「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

夏休みも終盤に

夏休みも終わりが近づいてきました。
今年は、とにかく台風に泣かされました。7月下旬と8月上旬の台風発生時は「台風の進路と予約者の居住地が被ったためにキャンセルが相次ぐ」状態(九州に影響をもたらした8号と9号が、地味に打撃でした)。
お盆期間中も、台風10号が「超大型」と大騒ぎになったため、旅行自体を取りやめるケースが多発。13日~16日までキャンセルが続き、15日はゼロになりました。


結局、8月は昨年と比べて、入り込み数としては25人ほど、延べ人数は5人ほど少なくなりそう。ご家族の連泊が多かったので救われましたが、一人旅、ご家族ともに減少です。
台風がなければ、少なくともあと4~5組、15人前後は見込めたかと思いますが、特に小さい子ども連れは無理して来られてもいけませんし、自然の脅威は致し方ありません。


良かった点は、リピーターさんが「7組17人」入り、うち6組が「連泊」だったこと。2年ぶりや1年ぶりのご家族、1月や3月に来られた人、さらには「GWに次いで」のご家族も。前回は1泊だった人が連泊してくださったのは、非常にうれしいです。
連泊が少ないのは大きな課題なので「2回目はゆっくり」となる人が増えれば、と願います。


7~8月の2か月として見ると、7月が昨年より19人多かったので、合計の延べ人数は微増。
現時点で(8月末までの予約も含めて)、一人旅は3人減、グループは2組増、ご家族は2組減と、ほぼ変わりありませんが、連泊が昨年より18人も多いため、延べ人数は増えた格好です。


昨年とは大きな違いは、次の点。


◎未就学児が減り、小学校高学年や中学生が増加
◎父子旅、母子旅が増加


昨年は、未就学児32人、小中学生32人と、全く同数。
今年は、未就学児13人、小中学生49人(8月末までの予約も含む)。


昨年は「子どもが鬼太郎のアニメに興味を持って」が多く、小学生も低学年が主流でした。
今年は「帰省+旅」の割合が高かったのと「台風によるキャンセルは、未就学児連れのご家族が大半だった」ため、大きく変わりました。「片親+子ども」は小学校高学年以上が多いのもあります。中学生の人数は、既に昨年を超えました。


通算での「片親+旅」は3割強くらいですが、今年はやや多めで、4割近くあります。うち「母子旅」が7割ほど。
8月の平日は母子旅が多くなる傾向があり、昨年も4割強ありましたが、今夏は6割を超えました。お盆前後に「帰省+旅」の「父子旅」が増え、20日以降はすべて「母子旅」です(昨年も20日以降は殆どが片親でした)。


7~8月を合わせた男児率は約59%。
7月が約77%と極端に男児が多くなりましたが、8月は女児が1人多いだけで、ほぼ同じ。前半10日までは女児のみの家族が複数入り、お盆以降は男児が多めになりました。
ちなみに昨年7~8月も、男児率は同じく58%くらい(昨年は8月に男児が多め)。ほかの月の男児率は昨年も今年も48%ほどで、2年続けて「夏休みは男児がやや多くなる傾向」が出ています。


リピーターが多かった割に「貯金」ができなかったのは痛手ですが、逆に言えばリピーターのおかげで微減で済んだわけですので、再訪には心から感謝いたします。


夏休みの課題は、やはり駐車場。
「ご家族の多くが半日観光で、時間外の駐車を希望される」のですが、日中は2台分しか用意できないので「翌日観光の人と、当日観光の人が被るケース」が必ず起こります。今回も13日と14日は被りました。GWと昨夏も一度は被ってしまい、市営駐車場へ案内せざるを得なくなりました(市営駐車場だと出し入れが自由にできなくなります)。
基本的に「翌日観光の人が優先」。当日観光の人が来られる時間は正確に判断できないですし、プランニングの観点からも「朝から車止めさせてください」に応えるのは難しくなります。


ご両親揃っての家族旅と父子旅は、95%以上が「車」。一方で母子旅は、公共交通機関の割合が60%ほど。また、女性グループは70%くらい、女性の一人旅は95%以上が公共交通機関で来られます。
繁忙期ほど母子旅や女性グループに入ってほしいのですが、母子旅は平日・閑散期が主ですし、女性の一人旅やグループも、僅かではありますが「繁忙期のほうが車で来られる割合が高くなる」のは悩みどころです。


このあたりは販売方法が難しく、ご家族に対して「車を制限する」のは、宿泊予約サイトでは、ほぼできません。公式ホームページで「公共交通機関で来られる人優先」で販売しても、実は「公共交通機関利用の人のほうが、直前予約が多い」のです(母子旅より一般の家族旅のほうが、予約が早い)。


また、繁忙期、特に夏休みになると「2家族、3家族での団体利用」「大人のみの大人数グループによる貸し切り希望」が、必ずあります。今年はこの問い合わせが多めでした。
人数が多くなるほど「自己完結」しているのと、末端まで宿の特徴や方向性が伝わっていないケースがあるので、基本的に貸し切りは受けておらず「一家族1部屋」で販売しています。個室2室は「子ども連れのご家族が入る日は、隣室も同条件で揃える」ので、無駄が出る場合もありますが、2室独占よりはいいと思っています。
7月末にスポーツ大会の高校生グループ(引率1名と高校生男子4人、リピーターさん)を受けましたが、こういった予約を受けると、建物の構造上、隣室に未就学児は入れにくいので、宿泊予約サイトからの販売は停止します。しかし、公式ホームページから「要問い合わせ」で受ける形では予約が入りにくく、結果的に空いてしまうことが多くなります。
「相性が合わない」は避けたいですし「子ども連れが遠慮する雰囲気」は、どうしてもつくりたくないので、平日と繁忙期の販売方法を、さらに変えていかなければと思います。


9月1日より、一部料金を改定いたします。
改定は、以下のとおり。


◎公式ホームページと宿泊予約サイトの大人料金に、300円の差を付ける
◎土曜日・繁忙期の追加料金をやめる
◎冷房費の廃止(暖房費は再検討)
◎女性グループで利用の場合、人数ごとの料金に差をつける


公式ホームページからのご予約はさまざまな《割引特典》がありますが、今回、少し特典の種類を減らし、一方で、宿泊予約サイトとは差を付けます。手数料の問題もありますが、やはり公式ホームページから予約される人のほうが、よりコンセプトに近いからです。


これまで、土曜日や繁忙期、水・木曜日以外、水・木曜日(水木の日)の「3段階」で料金を設定していましたが、これを「2段階」にします。これにより、公式ホームページからの予約は「土曜日や繁忙期が値下げ」、宿泊予約サイトからの予約は「土曜日や繁忙期以外が値上げ」となります。


冷房費は、昨年は徴収せず、今年は徴収しました。開業年は取らず、一昨年は徴収したので、1年おきに頂きました。昨年夏は猛暑だったので電気代が冬場の暖房費よりもかなり高くなってしまったのもあり、今年は追加しましたが、宿の方向性として「追加料金はなるべく取らない」としたいので、完全に廃止します。暖房費は再検討しますが、取らない方向で考えています。
個人的に「基本料金を安くし、オプションで課金していく」のは、あまり好みではありません。今の主流とはかけ離れますが「サービスを《活用》していただいて、特徴が生きる感じでありたい」ので(実際、そのタイプのほうが合う傾向)、全部「込み」にしています。スウェットやタオルも自由に使えますし、フリードリンクや調味料は豊富。また「時間」に関するルールも、駐車場以外は相当緩いです。
「節度ある自由度」を大切にするうえで料金形態を対比させたく、また、こういった点に「価値」を見出してほしいと願っています。


女性グループはもともと少ないのですが、ドミトリーに個室として入れることができるので、別途に販売しています。今までは「2人の場合も4人の場合も、一人当たりの単価は同額」でしたが、人数により200円ずつの差を付けます(すべての料金が300円単位で決めているので、本来は300円差にしたかったのですが、ドミトリー料金より個室4人の一人単価が安くなるのは避けたいので、やむなく200円差にしました)。
これにより「女性2名の繁忙期以外の利用は値上げ」になりますが「4名利用は値下げ」になります(3名はほぼ同額)。


全体的に「閑散期は値上げ、繁忙期は現状維持か値下げ」です。
ドミトリーと女性グループは値上げが多くなる一方で、ご家族でご利用の場合は、現状維持か下がるケースが多くなります。
「コンセプトに合う人ほど安くしたい」のはありますが、人数が多い日ほど一人ひとりに目をかけることもできなくなりますし、騒がしくなってご不便も多くなるので「繁忙期の追加料金」はやめます。
料金設定については、まだ試行錯誤すると思いますが、当面この形で進めてみようと思います。


9月の予約は昨年より少なめです。ただ、昨年も9月は予約の入りが遅めでした。
昨年は「鬼太郎ブーム」の余韻もあって、9~11月が目標以上に入った感がありますが、7~8月の動向を見ると、ブームは少し衰えているように感じます。平日と休日の差も、より顕著になってきましたし、明らかに客層も変わっています。
見通しは不透明ですし、新たに考えていることもありますが、とりあえず4年目に向けて舵を切っていきます。

境港妖怪検定(参加者限定で予約受け付けます)

今年も10月27日(日)「境港妖怪検定」が実施されます。


本日8月15日から募集開始です。


昨年の受験者数は306人。合格者は延べ118人で、過去最少人数でした。
特に初級の合格率が51.6%と低かったです。
ここ数年、受験者数も減っている上、合格率も下がっていて、難易度が上がっているのか、受験者が勉強していないのか・・・?


また、気になる点としては「初級・中級とも調布会場より受験者数が少ない」こと。
「境港妖怪検定」ですから、初級や中級も「境港で受験してこそ」意義があるものだと思います。


昨年も記したのですが、例えば「前日に水木しげるロードを散策したら、店舗でヒントがもらえる」など「境港ならではの特典」があればよいと思います。
また、受験とは別に「水木しげるロード内でサンプル問題を配り、挑戦してもらう」など、「新たに境港妖怪検定に関心を持ってもらい、来年以降に繋げる」などの取り組みで「ご当地検定らしさ」を加えていければと思います。


10月26日(土)・27日(日)のご宿泊については、申し込み締め切り日の9月30日まで「検定受験者優先」といたします。


昨年は初級受験者2人にご宿泊いただきましたが、ともに見事合格。
一昨年は、初級の1人は合格しましたが、何度も受けているという上級挑戦者の男性は玉砕しました。


前夜に宿泊者同士で勉強し合い、良い結果に結び付けていければと思います。

「途中下車」と「有効期間」を知ろう

このたび宿の資料用として、新たに1冊の本を購入しました。


「女性のための鉄道旅行入門」蜂谷あす美:著(天夢人:発行)

当宿は「公共交通機関を使った旅のプランニング」に尽力しています。
切符の購入は女性客の苦手分野のようで、特に年齢が下がるほど「途中下車/有効期間/各種割引/フリー切符/ほかの交通手段との組み合わせ」の知識を持ち合わせていないと感じます。
女性客の特徴として「大きな目的地は明確で、ゆったり時間を取っているが、細かいところは調べていない」という傾向が強めです。実際に相談を受け、宿でプランを組み立てたり、学生や20代前半だと一緒に窓口へ行って購入を手伝うこともあります。
旅好きな人からは「今後の旅の参考にもなりました」と言っていただき、宿泊後にメールやSNSで相談されることもあります。


特に「切符の有効期限」と「途中下車のルール」は知らない人が非常に多く、きちんと理解していれば、数百円規模での節約は可能。こうした交通費の工面や割引券などを活用し、浮いた費用を土産や体験参加に回し、より楽しんでいただければと思います(ついでに、夕食を安価で提供するのも、日中の健全な観光に費用を注いでいただきたいため)。
観光案内所や切符などの販売窓口などは概ね「聞かれたことに答えるだけ」が多いですが、それぞれの「旅」を伺って「最適な提示を積極的に行うこと」が「本質的な観光案内としての役割」だと思いますので、宿の「特徴」としていきます。


今回購入した蜂谷さんの著書は、専門的になり過ぎず分かりやすく説明されているので、宿でプランニングする際に「テキスト」として見ていただく形で活用していきます。


列車やバスなどの公共交通機関は、利用にあたって「特性」を知るとともに、割引やフリー切符を無駄なく効率よく活用すれば、必ず、より楽しく充実した旅に繋がります。
「途中下車」「有効期間」については、以前にも実例を挙げて2本のブログで紹介していますので、山陰観光される人は参考にしていただければと思います。


女性客でも40代以上になると「主婦感覚が備わる」のか、フリー切符の活用率は高くなります。途中下車や有効期間の知識はないですが「工夫」は感じます。20代は「青春18きっぷ」の利用率は高いですが「ほかのフリー切符との併用」「元が取れない日は使わない」などの「計算」はできていない感じがしますので、より有効に使っていただければと思います。


ちなみに、グループになると、概ね「メンバーの誰かがすべて計画を練り、切符などを手配している」傾向が強く、滅多に相談を受けることはありません。男性客は公共交通機関の利用者がそもそも少ないうえ「細かく決めている人か、完全無計画」です。


なお、ここまで主に「値段」を基準に記しましたが、費用面だけではなく「所要時間」や「景色」も考慮して最善の楽しみ方ができるよう案内するのが本質。切符の購入でポイントになるのは「無駄」を減らすことだと思っています。


例えば「境港→松江→出雲」であれば、「鬼太郎列車に乗りたい」が強ければJRで米子経由になりますし、時間短縮したいなら松江までバス利用、さらに早朝や夜遅く移動したいなら米子空港までJRで行き空港連絡バスを使うなど、選択肢は複数あります。松江から出雲までもJRと一畑電車がありますし、車窓を楽しむなら「進行方向のどちらに座るか」も変わってきます。車窓からの見どころや、列車や駅の楽しみ方もポイントの一つです。
そういった点で、交通手段の選択肢も多ければ観光としての見どころも多い「境港―松江―出雲」は、旅人さんとの綿密なコミュニケーションが大事になります(「鳥取―境港」はJRしかなく+「白兎神社へ行く際にバスをどう使うか」くらいで選択肢は限られますが、長距離切符にして「有効期限」「途中下車」が生かせる場合はあります)


いずれにしても、帰宅後「予定通り楽しめました」や「新たな相談」のメールなどをいただくと、うれしくなります。


あと、著書には「列車のトイレ事情」について記されていますので、ついでにひとネタ。
ご宿泊いただいた旅人さんから、山陰は「小さな駅にトイレがないのが困る」(使える状態にない)と、よく言われます。


その筆頭が「恋山形駅」(智頭急行)。
この駅は、日本に4つある「恋」の字がつく駅として始まった「恋プロジェクト」により、2013年に駅舎全体をピンクに塗装。「恋がかなう駅」として「恋ポスト」やハート形の絵馬などがあり、観光客が集まるスポットとなっています。

(写真は智頭急行株式会社ホームページより)


そんなおしゃれな駅ですが「1日の乗降客数は約5人!」。
非常に山深い場所にあり、駅周辺には何もありません。少し下った場所に小集落がありますが、人家は少なく、普段は静寂に包まれています。
そのため、待合所もトイレも存在しません。列車の本数も少なく、どちらへ向かうにしても1~2時間くらいの待ち時間が生じるため、よく調べずに行くと大変です。写真を撮ったり絵馬を描いたとしても、20分もあれば十分。特に冬は寒風が吹き晒すので、とてものんびり過ごせません(現実的には車で訪ねる人が多いようです)。


列車で行かれる際、智頭駅から折り返す場合も佐用・上郡方面へ行かれる場合も、午前中は約2時間待ちとなるため、お勧めできません。
行かれるなら15~18時ごろ。列車の本数が増え、概ね1時間待ちで済みます。また、土日は13~14時台の列車(上り・下り各1本)が、20~25分ほどの停車時間を設けます。


ほか山陰本線や境線、一畑電車も、小規模な駅だとトイレがありません。
主要駅以外で降りられる人は多くないですが、境線だと「馬場崎町/上道/余子/高松町」など境港近郊の駅や「富士見町/博労町」などの米子市内の駅、一畑電車だと、粟津稲生神社や出雲ドームへのアクセスとなる「高浜」をはじめ設置されていない駅が多いですので、注意が必要です。
「列車のトイレを使いたくないから駅で」と思うと、思わぬ“落とし穴”がありますので、ご注意ください。


また、一畑電車は列車内にもトイレがありません。
松江しんじ湖温泉―出雲大社前は約1時間ですが「緊急時に途中下車」しても、駅にもない場合がありますので、要注意です。しかも概ね1時間待ちになり、その時間を潰せるのも雲州平田駅くらい。
「事前準備を怠らず、万全の状態で」乗車されることをお勧めいたします(実際に「恋山形駅」と「一畑電車」では「尊厳を失いかけた」話を聞かされました)。

妖怪ジャズフェスティバルを終えて

遅くなりましたが、先日20日「境港妖怪ジャズフェスティバル」が行われました。
ずっと雨が降り続く厳しいコンディションでしたが、出演者と観客が一体となって熱狂されたようで良かったです。


当日のご宿泊は9人。すべてジャズフェスティバルに来られた女性客です。
昨年は一人だけ「一般の旅人さん」が入ってジャズフェスの参加者たちとは合わなかったのと、男女が混在し完全に二分してしまったので、今年は宿泊予約サイトからの受け付けを「公共交通機関で来られるジャズフェス参加の女性」に絞り込みました。
5月上旬までにすべて埋まり、キャンセルで少し入れ代わりましたが、結果的に客層が揃いました。


また、ご予約時から公式ホームページやSNSを見てくださっていた人が多く、事前やり取りがかなりありましたし、雰囲気を掴んで来てくださった感がありました。半数以上がゲストハウス様式の宿は未経験でしたが、その分、節度があり、良い意味での自由さがありました(40代が多かったのもあります)。
やはり「ご予約時から当日までのコミュニケーション」で事前に信頼関係が出来上がると、コミュニティスペースの雰囲気が格段に良くなります。この点は、より丁寧に、柔軟に対応していきたいと考えています。


ジャズフェス開始までに全員がチェックインを終え、開催中は途中で少し休憩に戻られる人もいました。終了後は早朝出発の人などを除いた6人がコミュニティスペースに集まり、余韻に浸るトーク全開で、最後は午前3時まで盛り上がっていました。

それもあって、朝は始発で帰られた一人を除いてゆっくり。朝食を食べて寛がれたり、朝からメッセージカードを書き残してくださったり、想い想いに楽しんでくださった感じでした。帰宅後にお礼のメールもたくさんいただきました。

また、雨が上がった夜中に水木しげるロードの影絵を見に行かれた人もいましたし(盛り上がっていた中の4人は午前2時過ぎてから!)、殆どの人が、ご到着後や翌日の昼に水木しげるロードを観光されたり、「鬼太郎ちゃんちゃんこ」で遊んでくださったのも良かったと思います。女性客は、こうしたイベント参加や、隠岐や美保関が目的であっても「ついでに楽しもう」という貪欲さが高いと感じます。


一つ残念だったのは「水木しげるロードの夜間ライトアップ」が延長できなかったこと。ライトアップは22時で終了なので、ジャズフェス終了後に見ることはできません。
昨年も今年も宿泊者からの要望があったので問い合わせたところ「近隣住民との約束で(苦情もあるので)難しい」とのこと。生活道路でもあるので致し方ない気もしますが、一日だけのこととして30分~1時間程度なら融通を利かせても良いのでは、とも思いました。

上半期を終えて

明日から7月1日、下半期に入ります。
ゴールデンウィークが10連休になって、想像以上の大盛況になったものの、反動は大きく、連休明けから7月の3連休までは、昨年より微減です。もっとも全国的に言われていることでもあり、致し方ないでしょう。


総人数は昨年より増えていますが、ほぼゴールデンウィークの恩恵のみ。2月と6月は減少、1月と3月が微増。
ファミリー率は大きく上がっていますが、2人以上の大人のみのグループ利用が減っています。特に「4人以上」は、今年はまだ1組だけ(男女混合)ですし、3人も僅か2組。昨年は上半期に5人が2組、4人が1組ありますし、一昨年も5人が2組あるので「人数の多いグループ」が入らなくなりました。
料金設定を「一人あたり×人数」にしているので、大人のみ3人以上だと「1室あたりの料金」で設定している宿よりも高くなる傾向があるからだと思いますが、うちとしてはファミリーのほうが雰囲気には合うことが多いので、これも“棲み分け”だと捉えています。
一人旅の割合は、男女とも昨年とほぼ変わりません。人数的には微増です。


平均年齢も昨年並みですが、少し40代の支持率が高め。ほかのゲストハウス様式の宿よりは30~50代の女性が多いと思います。一方、学生がだいぶ減っていて、これは「宿の探し方」が合わない感じ。昨年末、宿名を変更するとともに、販売や広報の仕方を変えたので、この影響ははっきり言ってあります。


また「当日予約」(特に電話)が大幅に減りました。
うちは観光案内などの「事前やり取り」で旅のサポートを行ったり、旅程や目的などを聞いて各々に合わせた対応を採ることに尽力しているので「事前予約で特性が生きる」感はあります。基本額を格安にするのではなく《割引特典》を設けたり、各種サービスを無償化していることは、事前予約者に対してプラスですが、当日予約者にはあまり恩恵がありません(細かく調べずに予約される傾向があるので)。
自分自身の性格的にも「当日予約」への臨機応変な対応が苦手なのと、目的地意識などの観点から「相性」が合わないことがあるので、現状を伸ばしていくしかありません。


水木しげるロードの観光動向としては、昨年のリニューアル完成ごろから、土日祝日・繁忙期と平日の差が大きくなっているのが顕著です。
宿泊においても昨年、人数が一昨年より150人ほど増えたのに、稼働日数は微増でしかありませんでした。増加したのはファミリーなので、どうしても土日祝日・繁忙期に偏ります。


今年も傾向は変わらず、平日は女性ドミがパラパラ、土日祝日・繁忙期はファミリー中心です。
幸いにも女性ドミ、特に女性の一人旅は曜日の偏りがなく、むしろ繁忙期だから特別増えることもないので、調整しやすいとは言えます。
ちなみに、個室は当然、土曜日のご利用が最多で、ほかの曜日を倍以上離していますが、女性ドミは月曜日が最多、木曜日が2番目です。


このあと、7~8月のご予約は、概ね昨年並み。
子どもは、ゴールデンウィークは女児が多かったのに対し、6月はすべて男児、7月もかなり男児が多め。結局、男女同数くらいになってきます。また、8月は今までにご宿泊いただいた人が3組入っており、僅かながらリピーターも付いてきました。


正直なところ、かなり特徴的な雰囲気なので、好き嫌いははっきり分かれる傾向はあります。また、流行や時世に合っているとも言えませんので、現状のやり方だと低空飛行は変わらないかもしれません。
今後について、さまざまな面において見直すか現状で行くか悩む部分もありますし、来年以降のことを少し考えてもいます。


厳しい見解を記しますが、現在のアニメ放映が終了したら、水木しげるロードを訪れる観光客は間違いなく下がるでしょう。早ければ来年春に放送終了の可能性もあります。
水木先生が亡くなられてしまった今、10年以上前のように「大人の、水木先生や、まち自体のファンをつくれるか」。この新規開拓は難しく、定期的に旅を楽しんでくださるところまで引き込めない気がします。
実際、横浜で行われた「水木しげる魂の漫画展」を見てきましたが、観覧者の平均年齢は、かなり高め。境港の観光としても、若年層の個人客は減少しています。まして「宿泊」となると、影絵だけでは弱い、という声も、はっきり上がってきます。
周辺観光の拠点にできる場所ではないですし、長期的な視野で考える時期が来そうです。


最近は少し「狙い」や「想い」に拘り過ぎたためか、ゴールデンウィークなど繁忙期は目立った課題が生じませんでしたが、閑散期の“貸し切り状態”の日のほうが、小さな“ずれ”が多数発生してしまった感じです。
とりあえず改善点を見直したうえで、うまく特性を出していけるといいのですが・・・。
まだまだ、苦悩は尽きません。