「旅の宿家」鳥取境港❝縁❞ ブログ(^^♪

とにかく「旅」が好きな自由人。
「旅そのものと境港・水木しげるロードを楽しむ」に拘った「旅の宿家」(ゲストハウス様式)を、2016年8月26日にオープンしました。
https://guesthouse-en.jimdo.com/
女性客とファミリー主体の”遊び心”いっぱいの寛ぎの空間です!
米子や大山、松江、美保関、隠岐などへの起点としても生かせる「妖怪と魚の町」を楽しんでください!

若桜町で英語を教える青年

昨日ご宿泊いただいたのは、鳥取県の東端に近い若桜町の小中学校で英語を教える、アメリカ人男性のマーカス君。
大山へスキーに行った後、翌朝、境港の教会へ行くためにご利用されました。ゲストハウスは初めてでした!


京都に留学するなど日本には2年ほど住んでいるそうで、「漢字を書くのは苦手」でしたが、日本語での会話はほとんど支障がなく、若桜町の話などいろいろ聞かせていただきました。地元の友人らと「雪合戦大会」(国際ルールがあるちゃんとしたスポーツで、北海道で全国大会が行われる)に出たり、「よさこい」のチームをつくったりと、精力的に楽しまれているようです。


メッセージカードだけでなく「“縁”メッセージリレー」にもご記入いただきました。
「漢字は苦手」と言いながらも、結構“がっつり”記してくださっています(#^.^#)

鳥取に住むようになって寒さには堪えているようですが、春休みには出雲や松江も旅したいと話しており、またご宿泊いただけるかもしれません。
再会を楽しみにしています!

1か月半ぶりの再会

本日、1月にご宿泊いただいた隠岐島前高校の「なな」さんと再会!

3月1日の卒業式を前に最後の隠岐生活を過ごすために来られたので、境港からフェリーに乗る前にお会いし、少し話すことができました。
卒業後は京都の専門学校に進学されるそうで、お土産をいただきました。
(泊まられたときいただいたメッセージも、あらためて載せます)


高校から親元を離れる決断をし、決して便利とは言えない隠岐での寮生活を選び、過ごした3年間。
ご宿泊いただいた際に、いろいろな話を聞かせていただき、その際には明るく楽しい話を多く伺いましたが、慣れない生活は不安だらけで、実際はいろいろな苦難があったと思います。
とは言え、素直で純粋な持ち前の性格で、自然と乗り越えていった感じを受けました。


その結果、普通の高校に進学するよりも、はるかに多様な経験ができ、幅広く学べたでしょう。


ちょっと“天然系”な感じもありましたが(笑)、高校進学時に隠岐を選ぶくらいですから、あどけなさの中に“芯”の強さを感じ、親子ほど年齢の違う高校生との会話の中で、自分も得るものがあり、いい“縁”となりました。
うちに泊まられたのは、ちょっとした「ハプニング」からでしたが、1月の寒い雨の一日が、うちの宿で過ごした時間で少しは「ハプニングを思い出に変える」ことができたかな、とは思っています。


たくさんの想い出がある隠岐での生活は、あと僅か1週間。
でもきっと、濃~い日々を楽しまれることでしょう。


隠岐で過ごしたことは、必ず今後に生かされます‼
また、一つ大人になって、成長した姿でお会いできる日が楽しみです(@^^)/~~~

「ついで」から一歩踏み込む――「思ったより楽しい」と感じていただくために――

先週から穏やかな日が続き、2月上旬に降り積もった大雪も、かなり融けました。
相変わらず韓国・中国からの旅行者が多いですが、春休みに入った大学生の姿も見られるようになってきました。ただ、3月のご予約は昨年の同時期と比べて半分程度。リニューアル工事が本格化して一般にも知られるようになり、町としても「リニューアル後」に目が向いている感があります。
「今」の様相は「今」しか見られないのですから、「『4代目・鬼太郎列車』の見納め」や「世界妖怪会議」などをもっとアピールし、ご不便をおかけするからこそイベントを増強するなどできるといいのですが・・・、現実は厳しいです。


山陰はアクセスが良くないこともあり「水木しげるロードだけのために来られる人」は、決して多くありません。入り込み数からすれば、ごく僅か。おそらく1%にも満たないでしょう。
大半が出雲・松江・大山・隠岐・倉吉・鳥取などを合わせて楽しまれており、アニメや漫画が好きな人は北栄町由良や岩美町にも行かれる人が多いですし、「女子旅」は出雲大社や鳥取砂丘がメーンの人が主。団体ツアーや外国人観光客も同様で、「水木しげるロードは、メーンではなく『ついで』」の人のほうが多いのが現実です。


うちにご宿泊される人は基本的に「旅人」で、「2泊以上の旅で、水木しげるロードを楽しむために境港で1泊」という人が圧倒的に多く、特にうちの主要客となる「女性の一人旅」は、土曜日・繁忙期と平日の利用率にほとんど差がありませんので、この傾向が強いです。
女性グループは一人旅と比べると土曜日や繁忙期が主で、この客層は「1泊2日で境港のみ」もおられますが、総数は多くありません(女性の一人旅は全体の約45%、女性グループは約12%)。


子ども連れのご家族(全体の約19%)は「水木しげるロードをメーンに1泊2日」が4~5割くらいでしょうか。うちの利用者だとご家族でも「行楽・観光」というよりは「旅行・旅」という感じです。男性客や大人のみのグループ、ご夫婦は「水木しげるロードの観光ではない人」が大半です。
なので、うちに2泊以上するのは全体の10%弱しかありません(美保関の観光に時間を割く人が連泊する傾向があるくらい)。


日中の滞在時間は、女性客や子ども連れのご家族は、短い人で2時間くらい、長い人で丸一日。概ね3~4時間です。ご宿泊される人でそれくらいですので、「境港に泊まらない人」だと1~2時間が主、団体客だと1時間いない人も多いです。
皆生温泉や玉造温泉、松江などに泊まって、日中に境港観光に来られる人が多いほか、「米子空港便を利用し、着いてすぐか帰る前に寄る人」がおられます。女性グループが主で、特に日曜日の夕方「帰る前に境港を観光し、夕食に海鮮などを食べて、夜の飛行機で帰途に着く」感じです。


ある程度のファンであっても、小さな町ですので、宿泊して刊行される人の割合は低いです。さらは、大規模な催しでもない限り「水木しげるロードだけで2泊以上」に繋げるのは難しいのは事実です。


ただ、自分としては「ついで」で十分だとも思っています。もちろん「水木しげるロードを楽しむためだけ」の人が増えてほしいですが、「山陰観光」あるいは「中国地方広域観光」として広く楽しんでいただきたいですし、そのサポートをするのが当宿の特性でもあります。


大切なのは、「ついで」の人に「思ったより水木しげるロードが楽しかった」と感じていただくこと。


そのためには、サプライズ感のある小さな催しと、案内やサービス面の強化に尽きます。
「とりパス」などの割引券を案内所が配布したり、当日のイベントの告知などを、もっと積極的に行えば、観光客の“得した感”が増します。イベントの告知の遅さと、情報発信・共有が弱いのが、今の境港の課題だと思いますので、大リニューアルに併せて改善していかなければなりません。


自分は、今は「成りきり鬼太郎さん」&「折り紙目玉おやじ」で楽しんでいただいていますが、「楽しそうに写真を撮っている女性グループや子ども連れのご家族」に声をかけると、半数は着て遊ばれます。合わせてイベントや現状などをご案内し足り、割引券を配ることで、喜んでいただけていると思います。
「楽しい」と思っていただければ「また来たい!」となる可能性は上がりますし、本人だけでなく友人知人への情報発信もなされます。そうして「町を楽しむ人」が増えていくこと。それが大事です。「宿」としては好みもありますので、その中から1%でも泊まっていただければ幸いです。


「水木しげるロード」として、まちづくりが始まってから20数年。町として“水木色の徹底”は進み、“小ネタ的”なものも増えています。一方で“遊び心”というか、当初の“自由奔放さ”のようなものは薄れています。
「楽しみ方の尺度」のようなものが、変わってきていると言えるでしょう。それがもともとのまちづくりのファン層から飽きられているとも言えるのですが、一方で「今を楽しむ人」もいます。
時代の変化や、アニメや映画などの放送時期と旅する時期の関連性なども影響してきますので、一概に良し悪しは言えません(「原点」は守り伝えられていくべきだとは思いますが)。


いずれにしても「訪ねる前の期待感」を「上回る」ことが大切です。
「夕方着いたら店がほとんど閉まっていた」「店の呼び込みがうるさかった」「出没予定の妖怪と全く会えなかった」――などの声はよく聞かれますし、「割引券などの存在を後で知る」と、どこか「損した感」を覚えてしまいます。


こういった不満を、いかにほかのことで補えるか。


「店は閉まってたけど、楽しかった!」に導くために、不満が少しでも解消できるように、“想い”を込めて接しているつもりです。
宿としても、建物の古さや設備的な不備はありますが、旅好きな人が楽しめる“工夫”と“想い”で、補っていけるよう努めています。ビジネス的な感覚を出さず、サービスにも徹しているつもりです。


「旅そのものと境港を楽しむ」、その根底は誰にも負けない気持ちで「『ついで』のつもりだったのが、一番楽しめた!」と言っていただけるくらいに尽力していきます!
今回のリニューアルで、夜のにぎわいが演出され、その結果として泊まられる人もいるでしょうが、それよりも「今」来てくださってお会いした人が「楽しかったから今度は境港に泊まろう」であってほしい、その結果として、うちを利用してほしいと願っています。

「非日常感」を醸し出す――旅のコミュニティに要らないもの――

「旅は非日常」。
私は「旅宿」として、「非日常」の感覚を大切にしています。
そのため、コミュニティスペースに「テレビ」はありません。漫画本やゲーム類などの娯楽品もありません。個室も「寝るだけの最低限の設備のみ」です。
その代わり、観光関係の資料類は大量にあります。自分が10年以上かけて旅先で集めてきたものを所狭しと並べているので、量は「日本一」を自負しています。

「旅宿」に拘り、自分なりの基準をもってつくり上げている「コミュニティスペース」の、大きな特徴であり、個性です。


旅に出て民宿やユースホステル、そしてゲストハウスを利用する際に、自分が宿を選ぶ基準は「目的地へのアクセスが良い」「キッチンが利用できる」「収容定員が小規模」「テレビや漫画本がない(少ない)」――など。
特にゲストハウスで共有場所にテレビをがあると「せっかく『非日常』の旅を楽しみに来ているのに、会話が『日常的』になってしまう」ことがあるので、自分は好みません、


うちは「交流スペース」と呼ばず「コミュニティスペース」と定義づけているのも、こういった細かい拘りを持ってのことです。テレビがないほうが「旅のコミュニティ」は成り立ちますし、「旅」に関する資料類は「これでもか!」とばかりに充実させているので、旅を楽しみに来られている人を退屈させることはない、と自信を持って言えます。
実際、深夜まで旅話が弾んでいたことが何度もあり、一番遅かった人だと午前4時まで話し込んでいました。テレビがあっても盛り上がりはあるかもしれませんが「話題の軸が『旅関係』にならない」と思いますし、「非日常感」は醸し出さないでしょう。


うちに泊まる人の中には「家にテレビがない人」も結構いて、一人旅の女性にその傾向があります。1月に泊まられた農家のご家族も自宅にテレビがなく、子どもたちがそんな生活に慣れていることで「資類料ばかりで大人の旅人向けのものが主」のコミュニティスペースでありながら、「あるもので楽しむ」感じで夜遅くまで遊んでいたのが印象的でした。
「子どもたちに旅の素晴らしさを知ってほしい」という願いと、ご家族で水木しげるロードに来ているのに携帯ゲームに夢中になっている子どもなどを見掛けることもあるので、オープン時に「宿内での携帯ゲーム禁止」というルールを定めたのですが、うちを選ぶようなご家族は、その傾向は低く、杞憂でした。
個室の利用者も多くが「コミュニティスペースを活用する」のがうちの特徴で、客室に籠ったり、仲間内だけで楽しむ感じにはなりません(最近はそういうタイプの人のご利用が減っています)。

こういったことは、「ゲストハウス」を「安宿」と捉えるか「旅宿」と捉えるか、「都市型」を好むか「観光地型」を好むかなどで違いがあると思いますが、ホテルや旅館との違いとして「選択肢の一つとなるポイント」にしたいこと。「旅宿」としては、旅のコミュニティに「要るもの」と「要らないもの」を明確に見極めて、個性を表現しています。


テレビも漫画本もゲーム類もないけれど(「妖怪トランプ」と「妖怪花札」はありますが、遊び用というより“ネタ”の一つ)、ついつい腰を据えてしまうコミュニティスペース(特に冬は「こたつの誘惑」と葛藤する人も)。それが「旅宿」としての拘りです!

「知る」「学ぶ」――、日本の漫画文化を研究する留学生

本日は、新潟大学に留学している台湾人女性にご利用いただいています。

「アニメ聖地の現状から見る鳥取県」を論文のテーマに学んでいるそうで、研究の一環として来られました。
境港市観光協会や水木しげる記念館で話を伺うなど、境港・水木しげるロードを楽しみつつ、明日にかけて学んでいかれます。境港は8年前にも訪れているとのことで、日本のアニメ文化に関心が深いです。
境港以外では、同じ鳥取で「名探偵コナン」の作者の「青山剛昌ふるさと館」がある由良や、アニメ「Free!」の舞台である岩美町などに行かれるなど、トータル2週間の旅。来月には台湾へ帰られるそうです。
(台湾のパイナップルケーキをいただきました!(^^)!)


うちの宿のコンセプトは「『旅そのもの』と境港・水木しげるロードを楽しむ」です。
そして「旅を愛し、知り、学び、語り合う空間」として「まちづくりの原点を守り伝える」ことを大切にしつつ「初心者の安心」に拘っています。


全体の約19%を占める子ども連れのご家族は、95%以上が「水木しげるロードの観光が目的」。女性客は「一人旅」が全体の約45%を占め、その95%以上が「旅・観光」で、うち80%以上は「水木しげるロードを楽しむためのご利用」です(ほかは隠岐への拠点が主)。


このような一般的な旅人さんが殆どですが、10月には卒業論文のテーマで取り上げるために来られた山口県の大学生や、大学で妖怪文化を研究していて「境港妖怪検定」の受験に来られた北九州市の大学生などにもご利用いただいています。
「町を楽しむ」とともに「知る」「学ぶ」ためにご利用いただけるのは、非常にありがたいです。


漫画やアニメを活用したまちおこしは全国的に広がっており「聖地巡礼」の旅をされる人も多くいます。諸外国にも堀待っている、日本の文化の一つです。
とは言え、「アニメの聖地」としてのまちづくりは「作品の舞台」が主で、作者にゆかりがある町となると、やはり境港が先進的で「まちづくりとしての全国初の大成功例」です。宮城県石巻市など、この成功をモデルに町づくりを行ったところもたくさんあります。
そんな町づくりとの繋がりで「真面目に取り組むためのご宿泊」に応えていける自信はありますので、もっともっと史実を広く知っていただき、「学ぶ」ための町として、その拠点としてご宿泊いただけると、うれしいです。


ちなみに新潟と言えば、「ドカベン」「あぶさん」「野球狂の詩」などの代表作がある水島新司さん、「うる星やつら」「めぞん一刻」「犬夜叉」などの代表作がある高橋留美子さんの出身地で、市内はラッピングバスが走り、古町商店街には水島作品の主要キャラクターのブロンズ像が設置されています。アニメーション学院があることから2013年には「マンガ・アニメ情報館」と「マンガの家」が建てられており、観光振興や町づくりの一環としても生かされています。


(2013年秋に訪ねました)


こういった漫画やアニメの文化が築かれている町のつながりから来て、ご宿泊してくださる人も増えてほしいと願っています!