて、さらに残ったカニを袋に下げて持ち帰りました。
そのため、まだコミュニティスペースから「カニのにおい」が抜けません(笑)(女性ドミのセキュリティを上げるためにコミュニティスペースから直接、廊下に出られないよう壁をつくったため、換気が悪くなりました)

賢い切符の買い方を(その2)

当宿は「公共交通機関を使って旅を楽しんでいる人」を歓迎しており、「安く、効率よく、無駄なく」少しでも満喫していただけるよう、プランニングに尽力しています。
そこで、先日公開した「賢い切符の買い方を」の続きとして、今回は「近距離」のご利用について記します。


境港に来られる旅人さんは「松江・出雲」方面か「鳥取・倉吉」方面と併せて旅を楽しまれる人が多いです。高速バス(夜行バス)などと組み合わせる人が主になるため「目的地までの切符を、その都度購入されている人」が結構います。
しかし、これも単純に購入するのではなく、ひと工夫すれば少し節約ができます。


松江・出雲方面へ向かわれる人は「松江行きの一畑バス+一畑電車」のほうが時間が大幅に短縮できるうえ、3日間乗り放題の「縁結びパーフェクトチケット」もあるので、JRの利用者は多くありません(特に出雲大社へ行かれる人は、出雲市駅―大社前のバスを含めて考えると、一畑電車の利用を勧めています)。
一方で、鳥取方面はJRでの移動が基本になり、主な途中下車駅によって、どのように切符を買うかで損得が生じてきます。例を挙げて料金の違いを示していきます。


JRの料金形態は1~3キロが初乗り料金、次いで4~6キロ、7~10キロで料金が変わり、11~50キロは「5キロごと」、51~100キロは「10キロごと」に料金が上がります。ここまでは「当日限り有効」で「途中下車はできません」。
101キロを超えると「20キロごと」に料金が上がり、有効期間が2日間になって「途中下車が可能」になります(都市部では不可。また、301キロ以上はさらに変わりますが、今回は近距離の話なので省きます。また「営業キロ」「閑散キロ」の違いなどもありますが、こちらも難易度が高くなるので省きます)。


この料金形態により、近距離だと「直通で購入する方が高くなる場合」があるのです。
特に境港―米子間が20キロ弱で「料金が切り替わるギリギリの距離」のため、「米子でいったん降りて切符を買い直すほうが安い」という現象が、多く発生するのです。
主な例を記します。


境港―倉吉(直通1,320円、米子で分割970円+320円=1,290円)直通が30円高い。
境港―由良(直通1,140円、米子で分割760円+320円=1,080円)直通が60円高い
境港―松江(直通840円、米子で分割500円+320円=820円)直通が20円高い


ほか、新千歳空港―小樽も、札幌で分割すると1,070円+640円で計1,710円ですが、直通だと1,780円。70円も高くなるのです。


一方で、例えば「51キロでも59キロでも料金は同じ」になるため「分割する駅によって値段が変わってくる」ため、逆に高くなってしまうこともあります。


境港線と山陰本線や伯備線を乗り継ぐ場合、基本的にすべて「米子で乗り換え」ですから、乗り継ぎの待ち時間が5分以上あるのなら、いったん改札を出て買い直すことは可能。「乗り換え駅」でない駅でこのような分割を行うと時間的なロスが生じますから「乗り換え駅で、うまく分割できるか」を考えればよいと思います(山陰近郊でしたら、米子、松江、出雲、倉吉――など)。
ただし「途中下車」はできないので、いずれにしても「降りるごとに切符を購入しなければなりません」。


ここまでは「100キロ以下」で乗車する場合ですが、「101キロを超える」と、少し違ってきます。


鳥取―境港は「101~120キロの範囲内」なので、乗車券は「2日間有効で1,940円」。101キロを超えるため、途中下車が可能になります。
米子で分割すると、鳥取―米子が1660円、米子―境港が320円の計1,980円で、逆に40円高くなってしまいます。ちなみに倉吉で分割すると鳥取―倉吉が670円、倉吉―境港が1,320円で、合計1,990円。さらに高くなります。


ところが「料金幅が20キロごと」になるため、例えば、約103キロほどになる「末恒―境港」で乗車する場合も「鳥取―境港の乗車と同じ1,940円」。ところが、この区間を米子で分割すると、末恒―米子は1,490円となるため、米子―境港の320円を合わせても1,810円にしかならず「分けたほうが130円も安くなる」のです。この場合だと「途中で何度も下車したい」ということでなければ、「直通の利点、魅力」が薄くなります。


「101キロ以上は途中下車ができる」ため、概ね「直通で購入して途中下車を利用したほうが得」になるのですが、上記のように「約101キロ」「約121キロ」など、「区切りの下限に近い距離」の場合、2日間に跨いで利用しないのであれば、分けたほうが安くなります。


山陰観光を楽しまれる旅人さんで、鳥取の「白兎神社」へ行かれる人が多いのですが、白兎神社までの路線バスは「鳥取駅」「湖山駅」「末恒駅」を経由します。そのため「どの駅からバスに乗るのが最も効率的か」は、それぞれの旅の条件によって非常に難しい判断を強いられます。
上記のとおり「境港―鳥取」でしたら「途中下車が可能」なので「鳥取まで」で切符を購入し「末恒駅か湖山駅で途中下車してバスを使い、またJRに乗る」こともできるのです。「境港―末恒」「境港―湖山」でも乗車券の料金は同じなので、乗車券を末恒や湖山までにしてしまうと、そこから鳥取までの乗車料金が余分にかかってしまいます(通し切符なら「0円」で済む)。
と言ってもバスもJRも本数が少ないため、時間帯によっては、末恒や湖山での途中下車が理想とも言えません。「白兎神社への旅」の相談を受けると、プランニングの難しさゆえに、遣り甲斐があります。


「乗り換え駅」「所要時間」「日程」「目的地」――などをどう絡めて判断するかは、それぞれの旅によって異なりますし、JRの料金形態の複雑さも相まって非常に難しいのですが「少しの工夫で無駄な出費は省ける」ので、臨機応変に相談に応じ、公共交通機関で来られる旅人さんに、少しでも恩恵があるよう努めています。
「得意分野」だとは思っていますので、予約時の事前相談も、遠慮なく申し出ていただければ、うれしいです!

賢い切符の買い方を

12月後半から先週まで、大人の宿泊者は30~50代が殆でしたが、今週は「初ゲストハウス」の20代前半女子一人旅が2人続きました。


月曜日は愛知県西三河からの大学生。
「47都道府県全部へ一人旅したい!」という目標を持っていて、今回は「鳥取県縦断3泊4日」。「公共交通機関を駆使して、安く効率よく楽しむ」という、自身の“想い”をしっかり持った、独自性の強い「一人旅」を楽しまれていました。


水曜と木曜は愛媛からの一人旅女子。「初一人旅」で「初ゲストハウス」で「連泊」でした。
丸2日、水木しげるロード周辺に絞って、ゆっくり観光。温泉街の旅館で働いていたそうで宿泊業界に詳しく、かなり調べ込んでくださっていたので、非常にうれしく思いました。おっとり系でおとなしいけれど、芯はしっかりしている感じ。初ゲストハウスとは思えないほど寛いでいただきました。


そのようなお二人でしたが、ともに「切符の購入」や「プランニング」という点では、旅の経験・知識の不足を露呈していました。


愛知の大学生は「100キロ以上乗車すれば、経路上で途中下車できる」というJR乗車券のルールを認識しておらず、「下車ごとに切符を購入」しており、境港までの往路も少し割高になっていました。
帰途のプランニングの話になったところ、「境港→米子→由良→(余裕があれば倉吉か松崎で下車)→鳥取→姫路(下車するかも)→愛知県某所」というルートで、途中、鳥取市に1泊して帰られるということでした。


すべて「経路上で途中下車」で「2日間での移動」のため、境港駅で「直通切符」の購入を提言。
計算したところ、「下車ごとに切符を購入する場合」よりも「直通切符」のほうが500円ほど安くなりました。さらに「乗車後に、ふらっと降りて外に出ることも可能」なので、計画に幅を持たせることもでき、計画をガチガチに決める必要もありません(今回で言えば、倉吉と松崎は「天候と時間次第」の“オプション”)。


購入時に経路の説明がいるため、ある程度は鉄道旅に慣れていないと難しいとは言えますが、「安く、効率よく」楽しむ工夫として、乗車券のルールと買い方を覚えると良いと思います。
併せて「100キロ以上の移動で途中下車が多い場合」は、特に“地方への旅”だと、ICカード利用よりも切符を購入したほうが得になります(ただし、首都圏は途中下車ができないなど、都市部は一概には言えなくなります)。


また、今回「スーパーはくと」の利用を「鳥取―姫路」にしました。費用をわずかでも抑えるのなら少し手前の「上郡まで」にする手もありますが、特に見どころも店などもない駅で下車することになり、乗り継ぎも含めて時間的なロスは増えます。それなら、少しだけ値段が上がりますが、姫路まで乗車して食事や休憩(&プチ観光)を取るほうが、その後の快速列車への乗り継ぎも含めて、効率は上がります。
このあたり「時間」「費用」「観光目的」などから何を優先するかで決められる場合もありますので、それぞれの「旅」を尊重して応用を利かせた「プランニング」に努め、少しでも「旅そのもの」を楽しんでいただけるよう協力できればと思います。


愛媛からの一人旅の女性は、岡山駅での乗り換えが間に合わず、ご到着が予定よりも1時間遅れました。「乗り換え時間が4分しかなかった」うえに、岡山までの列車が1~2分程度遅れ、他社線でしたので乗り継ぎ対応もなかったようです(JR四国と西日本)。
岡山駅のように発着点が多い駅だと、ある程度は旅慣れ・鉄道慣れしていないと、定刻通りでも4分程度での乗り換えは焦ります。JR各社が乗り継ぎを意識してダイヤ編成しているわけではないですし、時間的な余裕は必要。特に他社線への乗り継ぎの場合などは、列車の遅れなどが生じた際に対応しないこともあるので、要注意です。


こういった「乗り継ぎの失敗」は、「時刻表検索」「乗り換え案内」のアプリで調べるために起こっています。あくまでも「列車の運行時刻」であり「標準的な乗り換え」で、「慣れていないと難しい乗り継ぎ」であっても「時間的に可能であれば表示される」ためです。
例えば「待ち時間が3分」の場合、最初の列車が「2分遅れ」だと、一気に乗り換えが厳しくなります。これが同じ会社線同士だと待機することもあるのですが、他社線の場合は、車掌などに伝えないと対応していただけないこともあります。


「乗り換え時間が何分あるか」は、愛知の大学生も詳しくは見ていませんでした。「アプリで表示されれば乗り継げる」と思ってしまうのは致し方ないかもしれませんが、よく見ておかないと「落とし穴」に嵌ってしまいます。
このあたりは「紙」の「時刻表」を「読む」ことができれば、回避できるものです。表の見方を覚えてしまえば難しいものではないので、愛知の大学生にはポケットサイズの山陰本線の時刻表を渡し、米子~由良~鳥取で利用する列車はご自身で判断するよう伝えました。


繰り返しますが、それぞれの「旅」を尊重して「プランニング」に努め、少しでも「旅そのもの」を楽しんでいただけるよう協力するのは「旅宿」としての務めだと思っています。
泊まっていただいている間だけでなく、「予約の時点から帰途まで」に協力し、満足度が高まるよう尽力することを、うちの宿の特徴として生かしていければと思いますので、予約の際、事前相談などを遠慮なく寄せていただければ幸いです。

「怪フォーラム2019in京都」+漫画と遠野の話

26日、「京都国際漫画ミュージアム」で開催された「怪フォーラム2019in京都」を訪ねてきました。


この「怪フォーラム」は、「世界妖怪協会」(永久会長:水木しげる)が「妖怪文化の普及に貢献した地域」として「怪遺産」に認定している遠野市・境港市・徳島県三好市が、地域活性化の推進や観光誘客を図ることを目的として、近年は3県持ち回りで行われていました。2015年9月に遠野、2016年9月に境港、17年11月に徳島で開催されていたので「18年は遠野」と思っていたのですが、開催されず今回に至ったようです(理由は不明)。


会場では、境港で何度かお会いしている人たちの姿があったほか、2016年の境港開催でお会いした岩手の方々とも再開でき、さらに岩手・遠野を中心に新たな“縁”をいただくこともできました。
京都漫画ミュージアムの館長である荒俣宏さんらとも、いろいろ話ができましたし、今年4月に広島県三次市に誕生する「日本妖怪博物館」(三次もののけミュージアム)の関係者らともお会いでき、充実した時間を過ごせました。
宿泊に繋がる感じとは言えないかもしれませんが「旅」として、「地域」としての繋がりを大切にしていければ、と思います。



「京都国際漫画ミュージアム」も好きな場所で、開館直後に訪ねて以来(通信の第1号を所持しています)、好みの企画展に合わせて何度か訪ねています。
とにかく「一日かけて、ゆっくり過ごせる場所」。気候の良い時期だと「一日中、芝生で漫画を読む」という「贅沢な時間」が過ごせます。学校を改装した建物の造りも良く、「飽きない施設」の一つです。


自分は漫画に特別詳しいわけではなく、学生時代にはあまり読んでいなかったのですが、作家や漫画家の“生き様”や経歴など「人物像」には関心が深く「『旅』として漫画家の記念館・博物館などに、かなり足を運んでいる」ので、特に、自分より少し上の世代が好んだ作品には詳しいです。


有名どころでは故・石ノ森章太郎さんと永井豪さんが好きで、「石ノ森作品」だと、幼少期に「星の子チョビン」や「がんばれロボコン」、あと「レッドビッキーズ」のシリーズ。「永井作品」では「デビルマン」と「どろろんえん魔くん」などは、TVをきっかけに漫画も読みました。ちなみに故・水木先生については、作品よりも「人間味」に惹かれます。
ジャンル的には、野球を中心としたスポーツ系と学園物が好みではありますが、「絵の雰囲気」と「ストーリー性」で、メルヘンタイプの作品もよく読みました。あとは「マイナー志向」なので「人気作品は読み飛ばす」タイプです。
妹が多いので少女漫画も結構読んだ一方で、テレビアニメもですが「ロボット・メカニック系」「格闘系」などは、あまり好みませんでした(今も“工業系”のものは苦手ですし、格闘技は嫌いです)。


最も好きな作品は、えだまつかつゆき(枝松克幸)氏の「4SPIRITS」。4人の不良高校生の生き様を中心にした人間模様を描いた作品で、泉谷しげるさんらの歌が随所に差し込まれ、主役以外もキャラクターが魅力的な“名作”です。


えだまつ氏は1980年代前半ごろに活動しており、野球漫画が多く「フォーエバー神児くん」「じゃりガキ9」が、やや知名度が高いと思いますが、古本屋でもあまり見かけない、マイナーな作家。「京都国際漫画ミュージアム」にも、「4SPIRITS」は全8巻のうち5巻までしかありませんでした
ほか、五十嵐浩一さん、小山田いくさん、原秀則さん、聖日出夫さん、星里もちるさん、水島新司さん、少女漫画系では川原由美子さん、鈴宮和由さん――などは、よく読んでいました。


さて、漫画についてはここまでにして、次は「遠野」の話。
個人的に「遠野」はすごく好きな町で、初めて訪ねたのは1994年か95年の夏。まだ20代半ばで「3泊4日で東北一人旅」でした。
「アメリカ横断ウルトラクイズ」の予選や「中古レコード店巡り」など、一人で出掛けることは多く、近隣への1~2泊の旅にも出ていましたが、初の「4泊」で、本格的な「旅デビュー」が、この東北旅。仙台に2泊、盛岡に2泊し、三陸エリアを中心に、花巻や遠野はもちろん、青森や秋田、田沢湖まで足を延ばしました。


その後、遠野・花巻を中心に岩手へは10回ほど旅しており、よく遠野駅で自転車を借りて、あちこち駆け回りました(後述する「飛行船」の名曲「遠野物語」の歌詞を、そのとおり楽しんだ感じです)。
遠野駅に併設されたホテル「フォルクローロ」は何度もお世話になりましたが、2015年に廃止されたのは残念です。


釜石出身の歌手・あんべ光俊さんが、ソロデビュー前に「飛行船」というフォークグループを組んでいて、1976年に「遠野物語」という歌をヒットさせており、遅ればせながら高校時代にその歌の存在を知りました。自分の中で「昭和の名曲ベスト5」に入る大好きな歌で、この歌が「東北好き、遠野好き」になったきっかけと言っても過言ではありません。
余談ですが、確か1999年だったと思いますが「飛行船・再結成ライブ」が盛岡で行われ、縁あって参加。この時にあんべ光俊さんをはじめ元・飛行船のメンバーと親交が生まれ、今も多少、付き合いが続いています。


「好きな都道府県」という視点で、岩手県はトップ5に入ります。
今年3月には、東日本大震災で壊滅し不通になっていた旧・山田線の「釜石―宮古」間が復旧し、三陸鉄道に移管され、「盛(大船渡)―久慈」が一本化されるので、4月か6月をめどに休業期間を設け、旅に出るつもりでいます。

行程を「追加する」旅

先日、中部地方から一人旅の女性が来られました。

「境港に1泊のみ」の予定で、昼過ぎに到着され、荷物を置いて観光に出掛けました。平日で休業の店も多かったですが、半日かけて満喫できたようです。時間に余裕があるので、夜も「妖怪ショップゲゲゲ」での手づくり体験を楽しまれました(ちなみに「初ゲストハウス」でした)。


「水木しげるロードの観光以外は特に決めていない」ということでしたが、ご到着が早かったのもあり、初日だけである程度満足されました(コアなファン以外の水木しげるロードでの観光滞在時間は概ね4時間くらい)。
そこで「翌日のプラン」の話になった際、関心を示したのは建造物や神社仏閣などでしたので、「コミュニティバスで美保神社2時間コース」を提案。翌朝から出掛けられました。
さらに「なかなか来られる場所でもないし、出雲でもう1泊して、出雲大社に行く」と言われたので、大社周辺の案内に加え、松江城や日御碕などを提案しました。


女性の一人旅は年代にかかわらず「主要な目的地以外は、現地で決める人」が結構いるのが特徴的です。「公共交通機関」を使っている人が主ですので、ゆったり予定を組んでいて、「プラスアルファの情報」を望まれます。
特に「『明日は出雲大社』『明日は鳥取砂丘』『でも、ほかは決めていない』」という人が多め。好みに合わせて、島根エリアだと松江城や八重垣神社、玉造温泉、日御碕、島根ワイナリー、旧大社駅――など、鳥取エリアだと大山周辺、由良(青山剛昌ふるさと館)、倉吉、東郷温泉、白兎神社――などを提示する感じです。
2人以上のグループになると「行程は事前にきっちり決めている傾向」があり、男性客は「公共交通機関の利用者は“鉄道マニア系”が主で、自分で調べた情報を基に行動する傾向」が強く、こういった「プランニング系の話題」にはなりません。飲食店などの地域情報は聞かれますが「旅」としての情報は必要とされない感じです。


あと、女性客は「公共交通機関を使っている割には、時刻表の活用やタイムテーブルの組み合わせ方などが、あまり得意ではない」と感じます。「応用力」は「旅慣れているか」次第でもあるのですが、情報が「簡単に調べられるようになった」一方で「見つかった情報だけを信じ込んでしまうこと」があるように思います。


うちの宿は「公共交通機関を効率よく使った旅のプランニング」には絶対の自信を持っており、フリー切符の活用はもちろん「JRとバスなどを組み合わせる方法」「米子空港連絡バスを使った“裏技”」「コミュニティバスの活用」――などを具体的に提案しています(「境港―松江」間のバスでさえ、意外と知られていません)。
それでいて、ガチガチに決めた提示はせず、複数の案を示して「最善プラン」をご自身で決めていただいたり、連泊して戻られる場合などは「出発時刻と、最終の時刻以外は幅を持たせて案内」しています。
今は「乗換案内」「時刻表検索」が便利ではありますが「組み合わせ技が利かない」という難点があり、そのあたりを伝授することで、目的地を追加できたり、時間や費用を抑えることができます。
自分自身が「公共交通機関を“データ的”に活用する」タイプなので、この分野に関しては、知識だけでなく「実体験に基づいた感覚も加えた情報提示」はできていると思っています。


宿には「鳥取砂丘周辺、倉吉周辺、米子・大山エリア、松江、出雲、石見銀山」あたりの観光資料を一通りそろえていますし、自分が20年かけて集めてきた観光冊子類も膨大です(引っ越しの際、段ボール10箱以上使いましたが、納めきれず、かなりの量を捨てました)。
一人旅の女性客は、これらを「活用」してくださることが多く、近隣だけでなく倉敷や広島・宮島、山口県エリア(長門・仙崎、萩、秋吉台、下関、角島など)の資料や案内も好評をいただいています。
「旅の情報提供と拡大」には力を入れていますので、もっともっと生かせればと思います。


ちなみに、来られてから「延泊」してくださった人が、現時点で10組います。女性の一人旅が8人、男性の一人旅が1人、ご家族が1組。「1泊→2泊」が6組、「2泊→3泊」が2人、「3泊→4泊」と「6泊→7泊」が各1人です。


女性の一人旅8人は、20代前半~50代まで、年代はバラバラ。仕事を辞めたのを機に旅している人や、リゾートバイトで繋いでいるようなタイプが多いですが、「子どもの手が離れたから」という「40~50代の既婚者」もいます。学生は「水木しげるロードだけ2泊で満喫」みたいな人は結構いるのですが、「旅人タイプ」は意外とハードスケジュール型です。
うち2人は「3日間有効の『縁結びパーフェクトチケット』を活用し、2泊→3泊に変更」。ともに「貧乏旅タイプ」でした。移動時間のロスは多少ありますが、米子からの夜行バスや米子空港便を利用される人だと、移動して松江や出雲と分けて泊まるよりも、費用が抑えられます。
ほかは、3人が「宿内での資料を参考にして、ゆっくり周辺観光」で、「3泊→4泊」の人は隠岐へ行ってから戻った際も泊まってくださったので「計6泊」でした。残り2人は「卒論調査を延長した中国人留学生」と「急病で予定変更せざるを得なかった人」です。
ご家族は「子どもが帰りたくないと言ったから」で、男性の一人はバイク旅で「雨」が理由でした。


このほか「予約を受けた後、詳細案内を送って旅の相談を受けるうちに1泊追加された」のが、60代女性1人、ご家族1組、2人組女性の計3組います(ご家族のみ「2泊→3泊」に変更)。皆「境港を拠点に、ゆっくり周辺観光」でした。


また、この計13組、1人を除いて「公式ホームページか電話での予約」。ホームページでさまざまなプランを提示しているのを、じっくり見てくださっている人だとも言えます。ちなみに連泊者も公式ホームページから予約される人のほうが圧倒的に多いです。


自分自身は、2泊や3泊の場合は大抵「同じ宿に連泊」します。最初に「拠点を決める」ので、基本的に「出発日と帰宅日は決めてあり、メーンの目的地に応じて宿は事前に抑える」ため、現地で延泊はめったにしません。
「片道2時間以内で行ける距離」でしたら、大抵の場合「拠点から往復したほうが、総合的な費用が抑えられる」ものです。特に「フリー切符などの利用」が有効になります。
また、余分なものは宿に置いて出られますし、コインロッカー代のような「無機質なもの」にお金を使うのが嫌。常に資料類を集めるので、荷物が重くなるため「なるべく身軽に動きたい」です。


定職に就きながらだと、なかなか「宿泊を追加」とはいかないものですが、「情報」に重点を置くことで「もっと楽しもう」と思っていただけることは「旅宿冥利」に尽きます。
このようなケースから、親交がある大山や出雲の宿を紹介することも多々ありますし(実際、境港は決して「拠点にしやすい場所」ではないので、うちに延泊するよりは、近隣エリアでの宿泊を追加される人が多いです)、「旅」としての繋がりを生かしていくうえでも、尽力していきます。